公開日 2011/01/12 11:10
高感度で暗いシーンもきれいに撮れる − プロカメラマン川村容一が迫るEverio「GZ-HM670」の実力
VICTOR新製品レビュー
ビクターから光学40倍ズーム機能を搭載し、新開発の画質エンジンにより高画質化も図ったビデオカメラ“Everio”のコンパクトモデル「GZ-HM670」が登場した。本機の画質や使い勝手をプロカメラマンの川村容一氏がレビューする。
懐の深い質感の高い映像が魅力のコンパクトモデル
高感度B.S.I CMOSセンサーを搭載したEverio GZ-HM670は、従来モデルより2倍の感度アップが実現した。この差は夜景や室内での撮影で実感できた。映像の暗い部分に目立つザラザラした感じや不要なカラーノイズも極めて少なく、滑らかな映像だ。そして解像度も高い。肉眼で見るよりはっきり映っているシーンもあった。そして静止画でも暗いシーンには強くなったことは喜ばしいことだ。高感度化はオートフォーカス合焦精度の向上や、ブレの低減にも役立っているので、高画質の映像を失敗が少なく撮影できるようになった。
記録媒体は内蔵メモリーが32ギガバイト、他にSDXC対応メモリースロットも備えていて、内蔵メモリーが一杯になってもカードへ連続録画もできて、長時間の撮影にも安心だ。「二度と出会えない大切な瞬間をより美しい映像で残したい」という思いに十分応えてくれるビデオカメラである。
片手にしっくり収まるコンパクトなボディでも、レンズはコニカミノルタHD 40倍ズームレンズを搭載している。35mm換算で41.4〜1,656mmと望遠側がとてつもない数字になっている。広角側はそれほど広い値ではないが、通常の撮影にはちょうど良い画角であった。光学40倍というレンズなので、収差(レンズの光学的な欠点)は克服できているのか心配であったが、映像を見るとシャープな描写である。解像度が高いので、写っている細部の質感が高い。歪みも少なく、逆光でもゴーストやフレアが少ない。静止画でもクリアで高精細な写真が撮影できた。
またテレマクロは役に立つ機能だ。最望遠側でもレンズ先端から70センチほどからピントが合う。近距離の被写体の超アップが撮影できるのだ。最短撮影距離の際、アクティブ手ぶれ補正オフ時で写る範囲は横が3センチほどが画面いっぱいに入ってしまうほどだ。大画面テレビで鑑賞すれば非日常の映像となる。植物や昆虫などは、広角側で被写体まで近づけない場合が多いので、強力な武器になるだろう。
筆者が特に気に入ったのは、落ち着いた滑らかな諧調表現と輪郭の処理だ。新世代の映像エンジンを搭載し、さまざまなシーンに適した映像処理を高速で行っている。撮影の時は「インテリジェントオート」をオンにしておけば、何も気にすることなく被写体に集中できる。これまでのビデオ映像では鮮やかでくっきりした映像をよく目にするが、不自然さと刺激が強すぎると日常筆者は感じている。Everio GZ-HM670は懐の深い質感の高い映像が魅力である。
【SPEC】●動画記録方式:MPEG-4 AVC/H.264 ●音声:Dolby Digital 2ch ●撮像素子:総画素数332万画素1/4.1型 高感度B.S.I. CMOSセンサー ●レンズ:光学40倍 コニカミノルタHDレンズ ●最低被写体照度:4ルクス ●液晶モニター:2.7型(23万ドット)ワイドクリアブライトII ●記録メディア:32GB 内蔵メモリー、SDXC/SDHC/SDカード ●入出力端子:USB、HDMI出力、AV出力 ●消費電力:約2.4W(XPモード時) ●外形寸法:50.5W×55H×110.5Dmm(バッテリー含む) ●質量:約235(撮影時)
◆プロフィール 川村容一
写真家。広告代理店写真部、編集プロダクション写真部を経て独立。デジタルカメラでの取材ものから大判フィルムを使った商品撮影が主な仕事。モノクロの処理は自宅暗室で行っている。JPS展実行委員会など事業の運営に参加する。写真添削講座講師も務める。25年以上経験の現場のプロ。社団法人日本写真家協会会員。
懐の深い質感の高い映像が魅力のコンパクトモデル
高感度B.S.I CMOSセンサーを搭載したEverio GZ-HM670は、従来モデルより2倍の感度アップが実現した。この差は夜景や室内での撮影で実感できた。映像の暗い部分に目立つザラザラした感じや不要なカラーノイズも極めて少なく、滑らかな映像だ。そして解像度も高い。肉眼で見るよりはっきり映っているシーンもあった。そして静止画でも暗いシーンには強くなったことは喜ばしいことだ。高感度化はオートフォーカス合焦精度の向上や、ブレの低減にも役立っているので、高画質の映像を失敗が少なく撮影できるようになった。
記録媒体は内蔵メモリーが32ギガバイト、他にSDXC対応メモリースロットも備えていて、内蔵メモリーが一杯になってもカードへ連続録画もできて、長時間の撮影にも安心だ。「二度と出会えない大切な瞬間をより美しい映像で残したい」という思いに十分応えてくれるビデオカメラである。
片手にしっくり収まるコンパクトなボディでも、レンズはコニカミノルタHD 40倍ズームレンズを搭載している。35mm換算で41.4〜1,656mmと望遠側がとてつもない数字になっている。広角側はそれほど広い値ではないが、通常の撮影にはちょうど良い画角であった。光学40倍というレンズなので、収差(レンズの光学的な欠点)は克服できているのか心配であったが、映像を見るとシャープな描写である。解像度が高いので、写っている細部の質感が高い。歪みも少なく、逆光でもゴーストやフレアが少ない。静止画でもクリアで高精細な写真が撮影できた。
またテレマクロは役に立つ機能だ。最望遠側でもレンズ先端から70センチほどからピントが合う。近距離の被写体の超アップが撮影できるのだ。最短撮影距離の際、アクティブ手ぶれ補正オフ時で写る範囲は横が3センチほどが画面いっぱいに入ってしまうほどだ。大画面テレビで鑑賞すれば非日常の映像となる。植物や昆虫などは、広角側で被写体まで近づけない場合が多いので、強力な武器になるだろう。
筆者が特に気に入ったのは、落ち着いた滑らかな諧調表現と輪郭の処理だ。新世代の映像エンジンを搭載し、さまざまなシーンに適した映像処理を高速で行っている。撮影の時は「インテリジェントオート」をオンにしておけば、何も気にすることなく被写体に集中できる。これまでのビデオ映像では鮮やかでくっきりした映像をよく目にするが、不自然さと刺激が強すぎると日常筆者は感じている。Everio GZ-HM670は懐の深い質感の高い映像が魅力である。
【SPEC】●動画記録方式:MPEG-4 AVC/H.264 ●音声:Dolby Digital 2ch ●撮像素子:総画素数332万画素1/4.1型 高感度B.S.I. CMOSセンサー ●レンズ:光学40倍 コニカミノルタHDレンズ ●最低被写体照度:4ルクス ●液晶モニター:2.7型(23万ドット)ワイドクリアブライトII ●記録メディア:32GB 内蔵メモリー、SDXC/SDHC/SDカード ●入出力端子:USB、HDMI出力、AV出力 ●消費電力:約2.4W(XPモード時) ●外形寸法:50.5W×55H×110.5Dmm(バッテリー含む) ●質量:約235(撮影時)
◆プロフィール 川村容一
写真家。広告代理店写真部、編集プロダクション写真部を経て独立。デジタルカメラでの取材ものから大判フィルムを使った商品撮影が主な仕事。モノクロの処理は自宅暗室で行っている。JPS展実行委員会など事業の運営に参加する。写真添削講座講師も務める。25年以上経験の現場のプロ。社団法人日本写真家協会会員。