公開日 2013/04/25 09:48
ファッション性と音質を両立させた「DIESEL」コラボヘッドホン − MONSTER「VEKTR」を聴く
「単なるファッションアイテムに留まらない機能性や音質」
■人気ファッションブランド「DIESEL」とコラボ
「GRATITUDE」や「Diamond Tears」など、ミュージシャン/音楽プロデューサーとのコラボモデルがいくつもリリースされているMONSTER(モンスター)だが、そのいっぽうで、ファッションブランドがコーディネイトを手がけた製品も誕生している。今回紹介する「DIESEL VEKTR」もそんなひとつ。イタリアのファッションブランド「DIESEL」とのコラボによって誕生した、オーバーヘッド/オンイヤータイプのヘッドホンである。
まず最初に目を惹くのが、その個性的なスタイルだ。三角形の多面体をあしらったデザインは、構造上真円や曲面を基調としている(せざるを得ないともいえる)一般的なヘッドホンとは異なった、シャープな印象をあたえてくれる。ヘッドホンを「ファッションの一部」として捉えるイマドキの風潮からは、なかなかに魅力的なモデルと映るはず。
なかでもホワイトカラーバージョン「VEKTR WHITE」は、これまでのブラックモデルのような、ハリウッド映画に出てくる戦闘機のようなSFチックなイメージから、女性が好んで手に取りそうな、ジュエリー的なスタイリッシュさをアピールするようになった。カラーコーディネイトひとつで、ここまで大きくイメージが変わるのはとても興味深い。また、イヤーパッドの内側に少しだけオレンジを入れてアクセントとするなど、外して首に掛けているときの「見栄え」も十分に考慮されている。さすがDIESEL、さすがMONSTER、といいたくなるセンスの良さだ。
そのいっぽうで、単なるファッションアイテムに留まらず、ヘッドホンとしての本来の機能性たる音質やユーザビリティにおいてもかなりのクォリティを保っているのも、この「VEKTR」の魅力といえるだろう。
例えば、着脱式を採用したケーブルは、モンスターが「CTU(コントロール・トーク・ユニバーサル)」と呼ぶマイク付きリモコンを搭載。アップルiPhone(iPhone3以降)は当然のごとく、サムソンGalaxyやシャープAQUOS PHONE、ソニーエリクソンXperiaなどのAndroidスマートフォンでも通話や音楽再生のコントロールが行えるようになっている。
また、装着感の良好さも捨てがたい。縦に細長い多角形デザインのイヤーパッドは、柔らかい素材を採用することもあって、耳にピッタリフィットしてくれる。その感触がなかなか心地よいうえ、音漏れに関してもあまり心配がないのは嬉しいかぎりだ。また、ヘッドバンドは無段階で長さが調整できるほか、ヘッドバンド自身が捻ったり(ある程度)広げたりしても大丈夫な柔軟さを持ち合わせていることもあってか、意外なほどフィット感もよい。格好良くて、タフで便利。「DIESEL VEKTR」からは、そういった印象が感じられる。
■重低音系だが単なるドンシャリでない音質
さて、肝心のサウンドはいかがなものだろう。結論をいえば、従来のMONSTER製品に違わず、クラブミュージックや打ち込み系の楽曲をメインに据えた「重低音系」のキャラクターを引き継いでいるのは確か。しかしながら、単なるドンシャリでないところが興味深い。低域のフォーカス感がしっかりと確保されていて、しかも膨らみすぎてヴォーカルなどの中域をスポイルしないよう、絶妙なチューニングが施されているのだ。おかげで、ハードロックなど(低域が膨らみすぎると全くダメなジャンル)の曲でも、グルーブ感の高いノリノリの演奏を楽しませてくれる。逆に、キレの良く、閣下なりの重さを感じるバスドラとスネアが、リズムパートをより印象的な感じさせてくれる。なかなかの演出だ。
いっぽうで、ヴォーカルの歌声もリズムパートに負けず劣らず印象的。中域にしっかりとした厚みが確保されているのだろう、男性ヴォーカルも女性ヴォーカルも一歩前に出てきたかのような、力強い歌声を披露してくれるのだ。
ジャズなどの音楽ジャンルやアコースティック系の演奏など、ベストとはいえないもののけっして苦手ではないところも「DIESEL VEKTR」ならではの魅力といえる。このあたりは、これまで「クラブミュージック専用」というイメージが強かったMONSTER製ヘッドホンとは一線を画すもの。こういったキャラクターのおかげで、より幅広い層から人気を得られるはずだ。
なお、プレーヤーについてもハイレゾ音源対応のiriver「AK100」からアップル「iPod touch(第5世代)」まで、ポタアンも含めいくつか試してみたが、いちばん相性が良かったのは「iPod touch」の直出しだった。もともと、iPhoneなどスマートフォンでの使用を前提にチューニングされているのだろう、解像度感やダイナミックレンジは劣るものの、帯域バランスは圧倒的に良かった。ポアタンなどを間に挟むと低域がブーミーになりすぎてしまうこともあるので、直出しでの使用をお勧めする。
「GRATITUDE」や「Diamond Tears」など、ミュージシャン/音楽プロデューサーとのコラボモデルがいくつもリリースされているMONSTER(モンスター)だが、そのいっぽうで、ファッションブランドがコーディネイトを手がけた製品も誕生している。今回紹介する「DIESEL VEKTR」もそんなひとつ。イタリアのファッションブランド「DIESEL」とのコラボによって誕生した、オーバーヘッド/オンイヤータイプのヘッドホンである。
まず最初に目を惹くのが、その個性的なスタイルだ。三角形の多面体をあしらったデザインは、構造上真円や曲面を基調としている(せざるを得ないともいえる)一般的なヘッドホンとは異なった、シャープな印象をあたえてくれる。ヘッドホンを「ファッションの一部」として捉えるイマドキの風潮からは、なかなかに魅力的なモデルと映るはず。
なかでもホワイトカラーバージョン「VEKTR WHITE」は、これまでのブラックモデルのような、ハリウッド映画に出てくる戦闘機のようなSFチックなイメージから、女性が好んで手に取りそうな、ジュエリー的なスタイリッシュさをアピールするようになった。カラーコーディネイトひとつで、ここまで大きくイメージが変わるのはとても興味深い。また、イヤーパッドの内側に少しだけオレンジを入れてアクセントとするなど、外して首に掛けているときの「見栄え」も十分に考慮されている。さすがDIESEL、さすがMONSTER、といいたくなるセンスの良さだ。
そのいっぽうで、単なるファッションアイテムに留まらず、ヘッドホンとしての本来の機能性たる音質やユーザビリティにおいてもかなりのクォリティを保っているのも、この「VEKTR」の魅力といえるだろう。
例えば、着脱式を採用したケーブルは、モンスターが「CTU(コントロール・トーク・ユニバーサル)」と呼ぶマイク付きリモコンを搭載。アップルiPhone(iPhone3以降)は当然のごとく、サムソンGalaxyやシャープAQUOS PHONE、ソニーエリクソンXperiaなどのAndroidスマートフォンでも通話や音楽再生のコントロールが行えるようになっている。
また、装着感の良好さも捨てがたい。縦に細長い多角形デザインのイヤーパッドは、柔らかい素材を採用することもあって、耳にピッタリフィットしてくれる。その感触がなかなか心地よいうえ、音漏れに関してもあまり心配がないのは嬉しいかぎりだ。また、ヘッドバンドは無段階で長さが調整できるほか、ヘッドバンド自身が捻ったり(ある程度)広げたりしても大丈夫な柔軟さを持ち合わせていることもあってか、意外なほどフィット感もよい。格好良くて、タフで便利。「DIESEL VEKTR」からは、そういった印象が感じられる。
■重低音系だが単なるドンシャリでない音質
さて、肝心のサウンドはいかがなものだろう。結論をいえば、従来のMONSTER製品に違わず、クラブミュージックや打ち込み系の楽曲をメインに据えた「重低音系」のキャラクターを引き継いでいるのは確か。しかしながら、単なるドンシャリでないところが興味深い。低域のフォーカス感がしっかりと確保されていて、しかも膨らみすぎてヴォーカルなどの中域をスポイルしないよう、絶妙なチューニングが施されているのだ。おかげで、ハードロックなど(低域が膨らみすぎると全くダメなジャンル)の曲でも、グルーブ感の高いノリノリの演奏を楽しませてくれる。逆に、キレの良く、閣下なりの重さを感じるバスドラとスネアが、リズムパートをより印象的な感じさせてくれる。なかなかの演出だ。
いっぽうで、ヴォーカルの歌声もリズムパートに負けず劣らず印象的。中域にしっかりとした厚みが確保されているのだろう、男性ヴォーカルも女性ヴォーカルも一歩前に出てきたかのような、力強い歌声を披露してくれるのだ。
ジャズなどの音楽ジャンルやアコースティック系の演奏など、ベストとはいえないもののけっして苦手ではないところも「DIESEL VEKTR」ならではの魅力といえる。このあたりは、これまで「クラブミュージック専用」というイメージが強かったMONSTER製ヘッドホンとは一線を画すもの。こういったキャラクターのおかげで、より幅広い層から人気を得られるはずだ。
なお、プレーヤーについてもハイレゾ音源対応のiriver「AK100」からアップル「iPod touch(第5世代)」まで、ポタアンも含めいくつか試してみたが、いちばん相性が良かったのは「iPod touch」の直出しだった。もともと、iPhoneなどスマートフォンでの使用を前提にチューニングされているのだろう、解像度感やダイナミックレンジは劣るものの、帯域バランスは圧倒的に良かった。ポアタンなどを間に挟むと低域がブーミーになりすぎてしまうこともあるので、直出しでの使用をお勧めする。