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公開日 2013/10/25 11:00

いま改めて検証する、ゼンハイザー最上位イヤホン「IE 800」の実力

VGP 2014 金賞受賞モデル
鴻池賢三
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ドイツの名門音響機器メーカーで、放送局用などの業務用機器も手がけるゼンハイザーのフラッグシップイヤホンが、本機「IE800」である。

今やイヤホン市場は数千モデルが凌ぎを削る群雄割拠の状況にあるが、本機はカリスマ的な存在感を放ち、登場から約1年が経過した現在もなお、その地位は揺るぎない。

事実、登場直後にVGP2013 SUMMERで最高賞にあたる金賞に輝いた後、先日審査会が行われたVGP2014でも金賞を連続受賞するなど、時間が経過してもフラッグシップたる威厳は色褪せていない。

そればかりかユーザーの支持は日増しに高まり、高価な製品であるにも関わらず品薄が続いている。批評家や専門家の絶対的な音質評価はもちろん、その音質や製品としての総合力が、価格以上の価値を持つとユーザーに広く認められたということだ。

ゼンハイザーのフラグシップイヤホン「IE800」。筐体内部に2基のレゾネーターを搭載するチャンバーシステムを採用

「VGP2013SUMMER」に続き「VGP2014」のイヤホン(5-10万円)部門で金賞を連続受賞した

IE 800のプロフィール

結論から言えば、本機は他のイヤホンと次元の異なる「こだわり」が凝縮された、フラッグシップと呼ぶにふさわしい特別な存在である。技術面ではゼンハイザーの注目すべき独自技術が数多く採り入れられており、それは音の源泉となるドライバーユニット、ハウジングを含む音響設計など、枚挙にいとまが無い。また素材の面でも、本体からケーブルの隅々まで吟味されている。

まず基本構造として「ダイナミック型」である事に注目するユーザーが多いのではないだろうか。各社がトップエンドモデルにバランスドアーマチュアドライバーを採用するケースが多く、トレンドとして「ハイエンド=バランスドアーマチュア」の流れがあるからだ。

しかし、方式は音質の良し悪しと本質的には関係ない。究極の音質を追求するならば、方式にとらわれることなく、本質を探究することが重要である。本機はゼンハイザーが独自に開発した、直径7mmの「XWBトランスデューサー」を搭載している。

次ページIE 800に搭載されたドライバーテクノロジー

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