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公開日 2014/04/14 11:00

オーディオテクニカ「ATH-CKR5」「ATH-CKR3」レビュー − こなれたチューニングが光る優秀な入門機

高橋敦
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オーディオテクニカのイヤホンに新たにラインナップされる「CKR」シリーズ(関連ニュース)。そのエントリークラスを構成するのが「ATH-CKR5」と「ATH-CKR3」だ。


ATH-CKR5(税抜6,000円)

ATH-CKR3(税抜3,500円)
共通の要素としてはまず、筐体内ドライバー背面に真鍮スタビライザーを搭載。この比重の高い金属パーツによって、音の雑味を生む不要振動を抑制している。

そしてドライバーユニットには「ダイレクトダイヤフラムマウント方式」を採用。支点となる仲介パーツを廃して直接、ダイヤフラム(振動板)をユニット基部に接合している。振動板の面積をより大きく確保することで音質面での優位を得る技術だ。

「ATH-CKR5」(写真左)と「ATH-CKR3」(写真右)の内部構造図。ドライバー口径は異なるが、ダイレクトダイヤフラムマウント方式のドライバーユニットを搭載している点、真鍮スタビライザーの採用などは共通点だ。


「ATH-CKR5」は13mmドライバーを搭載

「ATH-CKR3」は9.8mmドライバーを搭載。良い音は保ちつつ全体をダウンサイジング設計としているのが特徴だ
両モデルで異なる点としてはまずドライバーの口径。「ATH-CKR3」は9.8mm、「ATH-CKR5」は13mmだ。基本的にはドライバー口径はある程度は大きい方が音質面では優位となる。

一方「ATH-CKR3」は、ドライバーの小ささも生かして全体をダウンサイジング設計にしていることが特長。耳への収まりがよく、またシリーズ共通の肉厚でしっかりとしたイヤーピースの効果もあり、遮音性も特に良好だ。

なお「ATH-CKR3」は、スマートフォン一般用のマイク&リモコン搭載「ATH-CKR3iS」、iPhone等用マイク&リモコン搭載「ATH-CKR3i」も用意している。


カラーバリエーションも豊富。「ATH-CKR5」(写真左)、「ATH-CKR3」(写真右)ともに落ち着いたトーンのカラーを揃えている。
「ATH-CKR3」の音は小柄さに反して意外とゴツい。音域も音場も広くはないのだが、おかげで音が中心にガツンと集まっている。ベースの音色の芯になるやや低めの中域が良い具合にプッシュされ、リズムがパワフルだ。

高域側は、シンバルの強打の炸裂感や軽く歪ませたギターやシンセのエッジ感といった荒い成分の出し具合がほどよい。前述のベースの充実と合わせて、ロックやクラブ系のサウンドとの相性は良好だ。

女性ボーカルは、耳障りなシャープさにもぼやけたソフトさにもなっておらず、このクラスの製品としてはとても巧くまとめてある。

「ATH-CKR5」は、重心を少し下げて安定感を増した印象。比べると「ATH-CKR3」はグイグイ来るドライブ感が持ち味で、「ATH-CKR5」はもう少し落ち着いたがっしり感が出てくる。ベースの太さや厚みがより自然だ。といってもモニター系のようなブレや膨らみのない描写ではなく、ややおおらかなドライブ感という意味では「ATH-CKR3」と共通する。

高域の感触も少しだけ落ち着く傾向。しかし、前述のような荒い成分の表現力や、ボーカルのまとめ方の巧さは「ATH-CKR3」と同様だ。

オーディオテクニカのベーシックな技術とこなれたチューニングが光る、優秀なエントリーモデルと言える。

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