公開日 2014/11/04 13:31
レコード音源をiPhoneに直接録音!IONのターンテーブル「Archive LP」レビュー
【特別企画】再生もアーカイブも手軽なオールインワン・レコードフレーヤー
アナログレコードのブームに最適な高機能モデル
現在、ピュアオーディオで、静かにブームが巻き起こりつつあるのが「アナログレコード」だ。そのブームに最適なモデルとして、IONAUDIO のシンプルな操作性と高い機能性を兼備したアナログプレーヤー「Archive LP」を紹介したい。
天然木を採用した筐体にスピーカーを内蔵し、本機一台で再生から出力まで可能にした「オールインワン・ターンテーブル」だ。開放的な設計のターンテーブルが広がり、レコードをセットした後すぐに音楽が鳴る手軽さは、アナログ初心者の入門機として使い勝手が良い。回転数は33-1/3、45、78回転に対応しており、SP/LP/EPまで再生できる。
カートリッジと針は固定式ながら、信頼ある日本製を採用。背面板はスピーカーの振動がカートリッジに伝わらないようアーム部が浮いた構造を採用しており、プレーヤーとしての真撃な作り込みも見られる。アナログ音声出力を搭載しており、アンプ+スピーカーとの接続や、アクティブスピーカーと接続しても出力できる。
デバイスに直結して手軽にデジタルアーカイブ
また魅力的なのが録音機能だ。USB 端子(Bタイプ)を装備しており、PCやiPhone/iPad などとつなげて録音できる。PC用ソフトウェア「EZ VInyl/Tape Converter」、iOSアプリ「EZVlnyl & Tape Converter」を使用し、実際にPCやiPhoneで録音操作を行ってみると、その手軽さに驚く。接続デバイスを選択し、録音レベルの調整をした後、すぐに録音開始となる。iOSアプリではMP4、PCではWAV(44.1kHz/16bit)のファイルで録音される。またiPhoneなどで録音する場合はカメラコネクションキットが必要になる。
録音操作をしていて特に印象的だったのが、録音した音源が「iTunes」に登録できる点や、モバイル機器で録音した音源をブラウザ経由でPCからダウンロードできる点だ。その音源を聴いてみると、アナログ音源の味わいが表れる。
ポータブルオーディオ・ネットオーディオ全盛の今だからこそ、レコード音源をデジタルでアーカイブして楽しめるArchive LP を試してもらいたい。
ニッキ・パロットのLP版『ウィンター・ワンダーランド』を試聴してみると、筐体内蔵のスピーカーが空間をアナログ調の音で満たす。低音の情報量も得られ、オールインワンの音質として十分だ。 アクティブスピーカーのイクリプス「TD-M1」と接続しても聴いてみたが、アナログらしいタッチや空間のスケールの広大さは、エントリークラス以上のクオリティと感じる。中域の再生にアクセントを置き、明瞭感あるサウンドや、タイトな低域再生は現代的なスピーカーともマッチする傾向だ。 |
(レビュー執筆:折原一也) |
【SPECIFICATION】
●入出力端子:RCA×1/USB×1 ●対応回転数:33/45/78 ●録音ソフトウェア:EZ VInyl/Tape Converter(Mac/Win) ●録音アプリ:EZ VInyl & Tape Converter(iOS) ●外形寸法:約406W×88H ×360Dmm ●質量:約2.7kg
【問い合わせ先】
(株)ニュマークジャパンコーポレーション
03-6277-2231
本記事は、月刊『AV REVIEW』2014年11月号からの転載です。AV REVIEW誌の詳細はこちら。