公開日 2014/11/11 11:00
デノン「DA-10」モニターレポート:ベラ介さん「解像感に音の厚みや音色の豊かさが加わって“色気”が出てくる」
デノンのポータブルUSB-DAC/ヘッドホンアンプ「DA-10」を、ファイル・ウェブの読者の皆様にお届けして、実際に試聴してもらった感想をレポートしていただいた。ファイル・ウェブ読者の皆様のリアルな声をお届けしていきたい。
BA型イヤホンと組み合わせると解像感と音の厚みが両立
各楽器の演奏や声に“色気”を感じる
ベラ介さん(20代・男性)
■解像感に加えて、音の厚みや音色感が高まる
今回、DA-10がとても気になっていたタイミングで、ファイル・ウェブでDA-10のモニターレポートを募集していたので、応募させてもらいました。DA-10に興味を持った理由は、まずはサウンドです。父の影響もあり昔から馴染みのあったHi-Fiオーディオブランドが手がけるヘッドホンアンプということで、何より音に期待しました。次にスペックで、据え置きでも使うには192kHz/24bitと5.6MHz DSDへの対応は必須だと思いました。最後にiPhone/iPodデジタル接続への対応です。私は使い勝手の点でどうしてもiDeviceが手放せないので、この点はぜひ搭載してほしい点です。
さて、さっそく試聴した感想を述べさせてもらえればと思います。まずは気になっていたiPodデジタル接続で試しました。ちなみに先日、iPhone 6に買い換えたばかりなのでサイズ感が合うか気になりましたが、それほど違和感はありませんでした。
組み合わせたイヤホンはシュアの「SE535」です。普段聴く音楽はロックやポップスが多いので、中高域にメリハリのあるシュアの音はけっこう好きです。ただ、最近ではiPhoneと組み合わせたときに、解像感は高いけど、音に厚みというか、本物っぽさがないなあと思い、ポタアンが欲しくなっていたところでした。
DA-10と組み合わせてギター、ベース、ドラム、ピアノというシンプルな編成のロックを聴きました。iPodデジタル接続のおかげなのでしょう、まず解像感がiPhone直挿しとは段違いです。細かいところまで聴こえます。しかし、何より印象が良かったのは、音の厚みです。SE535 + iPhoneだとスネアドラムの音などが特に「精密だけれどミニチュアっぽい」音に聞こえたのですが、DA-10と組み合わせるとバシンと迫力があります。ベースにも量感が出ますが、締まり感はそのままなので、むしろタイトな印象になります。
次に打ち込みのドラムとシンセサイザーが主体の楽曲を聴いてみたのですが、こちらも解像感が増す一方で、各音の暖かみや音色感が引き出されて、とても楽しく聴くことができました。それから、ちょっと録音の古いソウルミュージックも試してみたのですが、iPhone +SE535だと精密だけれどどこか精気がない雰囲気だったのが、DA-10と組み合わせるとベースやボーカルが生き生きとしてきます。本来の“色気”みたいなものが感じられて、とても良かったです。
実は最近、iPhoneと組み合わせるならBA型マルチドライバーのSE535よりは、同じくシュアのダイナミック型「SE215」のほうが音楽が楽しく聴けるな。でもSE535で聴いたあとだと解像感が物足りない・・・というジレンマに苛まれていました。しかし、DA-10とSE535を組み合わせると、「BA型マルチとダイナミック型のいいとこ取り」とでも言うようなサウンドを聴くことができました。SE535くらいのイヤホンになると、やっぱりポタアンは必須だったのですね。ただ、以前もいくつか他社のポタアンを試したことがあったのですが、DA-10との組み合わは際だっているように思えました。
■各楽器の音が滑らかで聴き疲れがしない
次はPCと組み合わせて、USB-DAC兼ヘッドホンアンプとしての音を試しました。組み合わせたのはシュアの「SRH1540」です。休日などはパソコンを持ってファミレスや喫茶店に入り浸るということも多いので、そういう環境でハイレゾが楽しめたらいいなと思っていました。
その音ですが、はっきり言ってSRH1540とDA-10の相性はとても良いと思いました。これまでは自宅の据え置き型USB-DAC(6万円くらい)に内蔵されたヘッドホン出力でSRH1540を聴いていたのですが、それより全然好印象です。
まず、自宅システムでは持てあましていたSRH1540の低域再現を、見事に駆動させてくれました。質感も量感も良いけどちょっと緩いなあと思っていたベースの音が、見事にタイトに鳴っています。またSRH1540については中高域の質感は好きだけど、たまに解像感が足りなくなる帯域があるなあと思っていたのですが、その辺りもしっかりと描いてくれています。例えばピアノの音や、女性ボーカルです。
ハイレゾだと、解像感、低域再現、そして音場感とこの組み合わせの魅力が増します。とくに音場感については元々SRH1540の得意とするところだと思いますが、DA-10との組み合わせだと、シンバルやピアノの音が広がって消えていく様子がとてもスムーズで自然です。
また、これはイヤホンとも共通する点ですが、解像感を引き出しつつも、聴き疲れするような音になりません。ボリュームを普段より上げても、耳障りな感じにならないのです。月並みな言い方ですが、音が滑らかなのです。このあたりはやはり、Advanced AL32 Processingの効果なのでしょう。ちなみに自分はそれほど大音量で聴くわけでもないので、SRH1540ならゲインはノーマルで十分でした。
使い勝手にも触れさせていただきます。必ずノートパソコンが入るバックやリュックを持っている自分には、大きさは気になりません。むしろ据え置きで使うときは、このくらいの重量感はあっていいと思いました。ボリュームの感触も上々です。それから、底面と上面にはゴムの小さな足が6カ所付いているので、机の上で安定し、かつiPhoneを上に載せても収まりが良いです。一点だけ気になったのはよく使うインプットの切り替えスイッチが小さめで、かつこれまたよく用いる「iPod/iPhone」入力がちょうど真ん中の位置なので、確実な切り替えがやや面倒だった点です。
長くなりましたが、DA-10は手持ちのシュアのイヤホン&ヘッドホンとの相性の良さ、iPodデジタル&USB-DACの音質の点で“買い”だと思いました。iPodデジタル入力を備えたポタアンは割と価格が高いイメージがありますが、本機はその中では価格が抑えられている点も大きいです。今回はじっくりとDA-10を聴くことができて、素晴らしい体験ができました。
BA型イヤホンと組み合わせると解像感と音の厚みが両立
各楽器の演奏や声に“色気”を感じる
ベラ介さん(20代・男性)
■解像感に加えて、音の厚みや音色感が高まる
今回、DA-10がとても気になっていたタイミングで、ファイル・ウェブでDA-10のモニターレポートを募集していたので、応募させてもらいました。DA-10に興味を持った理由は、まずはサウンドです。父の影響もあり昔から馴染みのあったHi-Fiオーディオブランドが手がけるヘッドホンアンプということで、何より音に期待しました。次にスペックで、据え置きでも使うには192kHz/24bitと5.6MHz DSDへの対応は必須だと思いました。最後にiPhone/iPodデジタル接続への対応です。私は使い勝手の点でどうしてもiDeviceが手放せないので、この点はぜひ搭載してほしい点です。
さて、さっそく試聴した感想を述べさせてもらえればと思います。まずは気になっていたiPodデジタル接続で試しました。ちなみに先日、iPhone 6に買い換えたばかりなのでサイズ感が合うか気になりましたが、それほど違和感はありませんでした。
組み合わせたイヤホンはシュアの「SE535」です。普段聴く音楽はロックやポップスが多いので、中高域にメリハリのあるシュアの音はけっこう好きです。ただ、最近ではiPhoneと組み合わせたときに、解像感は高いけど、音に厚みというか、本物っぽさがないなあと思い、ポタアンが欲しくなっていたところでした。
DA-10と組み合わせてギター、ベース、ドラム、ピアノというシンプルな編成のロックを聴きました。iPodデジタル接続のおかげなのでしょう、まず解像感がiPhone直挿しとは段違いです。細かいところまで聴こえます。しかし、何より印象が良かったのは、音の厚みです。SE535 + iPhoneだとスネアドラムの音などが特に「精密だけれどミニチュアっぽい」音に聞こえたのですが、DA-10と組み合わせるとバシンと迫力があります。ベースにも量感が出ますが、締まり感はそのままなので、むしろタイトな印象になります。
次に打ち込みのドラムとシンセサイザーが主体の楽曲を聴いてみたのですが、こちらも解像感が増す一方で、各音の暖かみや音色感が引き出されて、とても楽しく聴くことができました。それから、ちょっと録音の古いソウルミュージックも試してみたのですが、iPhone +SE535だと精密だけれどどこか精気がない雰囲気だったのが、DA-10と組み合わせるとベースやボーカルが生き生きとしてきます。本来の“色気”みたいなものが感じられて、とても良かったです。
実は最近、iPhoneと組み合わせるならBA型マルチドライバーのSE535よりは、同じくシュアのダイナミック型「SE215」のほうが音楽が楽しく聴けるな。でもSE535で聴いたあとだと解像感が物足りない・・・というジレンマに苛まれていました。しかし、DA-10とSE535を組み合わせると、「BA型マルチとダイナミック型のいいとこ取り」とでも言うようなサウンドを聴くことができました。SE535くらいのイヤホンになると、やっぱりポタアンは必須だったのですね。ただ、以前もいくつか他社のポタアンを試したことがあったのですが、DA-10との組み合わは際だっているように思えました。
■各楽器の音が滑らかで聴き疲れがしない
次はPCと組み合わせて、USB-DAC兼ヘッドホンアンプとしての音を試しました。組み合わせたのはシュアの「SRH1540」です。休日などはパソコンを持ってファミレスや喫茶店に入り浸るということも多いので、そういう環境でハイレゾが楽しめたらいいなと思っていました。
その音ですが、はっきり言ってSRH1540とDA-10の相性はとても良いと思いました。これまでは自宅の据え置き型USB-DAC(6万円くらい)に内蔵されたヘッドホン出力でSRH1540を聴いていたのですが、それより全然好印象です。
まず、自宅システムでは持てあましていたSRH1540の低域再現を、見事に駆動させてくれました。質感も量感も良いけどちょっと緩いなあと思っていたベースの音が、見事にタイトに鳴っています。またSRH1540については中高域の質感は好きだけど、たまに解像感が足りなくなる帯域があるなあと思っていたのですが、その辺りもしっかりと描いてくれています。例えばピアノの音や、女性ボーカルです。
ハイレゾだと、解像感、低域再現、そして音場感とこの組み合わせの魅力が増します。とくに音場感については元々SRH1540の得意とするところだと思いますが、DA-10との組み合わせだと、シンバルやピアノの音が広がって消えていく様子がとてもスムーズで自然です。
また、これはイヤホンとも共通する点ですが、解像感を引き出しつつも、聴き疲れするような音になりません。ボリュームを普段より上げても、耳障りな感じにならないのです。月並みな言い方ですが、音が滑らかなのです。このあたりはやはり、Advanced AL32 Processingの効果なのでしょう。ちなみに自分はそれほど大音量で聴くわけでもないので、SRH1540ならゲインはノーマルで十分でした。
使い勝手にも触れさせていただきます。必ずノートパソコンが入るバックやリュックを持っている自分には、大きさは気になりません。むしろ据え置きで使うときは、このくらいの重量感はあっていいと思いました。ボリュームの感触も上々です。それから、底面と上面にはゴムの小さな足が6カ所付いているので、机の上で安定し、かつiPhoneを上に載せても収まりが良いです。一点だけ気になったのはよく使うインプットの切り替えスイッチが小さめで、かつこれまたよく用いる「iPod/iPhone」入力がちょうど真ん中の位置なので、確実な切り替えがやや面倒だった点です。
長くなりましたが、DA-10は手持ちのシュアのイヤホン&ヘッドホンとの相性の良さ、iPodデジタル&USB-DACの音質の点で“買い”だと思いました。iPodデジタル入力を備えたポタアンは割と価格が高いイメージがありますが、本機はその中では価格が抑えられている点も大きいです。今回はじっくりとDA-10を聴くことができて、素晴らしい体験ができました。