公開日 2014/11/13 11:00
【レビュー】あす発売!オーディオテクニカ「ATH-MSR7」− ハイレゾ時代に誕生した“次世代の標準ヘッドホン”
岩井喬氏がクオリティをチェック
オーディオテクニカから、新ドライバーを採用した“ハイレゾ対応”のポータブルヘッドホン「ATH-MSR7」が登場する(関連ニュース)。いつでもどこでも高音質で音楽を楽しめるよう、ポータブル性と高音質の両立を追求したのが特徴の本モデルを、岩井喬氏がクオリティチェックした。(*高橋敦氏による速攻レビューはこちら)
ハイレゾ時代に誕生した“次世代の標準機”
ハイレゾ時代の到来とともに、ヘッドホンにおいても広帯域再生が求められるようになってきた。特にヘッドホンの場合は、可聴帯域外の音を直接聴きとれないとしても、超高域再生を実現する技術が、可聴帯域内におけるサウンドの再現性や安定度の高さに貢献する。そのため、広帯域化への取り組みは非常に重要なポイントなのだ。
そしてオーディオテクニカが長年培ってきたヘッドホン作りのノウハウを結集させ、ハイレゾ再生への対応を果たした「ATH-MSR7」が登場した。本機も、φ45mmの「“トゥルー・モーション"ハイレゾオーディオドライバー」をはじめとする新技術の採用によって、再生レンジの広さだけでなく、可聴帯域内における正確なサウンド再現力を獲得している。
なかでもトリプルベントシステムやレイヤードメタル構造を用いた「デュアルレイヤー・エアーコントロールテクノロジー」によって、歪み感なく澄んだ解像度の高いサウンドを実現。引き締め良く弾力感を表現する低域と、ヌケ良く透明度の高い中高域によって構成される音色は瑞々しさに溢れ、ニュートラルで見通しが良い。音像はスマートで品性良く、ボーカルは口元の輪郭をクールに引き立てる。音離れも見事であり、演者がすっと浮き上がるさまもリアルで、リリースも収束が早く尾を引かない。オーケストラの音場感もS/Nが良く、ハーモニーは爽やかに広がり、個々の楽器のアタック感も鮮明だ。
ハイレゾ音源では、きめ細やかな楽器のディティールを付帯感なくストレートに引き出し、キレ鮮やかにそれぞれの音像を描写。空間のにじみもなく、低域を中心に制動力の高さをうかがわせる。ソースの持つ解像度の高さにとことん追随する生真面目なトレース力も垣間見せており、アタックやリリースも脚色なく素直に表現する。その点がいかにもモニター気質の硬さを見せる一方、余韻の爽やかさや高域の輝き感など、ハイレゾ音源をバランス良く楽しむためのポイントもきちんと押さえており、楽曲の細部まで見通しつくせる清潔感溢れるサウンドを堪能できた。モニター機よりも肩の力を抜きつつ、楽曲を俯瞰で捉えて聴き込むことができる新たなリスニングスタイルを提案してくれるモデルとなっている。
「ATH-MSR7」はそうした点でオーディオテクニカの密閉型ヘッドホンにおける伝統的かつ代表的なラインナップである“アートモニター"シリーズの持ち味であるキレ鮮やかな澄んだサウンドと、プロフェッショナルモニター「ATH-SX1a」や本年リニューアルされたMシリーズの持つ脚色なくニュートラルなサウンドを、“ハイレゾ"という最新テクノロジーのもとに融合させた「次世代の標準機」と呼べる素養を持っていると言えるだろう。
【試聴音源】(ソニー「PCM-D100」に本機を直結して再生)
・レヴァイン指揮/シカゴ交響楽団『惑星』〜木星(CDリッピング:44.1kHz/16bit・WAV)
・イ・ソリスティ・ディ・ペルージャ『ヴィヴァルディ:四季』〜春(HQM:192kHz/24bit)
・飛騨高山ヴィルトーゾオーケストラ コンサート2013『プロコフィエフ:古典交響曲』〜第一楽章(e-onkyo:96kHz/24bit)
・オスカー・ピーターソン・トリオ『プリーズ・リクエスト』〜ユー・ルック・グッド・トゥ・ミー(CDリッピング:44.1kHz/16bit・WAV)
・デイヴ・メニケッティ『メニケッティ』〜メッシン・ウィズ・ミスター・ビッグ(CDリッピング:44.1kHz/16bit・WAV)
・長谷川友二『音展2009・ライブレコーディング』〜レディ・マドンナ(筆者自身による2.8MHz・DSD録音)
・『Pure2-Ultimate Cool Japan Jazz-』〜届かない恋、夢であるように(192kHz/24bit・WAV&2.8MHz・DSDマスターデータ)
・シカゴ『17』〜ワンス・イン・ア・ライフタイム(HD Tracks:192kHz/24bit)
・Suara『DSDライブセッション』〜桜(OTOTOY:2.8MHz・DSD)
ハイレゾ時代に誕生した“次世代の標準機”
ハイレゾ時代の到来とともに、ヘッドホンにおいても広帯域再生が求められるようになってきた。特にヘッドホンの場合は、可聴帯域外の音を直接聴きとれないとしても、超高域再生を実現する技術が、可聴帯域内におけるサウンドの再現性や安定度の高さに貢献する。そのため、広帯域化への取り組みは非常に重要なポイントなのだ。
そしてオーディオテクニカが長年培ってきたヘッドホン作りのノウハウを結集させ、ハイレゾ再生への対応を果たした「ATH-MSR7」が登場した。本機も、φ45mmの「“トゥルー・モーション"ハイレゾオーディオドライバー」をはじめとする新技術の採用によって、再生レンジの広さだけでなく、可聴帯域内における正確なサウンド再現力を獲得している。
なかでもトリプルベントシステムやレイヤードメタル構造を用いた「デュアルレイヤー・エアーコントロールテクノロジー」によって、歪み感なく澄んだ解像度の高いサウンドを実現。引き締め良く弾力感を表現する低域と、ヌケ良く透明度の高い中高域によって構成される音色は瑞々しさに溢れ、ニュートラルで見通しが良い。音像はスマートで品性良く、ボーカルは口元の輪郭をクールに引き立てる。音離れも見事であり、演者がすっと浮き上がるさまもリアルで、リリースも収束が早く尾を引かない。オーケストラの音場感もS/Nが良く、ハーモニーは爽やかに広がり、個々の楽器のアタック感も鮮明だ。
ハイレゾ音源では、きめ細やかな楽器のディティールを付帯感なくストレートに引き出し、キレ鮮やかにそれぞれの音像を描写。空間のにじみもなく、低域を中心に制動力の高さをうかがわせる。ソースの持つ解像度の高さにとことん追随する生真面目なトレース力も垣間見せており、アタックやリリースも脚色なく素直に表現する。その点がいかにもモニター気質の硬さを見せる一方、余韻の爽やかさや高域の輝き感など、ハイレゾ音源をバランス良く楽しむためのポイントもきちんと押さえており、楽曲の細部まで見通しつくせる清潔感溢れるサウンドを堪能できた。モニター機よりも肩の力を抜きつつ、楽曲を俯瞰で捉えて聴き込むことができる新たなリスニングスタイルを提案してくれるモデルとなっている。
「ATH-MSR7」はそうした点でオーディオテクニカの密閉型ヘッドホンにおける伝統的かつ代表的なラインナップである“アートモニター"シリーズの持ち味であるキレ鮮やかな澄んだサウンドと、プロフェッショナルモニター「ATH-SX1a」や本年リニューアルされたMシリーズの持つ脚色なくニュートラルなサウンドを、“ハイレゾ"という最新テクノロジーのもとに融合させた「次世代の標準機」と呼べる素養を持っていると言えるだろう。
【試聴音源】(ソニー「PCM-D100」に本機を直結して再生)
・レヴァイン指揮/シカゴ交響楽団『惑星』〜木星(CDリッピング:44.1kHz/16bit・WAV)
・イ・ソリスティ・ディ・ペルージャ『ヴィヴァルディ:四季』〜春(HQM:192kHz/24bit)
・飛騨高山ヴィルトーゾオーケストラ コンサート2013『プロコフィエフ:古典交響曲』〜第一楽章(e-onkyo:96kHz/24bit)
・オスカー・ピーターソン・トリオ『プリーズ・リクエスト』〜ユー・ルック・グッド・トゥ・ミー(CDリッピング:44.1kHz/16bit・WAV)
・デイヴ・メニケッティ『メニケッティ』〜メッシン・ウィズ・ミスター・ビッグ(CDリッピング:44.1kHz/16bit・WAV)
・長谷川友二『音展2009・ライブレコーディング』〜レディ・マドンナ(筆者自身による2.8MHz・DSD録音)
・『Pure2-Ultimate Cool Japan Jazz-』〜届かない恋、夢であるように(192kHz/24bit・WAV&2.8MHz・DSDマスターデータ)
・シカゴ『17』〜ワンス・イン・ア・ライフタイム(HD Tracks:192kHz/24bit)
・Suara『DSDライブセッション』〜桜(OTOTOY:2.8MHz・DSD)