公開日 2015/02/03 10:09
デノン「AVR-X7200W」を山之内正がレビュー − アトモス対応の最上位AVアンプ
9chパワーアンプを独立構成し、徹底したノイズ対策を施す
Dolby Atmos(ドルビーアトモス)に対応したデノンの最上位AVアンプ「AVR-X7200W」を山之内正がレビュー。BDによるサラウンド再生はもちろん、そのベースとなる2ch再生のクオリティまでを検証していく。
■ドルビーアトモスに対応したデノン最上位AVアンプが登場
AVR-X7200W(発表会ニュース)はデノンが2年ぶりに投入するフラグシップ機だ。「AVR-4520(関連記事)」の後継という位置付けだが、この2年間の環境変化に対応した著しい進化を遂げ、新世代のAVアンプと呼ぶにふさわしい内容になった。
もちろん、最大のトピックはドルビーアトモス対応である。内蔵する9chのパワーアンプを駆使することで「5.1.2」や「7.1.2」など多様なチャンネル構成でドルビーアトモス再生を実現するほか、ステレオアンプを組み合わせることで「7.1.4」、「9.1.2」など、最大11.2chの再生にも対応する。つまり、パワーアンプは9chでもサラウンド信号のデコードなどを行うプリ部は最大11.2ch分の処理能力を持つということだ。外部ステレオアンプを併用する構成を含めるとチャンネル構成の選択肢は計5種類に及ぶ。
さらに、既存のフロントハイトスピーカーをトップフロントに割り当てるなど、柔軟なスピーカーアサイン機能を利用できる点も本機の大きな特徴だ。信号形式に応じて使用するアンプを自動的に割り当てる仕組みを採用しているため、スピーカー端子のつなぎ替えも最小限で済み、既存のサラウンドとドルビーアトモスの併用にも手間はかからない。ホームシアターの現実的な環境を熟知したデノンならではの配慮と言えそうだ。しかも各端子に信号を割り当てるアサイン機能がこれまで以上に充実しているので、実際の環境に合わせた柔軟な使いこなしができる。
■独自の音質技術とドルビーアトモス再生を両立
多様なチャンネル構成の実現とともに注目すべき点が、「D.D.S.C.-HD32」や「AL 32 Processing Multi Channel」など、独自の音質改善技術のさらなる充実ぶりである。前者は信号処理ブロックの独立化やディスクリート構成の導入によって音質を追い込むデジタル技術で、本機のD.D.S.C.には最上位の32bit処理を投入した。後者は32bit相当にビット拡張を行う技術で、もちろんマルチチャンネル信号にも対応している。
それらの高度な信号処理を、ドルビーアトモス再生と同時に実行するには従来以上の高速演算性能が不可欠で、その性能が音質を左右することもある。そこで、ドルビーアトモスのデコードなどで負荷が大幅に増えることを視野に入れつつ、本機はSHARCプロセッサーを計4基搭載するという思い切った方法に踏み込んでいる。DSP4基という仕様は他に例を見ないものだが、演算能力の余裕はデコード精度の向上やAL 32処理の音質向上に直結するのでもちろん大歓迎である。
■ドルビーアトモスに対応したデノン最上位AVアンプが登場
AVR-X7200W(発表会ニュース)はデノンが2年ぶりに投入するフラグシップ機だ。「AVR-4520(関連記事)」の後継という位置付けだが、この2年間の環境変化に対応した著しい進化を遂げ、新世代のAVアンプと呼ぶにふさわしい内容になった。
もちろん、最大のトピックはドルビーアトモス対応である。内蔵する9chのパワーアンプを駆使することで「5.1.2」や「7.1.2」など多様なチャンネル構成でドルビーアトモス再生を実現するほか、ステレオアンプを組み合わせることで「7.1.4」、「9.1.2」など、最大11.2chの再生にも対応する。つまり、パワーアンプは9chでもサラウンド信号のデコードなどを行うプリ部は最大11.2ch分の処理能力を持つということだ。外部ステレオアンプを併用する構成を含めるとチャンネル構成の選択肢は計5種類に及ぶ。
さらに、既存のフロントハイトスピーカーをトップフロントに割り当てるなど、柔軟なスピーカーアサイン機能を利用できる点も本機の大きな特徴だ。信号形式に応じて使用するアンプを自動的に割り当てる仕組みを採用しているため、スピーカー端子のつなぎ替えも最小限で済み、既存のサラウンドとドルビーアトモスの併用にも手間はかからない。ホームシアターの現実的な環境を熟知したデノンならではの配慮と言えそうだ。しかも各端子に信号を割り当てるアサイン機能がこれまで以上に充実しているので、実際の環境に合わせた柔軟な使いこなしができる。
■独自の音質技術とドルビーアトモス再生を両立
多様なチャンネル構成の実現とともに注目すべき点が、「D.D.S.C.-HD32」や「AL 32 Processing Multi Channel」など、独自の音質改善技術のさらなる充実ぶりである。前者は信号処理ブロックの独立化やディスクリート構成の導入によって音質を追い込むデジタル技術で、本機のD.D.S.C.には最上位の32bit処理を投入した。後者は32bit相当にビット拡張を行う技術で、もちろんマルチチャンネル信号にも対応している。
それらの高度な信号処理を、ドルビーアトモス再生と同時に実行するには従来以上の高速演算性能が不可欠で、その性能が音質を左右することもある。そこで、ドルビーアトモスのデコードなどで負荷が大幅に増えることを視野に入れつつ、本機はSHARCプロセッサーを計4基搭載するという思い切った方法に踏み込んでいる。DSP4基という仕様は他に例を見ないものだが、演算能力の余裕はデコード精度の向上やAL 32処理の音質向上に直結するのでもちろん大歓迎である。