公開日 2015/10/30 12:06
フルバランス構成の新プリメイン登場。パイオニアA-70A/A-70DAを徹底レビュー
アナログ入力専用機の「A-70A」とデジタル入力を加えた「A-70DA」
■フルバランス構成の新プリメインアンプ2機種が登場
パイオニアは2015年秋にステレオのプリメインアンプを大幅に強化した。2012年秋に「A-70」など複数モデルを導入してから3年ぶりのモデルチェンジに踏み切った最大の目的は、バランス接続への対応を果たすこと。「N-70A」や、USB-DAC内蔵ヘッドホンアンプ「U-05」をはじめとする同社製バランス出力搭載機との接続を視野に入れ、信号伝送に伴うノイズの低減を狙う。もちろん、単なる入力端子の追加ではなく、プリアンプ回路を左右独立でそれぞれバランス化した本格的なバランス伝送を導入している。
今回、上位モデルをアナログ入力専用機の「A-70A」とデジタル入力を加えた「A-70DA」の2機種構成に拡大したのも、ネットワークプレーヤーやUSB-DACとの組み合わせを想定したことが理由だという。手持ちのソースコンポーネントをアナログ接続で聴くならA-70A、パソコンを直接アンプにつなぎたい場合はA-70DAを選ぶ。ミドルクラスのプリメインアンプでこの2つの選択肢を用意したのは前例がないが、合理的かつ柔軟なアプローチとして注目したい。ちなみにA-70DAはデジタル入力基板を増設した以外は完全にA-70Aと共通の作りで、音質にも違いはないという。そのことを考慮し、今回は主にA-70Aで試聴し、デジタル入力のみA-70DAで確認するという方法で聴いている。
バランス接続への対応とプリ部のバランス化のほか、ボリュームノブの形状変更やスピーカー端子の変更など、細部のリニューアルも行われている。ボリュームの動きはかなり軽めだが、削り出し材ならではの上質な感触は心地よい。A-70DAはDACを同じESS社製ながら最新のチップ(ES9016S)に格上げし、DSD11.2MHzなど、対応ファイル形式の大幅な拡張を実現した。
パワーアンプ部は、Direct Power FETを出力素子に採用したクラスDアンプを前作から踏襲している。アナログアンプに比べて非常に効率が良く、ヒートシンクが大きなスペースを占有することがないため、プリアンプ回路にも十分なスペースを確保できる。そのおかげで今回バランス化を実現できたという側面も見逃せないだろう。
一方、今回もクラスDアンプとしては電源部への配慮が際立っている。プリ部とパワー部にそれぞれ専用電源トランスを配し、シールドと振動対策を徹底。筐体の制振と併せて、下位モデルとの違いは小さくない。そのほかプリ、パワー、電源の各ブロックを独立させた3分割シャーシも継承。奥行きを抑えた外寸ながら重さは18kgを超え、凝縮した作りの良さが目を引く。
パイオニアは2015年秋にステレオのプリメインアンプを大幅に強化した。2012年秋に「A-70」など複数モデルを導入してから3年ぶりのモデルチェンジに踏み切った最大の目的は、バランス接続への対応を果たすこと。「N-70A」や、USB-DAC内蔵ヘッドホンアンプ「U-05」をはじめとする同社製バランス出力搭載機との接続を視野に入れ、信号伝送に伴うノイズの低減を狙う。もちろん、単なる入力端子の追加ではなく、プリアンプ回路を左右独立でそれぞれバランス化した本格的なバランス伝送を導入している。
今回、上位モデルをアナログ入力専用機の「A-70A」とデジタル入力を加えた「A-70DA」の2機種構成に拡大したのも、ネットワークプレーヤーやUSB-DACとの組み合わせを想定したことが理由だという。手持ちのソースコンポーネントをアナログ接続で聴くならA-70A、パソコンを直接アンプにつなぎたい場合はA-70DAを選ぶ。ミドルクラスのプリメインアンプでこの2つの選択肢を用意したのは前例がないが、合理的かつ柔軟なアプローチとして注目したい。ちなみにA-70DAはデジタル入力基板を増設した以外は完全にA-70Aと共通の作りで、音質にも違いはないという。そのことを考慮し、今回は主にA-70Aで試聴し、デジタル入力のみA-70DAで確認するという方法で聴いている。
バランス接続への対応とプリ部のバランス化のほか、ボリュームノブの形状変更やスピーカー端子の変更など、細部のリニューアルも行われている。ボリュームの動きはかなり軽めだが、削り出し材ならではの上質な感触は心地よい。A-70DAはDACを同じESS社製ながら最新のチップ(ES9016S)に格上げし、DSD11.2MHzなど、対応ファイル形式の大幅な拡張を実現した。
パワーアンプ部は、Direct Power FETを出力素子に採用したクラスDアンプを前作から踏襲している。アナログアンプに比べて非常に効率が良く、ヒートシンクが大きなスペースを占有することがないため、プリアンプ回路にも十分なスペースを確保できる。そのおかげで今回バランス化を実現できたという側面も見逃せないだろう。
一方、今回もクラスDアンプとしては電源部への配慮が際立っている。プリ部とパワー部にそれぞれ専用電源トランスを配し、シールドと振動対策を徹底。筐体の制振と併せて、下位モデルとの違いは小さくない。そのほかプリ、パワー、電源の各ブロックを独立させた3分割シャーシも継承。奥行きを抑えた外寸ながら重さは18kgを超え、凝縮した作りの良さが目を引く。