公開日 2015/11/09 10:00
オプトマ「HD92」レビュー<前編>貝山知弘が“OS推奨値”で『アラビアのロレンス』を観る
新フラグシップの実力徹底検証!
新開発のRGB-LEDを採用したオプトマの新フラグシップDLPプロジェクター「HD92(関連ニュース)」が登場した。新開発のLED光源によって輝度を従来の1,200ルーメンから1,500ルーメンに向上させるなど、前世代モデル「HD90」から進化を遂げている。また、従来から踏襲する大きな特徴の1つが、細かい画質調整機能だ。本機を取り扱うOSでは、HD92の画質調整に関して公式の“OS推奨値”も公開している。今回は、この“OS推奨値”を軸に、貝山知弘がフェイバリットBDタイトル『アラビアのロレンス』でその実力を徹底検証した(編集部)。
■HD92が描き出す魅惑の映像
オプトマ「HD92」は進化したDLP(デジタル・ライト・プロセッシング)プロジェクターだ。“DLP”という略語には懐かしい響きがある。私が初めて購入したプロジェクターがこの方式の製品だったからだ。選択理由は価格がリーズナブルであることと、肌色の表現が最も自然に表出できたことだった。当時映像マニアの間では三管式の高級モデルを使うことが流行していたが、当時の私にはそれを買うだけの資金はなかったのだ。
だが、当時のDLPプジェクターには問題点があった。DLPでは光源(ランプ)の光を束ね高速で回転する赤、青、緑に区分された3色のホイールを高速で回転させ色を造り出していたが、被写体が素早く動くことがあると〈カラーブレーキング〉と呼ばれる現象が起こり、色が混じり合った〈レインボーノイズ〉が目につくことがあったのだ。それが見えるか見えないかには個人差があったが、ノイズである以上、ない方が好ましいことは言うまでもない。そんなこともあって、私のプロジェクターは次第に液晶プロジェクターに移行していった。
しかし、DLPプロジェクターの技術も進化を続けていた。画期的だったのはLEDランプを使用した製品である。青色LEDが開発されたことで三原色のLEDが揃い、カラーホイールが不要のDLP機が実現したのだ。光源に3色(赤、青、緑)のLEDを使用し、これを高速で点滅させることでカラーブレーキングが起こらぬ映像が投写できるようになったのだ。今回オプトマから発売されたLED方式3Dフルハイビジョン・プロジェクター HD92は、その先端をいく最新鋭機である。
■多大なメリットをもたらすLED光源
HD92では3色(赤、青、緑)のLEDを用い、それをカラーホイール換算で20倍速もの早いスピードで点滅させレインボーノイズを飛躍的に低減させている。LEDを使用したメリットはこれだけではない。LEDの寿命は一般的なプロジェクターランプに比べ圧倒的に長い。例えば週に37時間プロジェクター使う場合、一般的なプロジェクターランプでは10年で5回の交換が必要となるのに対し、LEDなら1度も交換する必要はない。もし1週18時間しか使わないとすると、一般ランブでは10年ごとに2回の交換が必要となるが、LEDランプでは20年間1度も交換しなくていい。
そしてこれが最も大切なことだが、LED採用のメリットは画質上にも現れる。まずランプの光源と比べ輝度が高い。一般のプロジェクター・ランプでは緑が強く赤と青が弱く出るため、3色で均一な明るさを得るには緑の輝度を落とす必要がある。これに比べLED光源では3色の明るさが均等なので、特定の色の輝度を落とす必要がなく、高い輝度が得られるのだ。
LED光源は色域が広く、色の表現能力が高い。特にHD92では色域が〈ネイティブ〉な場合、LED光源の他機と比べ最も広い色域を得ている。そして、必要に応じDLP-C、HDTV、SMPT-Cなどの色域を選択することができる。
HD92には〈ウルトラディティール〉と呼ばれる機能がある。これはエッジの部分を強調し、映像細部の描写を強調するための機能で、次のような4種類の選択ができる。
●off・・・ソースのままの映像
●on(40)・・・細部の描写を適度に強調した映像
●HD+(120)・・・細部の描写を強調した鮮明な映像
●ユーザー(0〜150)・・・ユーザーの好みによる設定
コントラストのための機能は〈ダイナミック・ブラック〉。これを活用すれば、暗い映像や明るい映像に合わせた明暗の表現ができるようになる。
●ダイナミックブラック1・・・標準的なコントラスト設定
●ダイナミックブラック2・・・暗い映像に適したコントラストに調整
●ダイナミックブラック3・・・明るい映像に適したコントラストに調整
●Power・・・LED出力を50〜100%で固定(ダイナミックブラックはOFF)
■HD92が描き出す魅惑の映像
オプトマ「HD92」は進化したDLP(デジタル・ライト・プロセッシング)プロジェクターだ。“DLP”という略語には懐かしい響きがある。私が初めて購入したプロジェクターがこの方式の製品だったからだ。選択理由は価格がリーズナブルであることと、肌色の表現が最も自然に表出できたことだった。当時映像マニアの間では三管式の高級モデルを使うことが流行していたが、当時の私にはそれを買うだけの資金はなかったのだ。
だが、当時のDLPプジェクターには問題点があった。DLPでは光源(ランプ)の光を束ね高速で回転する赤、青、緑に区分された3色のホイールを高速で回転させ色を造り出していたが、被写体が素早く動くことがあると〈カラーブレーキング〉と呼ばれる現象が起こり、色が混じり合った〈レインボーノイズ〉が目につくことがあったのだ。それが見えるか見えないかには個人差があったが、ノイズである以上、ない方が好ましいことは言うまでもない。そんなこともあって、私のプロジェクターは次第に液晶プロジェクターに移行していった。
しかし、DLPプロジェクターの技術も進化を続けていた。画期的だったのはLEDランプを使用した製品である。青色LEDが開発されたことで三原色のLEDが揃い、カラーホイールが不要のDLP機が実現したのだ。光源に3色(赤、青、緑)のLEDを使用し、これを高速で点滅させることでカラーブレーキングが起こらぬ映像が投写できるようになったのだ。今回オプトマから発売されたLED方式3Dフルハイビジョン・プロジェクター HD92は、その先端をいく最新鋭機である。
■多大なメリットをもたらすLED光源
HD92では3色(赤、青、緑)のLEDを用い、それをカラーホイール換算で20倍速もの早いスピードで点滅させレインボーノイズを飛躍的に低減させている。LEDを使用したメリットはこれだけではない。LEDの寿命は一般的なプロジェクターランプに比べ圧倒的に長い。例えば週に37時間プロジェクター使う場合、一般的なプロジェクターランプでは10年で5回の交換が必要となるのに対し、LEDなら1度も交換する必要はない。もし1週18時間しか使わないとすると、一般ランブでは10年ごとに2回の交換が必要となるが、LEDランプでは20年間1度も交換しなくていい。
そしてこれが最も大切なことだが、LED採用のメリットは画質上にも現れる。まずランプの光源と比べ輝度が高い。一般のプロジェクター・ランプでは緑が強く赤と青が弱く出るため、3色で均一な明るさを得るには緑の輝度を落とす必要がある。これに比べLED光源では3色の明るさが均等なので、特定の色の輝度を落とす必要がなく、高い輝度が得られるのだ。
LED光源は色域が広く、色の表現能力が高い。特にHD92では色域が〈ネイティブ〉な場合、LED光源の他機と比べ最も広い色域を得ている。そして、必要に応じDLP-C、HDTV、SMPT-Cなどの色域を選択することができる。
HD92には〈ウルトラディティール〉と呼ばれる機能がある。これはエッジの部分を強調し、映像細部の描写を強調するための機能で、次のような4種類の選択ができる。
●off・・・ソースのままの映像
●on(40)・・・細部の描写を適度に強調した映像
●HD+(120)・・・細部の描写を強調した鮮明な映像
●ユーザー(0〜150)・・・ユーザーの好みによる設定
コントラストのための機能は〈ダイナミック・ブラック〉。これを活用すれば、暗い映像や明るい映像に合わせた明暗の表現ができるようになる。
●ダイナミックブラック1・・・標準的なコントラスト設定
●ダイナミックブラック2・・・暗い映像に適したコントラストに調整
●ダイナミックブラック3・・・明るい映像に適したコントラストに調整
●Power・・・LED出力を50〜100%で固定(ダイナミックブラックはOFF)