公開日 2017/11/23 08:00
次に“来る”のは平面型イヤホン! AUDEZE「LCDi4」「iSINE10/20」一斉レビュー
平面型ならではの独自技術を搭載
AUDEZE(オーデジー)は米国のカリフォルニア州に本拠地を構える、2008年の創立から平面磁界駆動方式(平面型)のヘッドホンの銘機を数多く世に送り出してきたブランドだ。2016年の秋には商品化は難しいと言われてきた平面型イヤホン「iSINE」シリーズを発売。Lightning接続にも対応するDACとアンプを乗せた専用ケーブル「CIPHER Lightningケーブル」を付属するモデルをラインナップに加えた。
ふたつのイノベーションが同時に訪れた興奮から冷めやらぬうち、今夏には平面型イヤホンのフラグシップ「LCDi4」が発売された。「平面型サウンドの魅力を可能な限り多くの人々に伝えたい」という、オーデジー開発者たちによる強い想いが、矢継ぎ早の新製品攻勢から伝わってくる。今回はオーデジーの平面型イヤホンの魅力を探っていきたい。
■平面型モデルの音質を高める独自の技術
近年、ファンの間で平面型ヘッドホンに対する注目が日増しに高まっている。オーデジーはその分野でスペシャリストと呼ぶべきブランドのひとつだ。現在のラインナップには、フラグシップの「LCD-4」やプロ仕様の「LCD-X」をはじめとする、米国のスタジオエンジニアやミュージシャンにも愛用されるリファレンスモデルから、ポータビリティを重視したオンイヤーの密閉型ヘッドホン「SINE」シリーズなどがある。SINEシリーズの登場に合わせて、アップルのiOSデバイスとLightningデジタル接続ができる専用のDAC内蔵アンプケーブル「CIPHER」が誕生したという経緯だ。
オーデジーは平面型の振動板を効率よく、パワフルに動かすため独自開発した技術や素材を所有している。「Fluxor Magnetic Technology」は強力な磁束密度を生みだしてドライバーを正確に、かつ効率よく動かすための技術だ。ヘッドホンの「EL-8」やSINEシリーズなどにも採用されている。
オーデジーが平面型ヘッドホンの音質をより高めるため独自に開発した、極小・極薄ながらも強度の高いフィルム素材を使った「Uniforce振動板」に、磁力の粗密をコントロールしながらドライバーを精緻に動かすボイスコイルの組み合わせによって、歪みのないクリアな音を再現する。ハウジングの中に生まれる空気の流れを最適化して、クリアで解像度の高い中高域とリニアな応答性能を合わせて実現する「Fazor Technology」もオーデジーが誇る技術だ。
元々は平面型ヘッドホンのために開発してきた独自技術を、よりコンパクトなイヤホンに収めるために多くの時間を費やしたであろうことは想像に難くないが、実際にはオンイヤーヘッドホンのSINEシリーズを2016年の5月に発売した後、同年の10月にはイヤホンのiSINEシリーズが登場。そして今夏にはフラグシップLCDi4の発売となった。
その開発スピードの速さには度肝を抜かれてしまうが、同社のキーパーソンによれば、その背景には「平面型ヘッドホンの振動板やドライバーを構成するパーツのクオリティが近年高まってきたことや、振動板のフレームに極薄のフイルムをフラットに貼り付けられる技術が向上したこと」も関係しているのだという。もちろん、それぞれの技術やマテリアルを上手に使いこなす腕前はオーデジーならではのものだ。
■ラインナップされる平面型イヤホン3機種の特徴
それでは続いて、現在オーデジーが平面型イヤホンのラインナップとして展開する「LCDi4」と、「iSINE 10」「iSINE 20」それぞれの特徴と音質をチェックしてみたい。
LCDi4は、フラグシップヘッドホンのLCD-4を「そのままイヤホンにする」ことをコンセプトに掲げ開発された。LCD-4と同じ、薄さがわずか0.5ミクロンという振動板から極上のサウンドを引き出すために「Fluxor Magnet」と「Uniforce」の技術を採用した30mm口径のドライバーを、セミオープンデザインのハウジングに搭載。ハウジングの素材には軽く、制振性能にも優れるマグネシウムを使っている。
ケーブルは本体から着脱できるが、通常仕様はOCC銅導体に銀メッキをかけた1.2mのプレミアムケーブルになる。Hi-Fiリスニング用のイヤホンとして魅力を訴求しているからだ。再生周波数帯域は5Hz-50kHzをカバー。ハウジングはセミオープン型なのである程度の音漏れが発生することや、外部のノイズが飛び込んでくることも想定すると、やはり宅内など静かな場所でゆったりと音楽を楽しむ使い方に最も向いている。
そしてLCDi4に比べると価格も手ごろなiSINEシリーズは、まさしくポータブルDAPやスマホで気軽に楽しみたい平面型イヤホンだ。オーデジーの独自技術であるFluxor MagnetとUniforceの技術をベースに継承したことで、ディティールに富んだ新鮮なサウンドを再現する。ラインナップはスタンダードモデルのiSINE 10と、ボイスコイルの巻き数を増やして音質強化を図った上位機のiSINE 20だ。外観はiSINE 10がブラック、iSINE 20がブロンズのようなリッチなブラウンになる。
どちらの機種も再生周波数帯域は10Hz-50kHzとハイレゾスペックを満たしている。インピーダンスはiSINE 20が26ΩでiSINE 10が16Ωと、どちらもスマホでも十分に気持ち良く鳴らせる仕様なのだが、ハウジングがセミオープン型なのでアウトドアで使う場合は音漏れに注意したい。ともにケーブルは3.5mmのアナログ端子と、Lightning接続のCIPHERを付け替えて楽しめる。
ふたつのイノベーションが同時に訪れた興奮から冷めやらぬうち、今夏には平面型イヤホンのフラグシップ「LCDi4」が発売された。「平面型サウンドの魅力を可能な限り多くの人々に伝えたい」という、オーデジー開発者たちによる強い想いが、矢継ぎ早の新製品攻勢から伝わってくる。今回はオーデジーの平面型イヤホンの魅力を探っていきたい。
■平面型モデルの音質を高める独自の技術
近年、ファンの間で平面型ヘッドホンに対する注目が日増しに高まっている。オーデジーはその分野でスペシャリストと呼ぶべきブランドのひとつだ。現在のラインナップには、フラグシップの「LCD-4」やプロ仕様の「LCD-X」をはじめとする、米国のスタジオエンジニアやミュージシャンにも愛用されるリファレンスモデルから、ポータビリティを重視したオンイヤーの密閉型ヘッドホン「SINE」シリーズなどがある。SINEシリーズの登場に合わせて、アップルのiOSデバイスとLightningデジタル接続ができる専用のDAC内蔵アンプケーブル「CIPHER」が誕生したという経緯だ。
オーデジーは平面型の振動板を効率よく、パワフルに動かすため独自開発した技術や素材を所有している。「Fluxor Magnetic Technology」は強力な磁束密度を生みだしてドライバーを正確に、かつ効率よく動かすための技術だ。ヘッドホンの「EL-8」やSINEシリーズなどにも採用されている。
オーデジーが平面型ヘッドホンの音質をより高めるため独自に開発した、極小・極薄ながらも強度の高いフィルム素材を使った「Uniforce振動板」に、磁力の粗密をコントロールしながらドライバーを精緻に動かすボイスコイルの組み合わせによって、歪みのないクリアな音を再現する。ハウジングの中に生まれる空気の流れを最適化して、クリアで解像度の高い中高域とリニアな応答性能を合わせて実現する「Fazor Technology」もオーデジーが誇る技術だ。
元々は平面型ヘッドホンのために開発してきた独自技術を、よりコンパクトなイヤホンに収めるために多くの時間を費やしたであろうことは想像に難くないが、実際にはオンイヤーヘッドホンのSINEシリーズを2016年の5月に発売した後、同年の10月にはイヤホンのiSINEシリーズが登場。そして今夏にはフラグシップLCDi4の発売となった。
その開発スピードの速さには度肝を抜かれてしまうが、同社のキーパーソンによれば、その背景には「平面型ヘッドホンの振動板やドライバーを構成するパーツのクオリティが近年高まってきたことや、振動板のフレームに極薄のフイルムをフラットに貼り付けられる技術が向上したこと」も関係しているのだという。もちろん、それぞれの技術やマテリアルを上手に使いこなす腕前はオーデジーならではのものだ。
■ラインナップされる平面型イヤホン3機種の特徴
それでは続いて、現在オーデジーが平面型イヤホンのラインナップとして展開する「LCDi4」と、「iSINE 10」「iSINE 20」それぞれの特徴と音質をチェックしてみたい。
LCDi4は、フラグシップヘッドホンのLCD-4を「そのままイヤホンにする」ことをコンセプトに掲げ開発された。LCD-4と同じ、薄さがわずか0.5ミクロンという振動板から極上のサウンドを引き出すために「Fluxor Magnet」と「Uniforce」の技術を採用した30mm口径のドライバーを、セミオープンデザインのハウジングに搭載。ハウジングの素材には軽く、制振性能にも優れるマグネシウムを使っている。
ケーブルは本体から着脱できるが、通常仕様はOCC銅導体に銀メッキをかけた1.2mのプレミアムケーブルになる。Hi-Fiリスニング用のイヤホンとして魅力を訴求しているからだ。再生周波数帯域は5Hz-50kHzをカバー。ハウジングはセミオープン型なのである程度の音漏れが発生することや、外部のノイズが飛び込んでくることも想定すると、やはり宅内など静かな場所でゆったりと音楽を楽しむ使い方に最も向いている。
そしてLCDi4に比べると価格も手ごろなiSINEシリーズは、まさしくポータブルDAPやスマホで気軽に楽しみたい平面型イヤホンだ。オーデジーの独自技術であるFluxor MagnetとUniforceの技術をベースに継承したことで、ディティールに富んだ新鮮なサウンドを再現する。ラインナップはスタンダードモデルのiSINE 10と、ボイスコイルの巻き数を増やして音質強化を図った上位機のiSINE 20だ。外観はiSINE 10がブラック、iSINE 20がブロンズのようなリッチなブラウンになる。
どちらの機種も再生周波数帯域は10Hz-50kHzとハイレゾスペックを満たしている。インピーダンスはiSINE 20が26ΩでiSINE 10が16Ωと、どちらもスマホでも十分に気持ち良く鳴らせる仕様なのだが、ハウジングがセミオープン型なのでアウトドアで使う場合は音漏れに注意したい。ともにケーブルは3.5mmのアナログ端子と、Lightning接続のCIPHERを付け替えて楽しめる。