公開日 2018/12/20 06:15
日常を彩るデザインと高音質が同居。ラックスマンの真空管アンプ&プレーヤー「Neo Classico II」レビュー
SQ-N150/D-N150
ラックスマンから登場した“Neo Classico II”「SQ-N150」「D-N150」は、真空管アンプが備える“モノとしての魅力”を引き出しつつ、マニアも納得のサウンド、誰でも手軽に使える品質・操作性を両立させたオーディオコンポーネント群だ。今回、その魅力を土方久明氏がレポートする。
■Neo Classicoシリーズの第二世代
一般的な家電製品においては過去のデバイスとなって久しい真空管だが、オーディオ製品ではいまだに採用例が多い。その理由はやはり真空管にしか奏でることのできない素晴らしい音楽性なのだが、ガラス管の中に暖かい光が灯るレトロなデザインなど、インテリア性の面でも魅力を感じる人も多い。
そんな真空管オーディオの中で注目のモデルが発表された。老舗の国産オーディオメーカー、ラックスマンから発表された「Neo Classico II(ネオクラシコ・ツー)」だ(関連ニュース)。
本シリーズはシリーズ第2代目にあたる。初代は2007年に発売された管球式のプリメインアンプ「SQ-N100」、CDプレーヤー「D-N100」、スピーカー「S-N100」の3モデルで、A4用紙サイズのコンパクトなシャーシと、シリーズ名通りのクラシカルかつモダンなデザイン、そしてリーズナブルなプライスによって人気を博した。初代シリーズは惜しまれつつもすでに販売終了となっていたが、後継機を望む声が高まる中、ついに第2世代モデルが発表されたのだ。
■コンパクトかつ美しく、精巧な雰囲気を持った“最上のデザイン”
ラインナップは、管球式プリメインアンプ「SQ-N150」とCDプレーヤーの「D-N150」だ。上面から見てA4サイズに収まるコンパクトさは第1世代と同様ながら、内部構成とデザインは完全に一新されている。最終的には音質が何よりも大切なオーディオ製品とはいえ、筆者はデザインにも強くこだわりたい。特に、コンパクトで普段の生活空間にも設置できるような製品の場合、優れたプロダクトデザインは絶対必要だ。
そして、SQ-N150とD-N150は近年発売された国産オーディオ製品の中においてもトップクラスのデザインを持っている。
SQ-N150は、スタンダードな真空管アンプの意匠を持ちながら、シャーシやトランスが鋭角かつ直線基調のデザインで、思わず「欲しい」とつぶやいてしまったほど美しいデザインだ。ブラスターホワイト仕上げが施されたトップ、フロントのパネルをはじめ、精密度が高い造形で構成されている。
さらに、シャーシ上面にあるソースセレクターとBASS/TREBLE/BALANCEノブの造形、本モデルで初めて採用されたフロントパネルのアナログ出力メーターまで、仕上げの良いパーツが考え抜かれたバランスで配置され、まるで機械式の精密時計を目前にしたような感覚さえ覚える。真空管カバーを付けた状態でも、その精巧な雰囲気が保たれている点も素晴らしい。D-N150もアンプと揃えられた、クラシックとモダンが融合したデザインで、両機ともコンパクトだが高級感が漂っている。
■真空管ならではのサウンドに使いやすさも同居させたSQ-N150
それでは、SQ-N150のアウトラインから確認しよう。本機はスロバキアに本拠地を構えるJJ社製の真空管を合計6本使用し、コンパクトながら本格的な構成を持つプリメインアンプだ。初段はECC83(12AX7)を2本用いて、P-K分割位相反転回路と共に搭載する。パワー段には「EL84」(6BQ5)を4本、5極管接続のプッシュプル増幅で使用し、10W×2ch(6Ω)の出力を確保している。
JJ社製の真空管は動作と特性の安定性が高く、取り扱いが容易なことでも知られており、他社でも採用例が多い。単純に音質を追求するだけでなく、初めて真空管アンプに接するユーザーからも選ばれるであろう本機の場合、安定性と耐久性が高いJJ社の真空管はベストチョイスと言えるだろう。もちろん同社の真空管は音質にも定評がある。
入力は、RCAアナログ端子が3基に加え、嬉しいポイントとしてMM/MC両対応のフォノ入力も備わっている。スピーカー出力は1系統で、6.3mmの標準ステレオジャックによるヘッドホン出力も装備。余談だが、電源ケーブルにはOFC極太線をノンツイスト構造で搭載した、単品販売もしている「JPA-10000」が付属する。プリメインアンプとして万全の内容を持つ。
■Neo Classicoシリーズの第二世代
一般的な家電製品においては過去のデバイスとなって久しい真空管だが、オーディオ製品ではいまだに採用例が多い。その理由はやはり真空管にしか奏でることのできない素晴らしい音楽性なのだが、ガラス管の中に暖かい光が灯るレトロなデザインなど、インテリア性の面でも魅力を感じる人も多い。
そんな真空管オーディオの中で注目のモデルが発表された。老舗の国産オーディオメーカー、ラックスマンから発表された「Neo Classico II(ネオクラシコ・ツー)」だ(関連ニュース)。
本シリーズはシリーズ第2代目にあたる。初代は2007年に発売された管球式のプリメインアンプ「SQ-N100」、CDプレーヤー「D-N100」、スピーカー「S-N100」の3モデルで、A4用紙サイズのコンパクトなシャーシと、シリーズ名通りのクラシカルかつモダンなデザイン、そしてリーズナブルなプライスによって人気を博した。初代シリーズは惜しまれつつもすでに販売終了となっていたが、後継機を望む声が高まる中、ついに第2世代モデルが発表されたのだ。
■コンパクトかつ美しく、精巧な雰囲気を持った“最上のデザイン”
ラインナップは、管球式プリメインアンプ「SQ-N150」とCDプレーヤーの「D-N150」だ。上面から見てA4サイズに収まるコンパクトさは第1世代と同様ながら、内部構成とデザインは完全に一新されている。最終的には音質が何よりも大切なオーディオ製品とはいえ、筆者はデザインにも強くこだわりたい。特に、コンパクトで普段の生活空間にも設置できるような製品の場合、優れたプロダクトデザインは絶対必要だ。
そして、SQ-N150とD-N150は近年発売された国産オーディオ製品の中においてもトップクラスのデザインを持っている。
SQ-N150は、スタンダードな真空管アンプの意匠を持ちながら、シャーシやトランスが鋭角かつ直線基調のデザインで、思わず「欲しい」とつぶやいてしまったほど美しいデザインだ。ブラスターホワイト仕上げが施されたトップ、フロントのパネルをはじめ、精密度が高い造形で構成されている。
さらに、シャーシ上面にあるソースセレクターとBASS/TREBLE/BALANCEノブの造形、本モデルで初めて採用されたフロントパネルのアナログ出力メーターまで、仕上げの良いパーツが考え抜かれたバランスで配置され、まるで機械式の精密時計を目前にしたような感覚さえ覚える。真空管カバーを付けた状態でも、その精巧な雰囲気が保たれている点も素晴らしい。D-N150もアンプと揃えられた、クラシックとモダンが融合したデザインで、両機ともコンパクトだが高級感が漂っている。
■真空管ならではのサウンドに使いやすさも同居させたSQ-N150
それでは、SQ-N150のアウトラインから確認しよう。本機はスロバキアに本拠地を構えるJJ社製の真空管を合計6本使用し、コンパクトながら本格的な構成を持つプリメインアンプだ。初段はECC83(12AX7)を2本用いて、P-K分割位相反転回路と共に搭載する。パワー段には「EL84」(6BQ5)を4本、5極管接続のプッシュプル増幅で使用し、10W×2ch(6Ω)の出力を確保している。
JJ社製の真空管は動作と特性の安定性が高く、取り扱いが容易なことでも知られており、他社でも採用例が多い。単純に音質を追求するだけでなく、初めて真空管アンプに接するユーザーからも選ばれるであろう本機の場合、安定性と耐久性が高いJJ社の真空管はベストチョイスと言えるだろう。もちろん同社の真空管は音質にも定評がある。
入力は、RCAアナログ端子が3基に加え、嬉しいポイントとしてMM/MC両対応のフォノ入力も備わっている。スピーカー出力は1系統で、6.3mmの標準ステレオジャックによるヘッドホン出力も装備。余談だが、電源ケーブルにはOFC極太線をノンツイスト構造で搭載した、単品販売もしている「JPA-10000」が付属する。プリメインアンプとして万全の内容を持つ。
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