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公開日 2019/04/26 07:44

発売から3年経過も売上げが伸びているロングセラーヘッドホン、Meze Audio「99 Classics」の魅力とは?

力強さと繊細でしなやかな表現を両立
山本 敦
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「99 Classics」は、欧州でいま最も勢いよく成長しているプレミアムヘッドホンブランド、Meze Audio(メゼ・オーディオ)の原点と呼ぶべきヘッドホンだ。日本では2015年末に発売されて以来、今になってさらに売上げが伸びているというロングランヒットモデルである。

Meze Audio「99 Classics」2015年発売以来、今も人気を博す「99 Classics」の飛び抜けた個性を改めてレビュー。その魅力に迫る

筆者は昨年の春、ブランドの創立者であるアントニオ・メゼ氏が、フラグシップモデル「Empyrean」の試作機を携えて来日した際に初めてお会いし、インタビューをする機会を得た。メゼ氏は99 Classicsを開発した際に、自身の理想を妥協することなく盛り込めたと満足気に語っていた。

だからこそ99 Classicsは、同価格帯のヘッドホンの中では飛び抜けて個性的だ。もちろん基本のサウンドや機能性が優れているからこそ熱烈なファンを獲得できたのだろう。今回はあらためてその魅力を深掘りしてみたい。

木製ハウジングに軽量なヘッドバンド、パーツを最小限にして約260gを実現

一目で魅力を感じる99 Classicsのデザインは、インダストリアルデザイナーとしてのキャリアを持つメゼ氏自身が手がけている。リアルウッドとメタルという異種素材が絶妙なバランスで一つのヘッドホンとして形を成している。現在は2色のカラバリ展開だ。

カラバリは2色、ゴールドとシルバーを展開する

密閉型イヤーカップの素材には軽くて硬いウォールナット(クルミの木)を選び、工作機械を使って精密に削り出した。マンガンスチールと亜鉛合金を組み合わせたヘッドバンドは軽くてしなやかで、剛性にも富んでいる。

ハウジングは軽量かつ硬質なウォールナットを採用

ヘッドバンド部も軽量。剛性も高いマンガンスチールと亜鉛合金を用いている

また、ヘッドバンドはユーザーの頭に合わせてフィットするセルフアジャスト機構を採用。柔らかなメモリーフォームを素材とするイヤーパッドが耳と頭の形に沿う。側圧の負担が軽く、遮音性も高い。ヘッドホンを構成するパーツを最小限に抑えたことも、約260gという軽量設計に結びついている。

ユーザーの頭に合わせてフィットするセルフアジャスト機構を採用

イヤーパッドはメモリーフォーム素材で、柔らかくフィット感も高い

40mm口径のマイラー振動板、ネオジウムマグネットを搭載するダイナミック型ドライバーは音の心臓部だ。ケーブルは本体左右イヤーカップからの両出しスタイルで、ヘッドホン本体には左右の区別がなく、ケーブルを挿してこれを決める。

導線にはOFC線、被服には強靭なケブラー素材を使ったケーブルは、リモコン付きの1.2mポータブルケーブルと、据え置きのヘッドホンアンプによるリスニングにも便利な3.0mのロングケーブルがパッケージに同梱されている。

インピーダンスは32Ωと、スマホでも比較的鳴らしやすいヘッドホンなので、アウトドアリスニングに重宝すると思う。長旅に持ち運ぶ際には付属するセミハードタイプの専用ケースも大いに役立つだろう。

スマホでも比較的鳴らしやすく、持ち運びにも便利

次ページきめ細やかながら力強いサウンドで、豊かな音楽性を楽しませてくれる

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