公開日 2019/07/10 12:00
イヤホンの“空間表現”が変わる。Artio「CR-V1/M1」が描く超立体サウンドをレビュー
【特別企画】独自技術「WARPシステム」が実現
2018年に独創的な技術を搭載したイヤホンでデビューを飾った「Ar:tio」が、「Artio」としてリブランディング。さらに挑戦的な新技術「WARPシステム」を搭載したニューモデル「CR-V1」「CR-M1」で再スタートを切った。
クラウドファンディングをスタートした本モデルに掲げられたメッセージは、「あなただけのオーディオルームを。」
それが意味するもの=WARPシステムが実現するものとは、イヤホンでありながらの「オーディオルームのスピーカーで聴くような再生空間」だ。>クラウドファンディングのプロジェクトページはこちら<
■スピーカー再生的な空間表現を可能にするWARPシステム
スピーカー再生とイヤホン再生で、音の聴こえ方が異なる最大の理由は何か。それは、スピーカー再生ではスピーカーから耳までの空間を通して、ステレオ再生の左チャンネルの音も右耳に、右チャンネルの音も左耳にと、それぞれ反対側の音も混じって届いているということだ。
対してイヤホン再生では、左チャンネルの音は左耳、右チャンネルの音は右耳にしか届かない。人間の聴覚は左右の耳から入ってくる音の差分から空間性を導き出しているので、その差分を得にくいイヤホン再生では、空間性を感じる要素の多くが失われてしまう。結果、頭の中に閉じこもったようないわゆる「頭内定位」になってしまうわけだ。
そこで、イヤホン再生でもスピーカー再生のように自然で開放的な空間表現を得るためにはどうしたらよいか?と考え出されたのがWARPシステムである。その概要は、「左チャンネルの音声信号を右チャンネルに、右チャンネル音声信号を左チャンネルにミックスする」という、実に単純なものだ。しかし左右をただ均等に混ぜ合わせるだけでは、自然な効果など得られないだろう。
WARPシステムで行われているのは、『音量、帯域、位相の時間差などを緻密に調整した上で、左チャンネルの音声信号を右チャンネルに、右チャンネル音声信号を左チャンネルにミックスして再生する』という処理だ。
左右のリケーブル端子が2.5mmの3極となっていることからも、イヤホンの左右それぞれに左右両方の音声信号が届けられていることがわかる。
なお、具体的にWARPシステムがどのような仕組みで、実際にどのような処理が行われているのかは明らかにされていない。しかしこのイヤホンは電源を持っていないので、デジタル処理でないことは明らか。シングルドライバーであることは明かされているので、逆チャンネルの音を別ドライバーから出して音響構造で調整する方法でもないだろう。おそらくはパッシブの電子回路での処理ではないだろうか。
まあ仕組みの推測はさして重要ではない。大切なのは、このイヤホンはスマホや音楽プレーヤーのイヤホン端子に挿して普通に使えるということだ。
特殊な接続やら充電の手間などは必要ない。これが「スマホのUSB端子に専用アンプを接続して……」みたいなシステムだったとしたら「それはちょっと…」となる方も少なからずだろう。だがこの製品はそうではなく、“普通のイヤホン”とまったく同じ使い勝手のままで、その効果を実現している。
クラウドファンディングをスタートした本モデルに掲げられたメッセージは、「あなただけのオーディオルームを。」
それが意味するもの=WARPシステムが実現するものとは、イヤホンでありながらの「オーディオルームのスピーカーで聴くような再生空間」だ。>クラウドファンディングのプロジェクトページはこちら<
■スピーカー再生的な空間表現を可能にするWARPシステム
スピーカー再生とイヤホン再生で、音の聴こえ方が異なる最大の理由は何か。それは、スピーカー再生ではスピーカーから耳までの空間を通して、ステレオ再生の左チャンネルの音も右耳に、右チャンネルの音も左耳にと、それぞれ反対側の音も混じって届いているということだ。
対してイヤホン再生では、左チャンネルの音は左耳、右チャンネルの音は右耳にしか届かない。人間の聴覚は左右の耳から入ってくる音の差分から空間性を導き出しているので、その差分を得にくいイヤホン再生では、空間性を感じる要素の多くが失われてしまう。結果、頭の中に閉じこもったようないわゆる「頭内定位」になってしまうわけだ。
そこで、イヤホン再生でもスピーカー再生のように自然で開放的な空間表現を得るためにはどうしたらよいか?と考え出されたのがWARPシステムである。その概要は、「左チャンネルの音声信号を右チャンネルに、右チャンネル音声信号を左チャンネルにミックスする」という、実に単純なものだ。しかし左右をただ均等に混ぜ合わせるだけでは、自然な効果など得られないだろう。
WARPシステムで行われているのは、『音量、帯域、位相の時間差などを緻密に調整した上で、左チャンネルの音声信号を右チャンネルに、右チャンネル音声信号を左チャンネルにミックスして再生する』という処理だ。
左右のリケーブル端子が2.5mmの3極となっていることからも、イヤホンの左右それぞれに左右両方の音声信号が届けられていることがわかる。
なお、具体的にWARPシステムがどのような仕組みで、実際にどのような処理が行われているのかは明らかにされていない。しかしこのイヤホンは電源を持っていないので、デジタル処理でないことは明らか。シングルドライバーであることは明かされているので、逆チャンネルの音を別ドライバーから出して音響構造で調整する方法でもないだろう。おそらくはパッシブの電子回路での処理ではないだろうか。
まあ仕組みの推測はさして重要ではない。大切なのは、このイヤホンはスマホや音楽プレーヤーのイヤホン端子に挿して普通に使えるということだ。
特殊な接続やら充電の手間などは必要ない。これが「スマホのUSB端子に専用アンプを接続して……」みたいなシステムだったとしたら「それはちょっと…」となる方も少なからずだろう。だがこの製品はそうではなく、“普通のイヤホン”とまったく同じ使い勝手のままで、その効果を実現している。