公開日 2020/06/06 07:00
ゲーミングチェアが最適解? テレワークで腰が痛くなったので、“良い椅子”を試してみた
noblechairsを導入
ここ2ヶ月ほどで、これまでのワークスタイルから大きく変化することが求められた。その波は編集者として働く記者にも到達し、なんの準備もなくスタートしたテレワーク。
普段と違う環境にも段々と慣れてきたが、どうしても耐えられないものがある。椅子だ。自分の部屋にあるのはイームズチェア(もちろんジェネリック)であり、その購入理由はデザイン。座り心地など度外視だった。そんな椅子でずっと仕事をすることになり、腰もお尻もバッキバキだ。
そこで、以前にレビューしたことがあるゲーミングチェアの存在を思い出した。会社で試用していたが、あれに座っている間は腰痛などとは無縁だった。もしテレワークにあのゲーミングチェアを導入できたら・・・。でも、大きなゲーミングチェアをテレワーク環境に置くことができるのだろうか?
この記事では、そんなテレワークの椅子に悩みを持つ方と、そして自分のために、ゲーミングチェアを部屋の一角に備えるとどうなるのかをレポートしたい。
■ゲーミングチェアが部屋に届いた
まず作業机の前、椅子の可動範囲をお伝えしておくと、奥行57cm/横幅100cm/高さ64cmだ。背後にはベランダがあり、椅子を引くことはほぼできない。床には少し毛長(3cm)のカーペットを敷いている。
世の一人暮らしをしている方も、家族と調整しながらスペースを確保している方も、作業場所は大体このくらいの空間ではないだろうか。横幅においては「広い」という感すらある。
そして今回、試してみるゲーミングチェアはnoblechairs「ICON」。それもドイツ製高機能素材を使用した “BLACK EDITION” だ。以下にその特徴を挙げる。
・透湿性/通気性に優れたハイテク素材
・表面はハイブリッドPUレザーで手触り良好
・耐久性に優れ長く使える
・日本人に合わせたエルゴノミックデザイン
製品の詳細はMakuakeのクラウドファンディングページに譲るが、つまりは長く座っていても疲れない、蒸れない椅子ということだ。またデザインが “ゲーミングチェアっぽくない” のもnoblechairsの特徴。単純に座り心地の良い椅子が欲しい、という要望にもマッチする。
部屋にダンボールに入ったICONが届いた。かなりのサイズ、重量だ。8畳ワンルームで物があふれるなか、開梱作業にかかった時間は約25分。注意点は、想定よりスペースが必要ということ。パーツの数はそこまででもないので組み立てに迷うことはなかったが、巨大な外箱はすぐ潰してしまうなどの工夫をしたい。また総重量はともかく、パーツの一つ一つはそこまでの重さではないので、2人推奨と書かれていた組み立て工程は1人でもこなせた。
実際に、作業場所にICONを置いてみる。なかなかいい感じだ。ハイエンドな雰囲気が漂うデザインのため、書斎感がでてきた。「やるぞ」という気持ちが高まるのは、ついだらけてしまいがちなテレワークにおいて、モチベーションを保つ意味でもプラスだ。
早速座ってみよう。ここで気づいた。座れない。
■座って気づいた、いつもの椅子の厳しさ
先ほど、奥行57cmと書いたが、この幅では座ろうとして椅子を引くことはもちろん、回転させることも難しい。後ろでは背もたれがぶつかり、前では肘掛けが机にぶつかる。こうなると、ほぼ椅子は動かせない。
想定していなかった事態だが、これがテレワークでのゲーミングチェア導入における最大の関門だろう。記事も半ばで結論じみたことを書くが、椅子の周りに十分なスペースがある、もしくは確保できそうなら、ゲーミングチェアを導入する価値はある。逆にスペースがないのであれば、ゲーミングチェアに限らず “良い椅子” を置くのは厳しいはずだ。これから導入を検討される方は、左右よりも前後のスペースを広く確保することをオススメしたい。
とりあえず、一度この事実はスルーして、無理やり座り込んでみる。座ってさえしまえば、座り心地は抜群だ。これまで使っていた椅子と比較すると、雲泥の差と言ってしまいたい。記者の体格は185cm/66kgだが、狭苦しさを感じさせることなく、ゆったりと支えてくれている。
地味に嬉しいのが、肘掛けと高さ調節機能だ。テレワーク環境では “ないもの” として意識すらしていなかったが、部屋にある机に合わせた高さで、肘掛けを活用しながらパソコン作業をしていると、余計な力が必要なく、身体全体が楽になる。
安価なオフィスチェアでも肘掛けと高さ調節機能を備えたものはあるが、座り心地まで求めるのは難しい。実際に会社で使っている椅子がそれで、椅子の上で正座をするなどして乗り切っている。家でそんなことはしたくないし、そもそも「いかにも」な見た目のオフィスチェアは部屋に置きたくない。
またテレワークで、上はともかく、下まで “よそゆき” の服装をいつもしているだろうか? 記者は薄手の寝巻きそのままで作業していることが圧倒的に多い。薄い生地のパンツで、1時間もよろしくない椅子に座っていると、お尻が痛いやらかゆいやらの不快感に苛まれ、もはや座っていることはできない。座面の硬さなどの要素が影響しているものと考えられるが、ともかくICONではそのようなことは起きない。ほどよく固めのモールドウレタンで、ソファのように沈み込むことなく、しかしリラックスして机に向かうことができる。
「ビデオ会議」も、数あるゲーミングチェアのなかでnoblechairsを推すポイントの一つだ。カラフルな “This is Gaming Chair” も良い。しかし仕事先とビデオ会議する際に、「遊んでた?」と、相手に思いもよらぬ印象を与えてしまうかもしれない。noblechairsはシックなデザインなので、そういった誤解を防ぐことができる。「EPIC」などはレーシングチェアのイメージがブランドの中でも強いので、選ぶ際のポイントとしたい。
また、もし家族との共用スペースに作業場所を置かざるを得ない方にとって、良くも悪くも目立つ、いかにもなゲーミングチェアを導入するのはその後の家族パワーバランスにも悪影響だろう。あえて落ち着いたデザインであることが、万能性を高めている。
カーペットは毛が絡むのではと心配だったが、前後が無理なので横移動で試したところ、座ったままでもコロコロと軽く移動できた。また、敷金が吹き飛ぶ覚悟でフローリングの上でも試したが、見たところは擦り傷などもなくスムーズに動く。でも念のため、マットなどを敷いた方がいいだろう。
ちなみに、記者の環境では椅子の高さを一番低くして回転させると、身体を通せる隙間が生まれることがわかった。座れたら椅子を高くして作業する、立つ時は椅子を低くして回転させるという流れで、座ったあとは快適に過ごせている。また、肘掛けは取り外すこともできるので、腕の楽さとのトレードオフになるが、機動性を確保するのもアリ。
リクライニング機能は忘れることにした。そのために模様替えをするのは大変だし、なくても体感的に、これまでの倍以上は楽だからだ。もし背もたれを倒せる環境であれば、より居心地の良い環境を目指せるはずだ。
■普通に “良い椅子” が欲しいならチャンス
これを機に、本格的にテレワークを導入する職場もあるだろう。またそうでなくても、家で作業するにあたっては、身体のことを考えると、短い時間でも椅子にはこだわった方がいいことがわかった。
アーロンチェアのような高級オフィスチェアという選択肢も、もちろんある。ヘルニア&ぎっくり腰を擁する記者にはアーロンチェアが合わなかったが、ほかにもコンテッサやエルゴヒューマンなど様々な商品が存在する。テレワーク目線で考えた際に、ゲーミングチェアである必要、というものがないのも確かだ。
けれど、noblechairsは座り心地に文句はなく、革素材となると気になる蒸れにも、BLACK EDITIONではより強くなっている。腰痛持ちとして色々試してきたが、ハイエンドチェアに劣らない快適さだ。なにより、実施中のクラウドファンディングに応募すれば、お得に購入できるのが大きい。一般感覚として安価とは言わないが、コスパは極めて高い。 “良い椅子” を求めているのなら、いまがチャンスかもしれない。
普段と違う環境にも段々と慣れてきたが、どうしても耐えられないものがある。椅子だ。自分の部屋にあるのはイームズチェア(もちろんジェネリック)であり、その購入理由はデザイン。座り心地など度外視だった。そんな椅子でずっと仕事をすることになり、腰もお尻もバッキバキだ。
そこで、以前にレビューしたことがあるゲーミングチェアの存在を思い出した。会社で試用していたが、あれに座っている間は腰痛などとは無縁だった。もしテレワークにあのゲーミングチェアを導入できたら・・・。でも、大きなゲーミングチェアをテレワーク環境に置くことができるのだろうか?
この記事では、そんなテレワークの椅子に悩みを持つ方と、そして自分のために、ゲーミングチェアを部屋の一角に備えるとどうなるのかをレポートしたい。
■ゲーミングチェアが部屋に届いた
まず作業机の前、椅子の可動範囲をお伝えしておくと、奥行57cm/横幅100cm/高さ64cmだ。背後にはベランダがあり、椅子を引くことはほぼできない。床には少し毛長(3cm)のカーペットを敷いている。
世の一人暮らしをしている方も、家族と調整しながらスペースを確保している方も、作業場所は大体このくらいの空間ではないだろうか。横幅においては「広い」という感すらある。
そして今回、試してみるゲーミングチェアはnoblechairs「ICON」。それもドイツ製高機能素材を使用した “BLACK EDITION” だ。以下にその特徴を挙げる。
・透湿性/通気性に優れたハイテク素材
・表面はハイブリッドPUレザーで手触り良好
・耐久性に優れ長く使える
・日本人に合わせたエルゴノミックデザイン
製品の詳細はMakuakeのクラウドファンディングページに譲るが、つまりは長く座っていても疲れない、蒸れない椅子ということだ。またデザインが “ゲーミングチェアっぽくない” のもnoblechairsの特徴。単純に座り心地の良い椅子が欲しい、という要望にもマッチする。
部屋にダンボールに入ったICONが届いた。かなりのサイズ、重量だ。8畳ワンルームで物があふれるなか、開梱作業にかかった時間は約25分。注意点は、想定よりスペースが必要ということ。パーツの数はそこまででもないので組み立てに迷うことはなかったが、巨大な外箱はすぐ潰してしまうなどの工夫をしたい。また総重量はともかく、パーツの一つ一つはそこまでの重さではないので、2人推奨と書かれていた組み立て工程は1人でもこなせた。
実際に、作業場所にICONを置いてみる。なかなかいい感じだ。ハイエンドな雰囲気が漂うデザインのため、書斎感がでてきた。「やるぞ」という気持ちが高まるのは、ついだらけてしまいがちなテレワークにおいて、モチベーションを保つ意味でもプラスだ。
早速座ってみよう。ここで気づいた。座れない。
■座って気づいた、いつもの椅子の厳しさ
先ほど、奥行57cmと書いたが、この幅では座ろうとして椅子を引くことはもちろん、回転させることも難しい。後ろでは背もたれがぶつかり、前では肘掛けが机にぶつかる。こうなると、ほぼ椅子は動かせない。
想定していなかった事態だが、これがテレワークでのゲーミングチェア導入における最大の関門だろう。記事も半ばで結論じみたことを書くが、椅子の周りに十分なスペースがある、もしくは確保できそうなら、ゲーミングチェアを導入する価値はある。逆にスペースがないのであれば、ゲーミングチェアに限らず “良い椅子” を置くのは厳しいはずだ。これから導入を検討される方は、左右よりも前後のスペースを広く確保することをオススメしたい。
とりあえず、一度この事実はスルーして、無理やり座り込んでみる。座ってさえしまえば、座り心地は抜群だ。これまで使っていた椅子と比較すると、雲泥の差と言ってしまいたい。記者の体格は185cm/66kgだが、狭苦しさを感じさせることなく、ゆったりと支えてくれている。
地味に嬉しいのが、肘掛けと高さ調節機能だ。テレワーク環境では “ないもの” として意識すらしていなかったが、部屋にある机に合わせた高さで、肘掛けを活用しながらパソコン作業をしていると、余計な力が必要なく、身体全体が楽になる。
安価なオフィスチェアでも肘掛けと高さ調節機能を備えたものはあるが、座り心地まで求めるのは難しい。実際に会社で使っている椅子がそれで、椅子の上で正座をするなどして乗り切っている。家でそんなことはしたくないし、そもそも「いかにも」な見た目のオフィスチェアは部屋に置きたくない。
またテレワークで、上はともかく、下まで “よそゆき” の服装をいつもしているだろうか? 記者は薄手の寝巻きそのままで作業していることが圧倒的に多い。薄い生地のパンツで、1時間もよろしくない椅子に座っていると、お尻が痛いやらかゆいやらの不快感に苛まれ、もはや座っていることはできない。座面の硬さなどの要素が影響しているものと考えられるが、ともかくICONではそのようなことは起きない。ほどよく固めのモールドウレタンで、ソファのように沈み込むことなく、しかしリラックスして机に向かうことができる。
「ビデオ会議」も、数あるゲーミングチェアのなかでnoblechairsを推すポイントの一つだ。カラフルな “This is Gaming Chair” も良い。しかし仕事先とビデオ会議する際に、「遊んでた?」と、相手に思いもよらぬ印象を与えてしまうかもしれない。noblechairsはシックなデザインなので、そういった誤解を防ぐことができる。「EPIC」などはレーシングチェアのイメージがブランドの中でも強いので、選ぶ際のポイントとしたい。
また、もし家族との共用スペースに作業場所を置かざるを得ない方にとって、良くも悪くも目立つ、いかにもなゲーミングチェアを導入するのはその後の家族パワーバランスにも悪影響だろう。あえて落ち着いたデザインであることが、万能性を高めている。
カーペットは毛が絡むのではと心配だったが、前後が無理なので横移動で試したところ、座ったままでもコロコロと軽く移動できた。また、敷金が吹き飛ぶ覚悟でフローリングの上でも試したが、見たところは擦り傷などもなくスムーズに動く。でも念のため、マットなどを敷いた方がいいだろう。
ちなみに、記者の環境では椅子の高さを一番低くして回転させると、身体を通せる隙間が生まれることがわかった。座れたら椅子を高くして作業する、立つ時は椅子を低くして回転させるという流れで、座ったあとは快適に過ごせている。また、肘掛けは取り外すこともできるので、腕の楽さとのトレードオフになるが、機動性を確保するのもアリ。
リクライニング機能は忘れることにした。そのために模様替えをするのは大変だし、なくても体感的に、これまでの倍以上は楽だからだ。もし背もたれを倒せる環境であれば、より居心地の良い環境を目指せるはずだ。
■普通に “良い椅子” が欲しいならチャンス
これを機に、本格的にテレワークを導入する職場もあるだろう。またそうでなくても、家で作業するにあたっては、身体のことを考えると、短い時間でも椅子にはこだわった方がいいことがわかった。
アーロンチェアのような高級オフィスチェアという選択肢も、もちろんある。ヘルニア&ぎっくり腰を擁する記者にはアーロンチェアが合わなかったが、ほかにもコンテッサやエルゴヒューマンなど様々な商品が存在する。テレワーク目線で考えた際に、ゲーミングチェアである必要、というものがないのも確かだ。
けれど、noblechairsは座り心地に文句はなく、革素材となると気になる蒸れにも、BLACK EDITIONではより強くなっている。腰痛持ちとして色々試してきたが、ハイエンドチェアに劣らない快適さだ。なにより、実施中のクラウドファンディングに応募すれば、お得に購入できるのが大きい。一般感覚として安価とは言わないが、コスパは極めて高い。 “良い椅子” を求めているのなら、いまがチャンスかもしれない。