PR 公開日 2024/11/22 06:30
B&Wのヘッドホン/イヤホンはここまで来た。「Pi6」「Px7 S2e」の“他では得がたい”魅力
自分好みの1台になりえる確かな“サウンド”
ブランドコンセプトとして “True Sound” を掲げ、原音の忠実再現を提供する英国発のオーディオブランドBowers & Wilkins(以下、B&W)。スピーカーで高い評価を受けているブランドだが、近年ではポータブルオーディオの分野でもそのコンセプトを存分に活かしたプロダクトを精力的に発表している。
本稿では今年発売された完全ワイヤレスイヤホン「Pi6」、昨年の発売以来高い好評を得ているオーバーイヤー・ノイズキャンセリング・ヘッドホン「Px7 S2e」に焦点を当て、ブランドの一貫したコンセプトを海上 忍が紐解く。
英語に「my cup of tea」という慣用句がある。直訳すれば「私のお茶」だが、実際には「自分の好み」、お気に入りという意味合いで用いられる。茶が生活文化に根付く、なんとも英国らしい表現だ。
新しいB&W製品の音を聴くとき、筆者は必ずこの「my cup of tea」を思い出す。オーディオ機器の開発には、スペックや機能を重視した定量的なアプローチと、感覚を重視した定性的なアプローチの2系統があり、どちらも欠かせないものだが、B&W製品は後者に共通のサムシングがあるように思う。紅茶に喩えるなら、ダージリンかキーモン、それともアッサムか。数値化困難な、独特の芳香を感じてしまうのだ。
ここに紹介する「Pi6」は、B&Wの完全ワイヤレスイヤホン・Piシリーズの第3世代に属するモデル。2021年発売の第1世代・「Pi5」「Pi7」は、2023年に「Pi5 S2」「Pi7 S2」へとそれぞれ進化、そして2024年9月にナンバリングを進めたPi6、「Pi8」としてリニューアルを果たした。Piシリーズは数字の大きいほうが上位モデルとされるためPi5 S2の後継と判断しそうになるが、実際の位置付けとしては2023年時点のフラッグシップ・Pi7 S2の後継だ。
実際、Pi6のスペックはPi7 S2を上回る。BluetoothコーデックはPi8と同じく最大96kHz/24bitのaptX Adaptiveに対応、同じ音声通話用ノイズキャンセリング機構も搭載した。ドライバーはPi7 S2のφ9.2mmに対しφ12mmと大口径化を果たした。定量的な特性だけでは優劣を語れないのがオーディオだが、長足の進歩を遂げたことは間違いない。
新設計のボディデザインはPi6のアドバンテージだ。第2世代のPi5 S2とPi7 S2は真円と楕円を重ねた2階建て風デザインが施されていたが、第3世代のPi6とPi8は段差のない一体形状に変更された。好みもあるだろうが、第3世代のほうがスマートな印象を受ける。
デザインという点では、カラーバリエーションも見逃せない。Pi7 S2はホワイトとブラック、ミッドナイトブルー・メタリックの3色。後継のPi6はストーム・グレーとクラウド・グレー、グレイシャー・ブルー、フォレスト・グリーンの4色に増えた。一方のプレミアムハイエンド機のPi8はアンスラサイト・ブラックとダブ・ホワイト、ミッドナイト・ブルー、ジェイド・グリーンの4色を用意、いずれも重厚な雰囲気だ。
Pi6のカラーに目を向けると、Pi8との相似性を感じさせるストーム・グレー以外は軽快な印象の仕上り。ハイエンドラインとしてのアイデンティティを感じさせてくれる。
本稿では今年発売された完全ワイヤレスイヤホン「Pi6」、昨年の発売以来高い好評を得ているオーバーイヤー・ノイズキャンセリング・ヘッドホン「Px7 S2e」に焦点を当て、ブランドの一貫したコンセプトを海上 忍が紐解く。
■「お気に入り」足りうるクオリティ。B&Wの完全ワイヤレスイヤホンの足跡を辿る
英語に「my cup of tea」という慣用句がある。直訳すれば「私のお茶」だが、実際には「自分の好み」、お気に入りという意味合いで用いられる。茶が生活文化に根付く、なんとも英国らしい表現だ。
新しいB&W製品の音を聴くとき、筆者は必ずこの「my cup of tea」を思い出す。オーディオ機器の開発には、スペックや機能を重視した定量的なアプローチと、感覚を重視した定性的なアプローチの2系統があり、どちらも欠かせないものだが、B&W製品は後者に共通のサムシングがあるように思う。紅茶に喩えるなら、ダージリンかキーモン、それともアッサムか。数値化困難な、独特の芳香を感じてしまうのだ。
ここに紹介する「Pi6」は、B&Wの完全ワイヤレスイヤホン・Piシリーズの第3世代に属するモデル。2021年発売の第1世代・「Pi5」「Pi7」は、2023年に「Pi5 S2」「Pi7 S2」へとそれぞれ進化、そして2024年9月にナンバリングを進めたPi6、「Pi8」としてリニューアルを果たした。Piシリーズは数字の大きいほうが上位モデルとされるためPi5 S2の後継と判断しそうになるが、実際の位置付けとしては2023年時点のフラッグシップ・Pi7 S2の後継だ。
実際、Pi6のスペックはPi7 S2を上回る。BluetoothコーデックはPi8と同じく最大96kHz/24bitのaptX Adaptiveに対応、同じ音声通話用ノイズキャンセリング機構も搭載した。ドライバーはPi7 S2のφ9.2mmに対しφ12mmと大口径化を果たした。定量的な特性だけでは優劣を語れないのがオーディオだが、長足の進歩を遂げたことは間違いない。
新設計のボディデザインはPi6のアドバンテージだ。第2世代のPi5 S2とPi7 S2は真円と楕円を重ねた2階建て風デザインが施されていたが、第3世代のPi6とPi8は段差のない一体形状に変更された。好みもあるだろうが、第3世代のほうがスマートな印象を受ける。
デザインという点では、カラーバリエーションも見逃せない。Pi7 S2はホワイトとブラック、ミッドナイトブルー・メタリックの3色。後継のPi6はストーム・グレーとクラウド・グレー、グレイシャー・ブルー、フォレスト・グリーンの4色に増えた。一方のプレミアムハイエンド機のPi8はアンスラサイト・ブラックとダブ・ホワイト、ミッドナイト・ブルー、ジェイド・グリーンの4色を用意、いずれも重厚な雰囲気だ。
Pi6のカラーに目を向けると、Pi8との相似性を感じさせるストーム・グレー以外は軽快な印象の仕上り。ハイエンドラインとしてのアイデンティティを感じさせてくれる。
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