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公開日 2018/04/21 21:10

Netflixで観られる「ご当地アニメ」5選! 寝転がったまま日本各地へ旅しよう

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編集部:押野 由宇
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実在する場所を舞台にしたアニメって、ほどよいリアルさで没入感を高めてくれて良いですよね。

地元が舞台になろうものなら、見知った景色が表現されて嬉しくなり、知らない土地でも「こんな場所があるんだな」と、ちょっとした旅行気分が味わえます。

ということで、この記事では、Netflixで配信中の作品から日本の各地を舞台としたアニメをいくつかピックアップしてみました。布団に横になったまま、二次元世界で旅してみてはいかがでしょうか?


『僕だけがいない街』(北海道)


〜あらすじ〜
『あの日、彼女は死んだ。』漫画家としてデビューするも、いまひとつ結果を出せずに毎日を過ごす青年・藤沼悟。彼は、彼の身にしか起こらない、ある不可思議な現象に不満を感じていた。“リバイバル(再上映)”。何か「悪いこと」が起こる直前まで時が巻き戻る減少。それは、その原因が取り除かれるまで何度も繰り返される。…まるで、誰かに「お前が防げ」と強制されているかのように。しかし、ある日起きた事件をキッカケに、その現象に大きな変化が訪れる。自らの過去に向き合う時、悟が目撃する真実とは? そして、悟の未来は?


「そだねー」ではなく「したっけ」でお馴染みの作品です。主人公の藤沼悟は大人になってからは東京に出てきていますが、18年前の小学生時代は北海道で過ごしています。雄大な自然を見せるような作品ではなく、シリアスなシーンも多いため、これを観て「北海道行きたい!」となるかは分かりませんが、地味めにしっかり現地を描写しているので聖地は巡礼しやすそう。

作品はタイムリープもの+サスペンスといった内容で、この系統の常としてネタバレ厳禁なため詳しくは何も書けませんが、全編通して、悟の行動をハラハラしながら応援する、というスタンスで大丈夫だと思います。素直に「頑張れ!」と応援できるような魅力あるキャラクターです。そして救う対象である雛月 加代、片桐 愛梨の存在が、またその応援する気持ちを掻き立てます。

1クールアニメですが、原作もそう多くない巻数でまとめきっただけあって、密度がありしっかり楽しめる印象。原作未読でもついていけるはずです。だからこそあまりよそ見せず、集中して観たいですね。アジアンカンフージェネレーションを起用したオープニングも、派手なアクションがあるというわけでもないのに、いわゆる飛ばせないってやつで格好いいです。

あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない(埼玉県)


〜あらすじ〜
昔は仲良しだった幼馴染たち。でも、高校生になった彼らの距離はいつの間にか離れてしまっていた。ヒキコモリぎみの主人公“じんたん”。ギャル友達に流され気味の“あなる”。進学校に通う“ゆきあつ”と“つるこ”。高校に進学せず旅を重ねる“ぽっぽ”。そして、仲良しだった小学生の頃から、それぞれが変わっていく中で変わらない少女“めんま”。あの日、“お願いを叶えて欲しい”とじんたんにお願いをするめんま。困りながらも“めんまのお願い”を探るじんたん。そのめんまの願い事がきっかけとなり、それぞれの領域でそれぞれの生活を送っていた幼馴染達は再びかつてのように集まりはじめる。


埼玉県秩父を舞台にした青春アニメ。“泣ける”と名高い本作、第1話の視聴者を引き込む力は半端ないです。そして第5話くらいまで観続けることができるハートを持っていたなら、あとは一気に突き進めます。なぜこんなことを言うのかといえば、気軽な “日常モノ” が好きな人にはちょっとパンチが強い人間関係が繰り広げられるため。『STAND BY ME ドラえもん』などのように簡単に泣けると思ったら大間違いです。

しかし、ちょっとドロっとした関係とか大好物、女の子の苦悩している表情なんて最高、といった方には引っかかりなく受け入れられるでしょう。そしてその歪んだ性癖を涙で洗い流そう、ね? めんまやあなるの可愛さに目がくらみ、キャラ推し作品と捉えられる可能性がありますが、やはりストーリーが本作の肝です。

秩父という、絶妙に都会ではないけど田舎すぎるとも言えない環境の高校生、というのもキャラクターの行動や性格を視聴者が受け入れやすいポイントだと思います。最終話、悲しみもあれば爽やかな気持ちも、喜びも、やっぱり寂しさもあり、感情がシッチャカメッチャカになりますが、それでも気持ちよく最後を迎えられる人が多数でしょう。

クロムクロ(富山県)


〜あらすじ〜
ダム建設時に偶然発見された謎の遺物、アーティファクトの研究を行うために設立された国際連合黒部研究所。世界各国の頭脳が集う研究所員の子女が通う立山国際高校には、研究所長の娘、白羽由希奈も通っていた。時は2016年、夏。ひとりのサムライが、ふたたび目を覚ます。


ロボット×サムライという、男子が滾る要素をかけ合わせた本作。宇宙から襲来する敵を巨大ロボットに乗り込んで撃退していくのですが、主人公機以外の量産機にも出番が多く、武器を工夫して戦うなど、色々と設定が作り込まれています。でも、いわゆるロボットものを期待して観るのは、ちょっと違うかもしれません。それよりも、現代に超速で馴染んでスマホを使いこなしていく主人公・青馬剣之介時貞のサムライっぷりに注目。これがどこまでも貫かれているのが、本作の魅力です。

舞台は富山県、現地の地名や建物が背景としてだけではなく、キャラクターのセリフとしてもバンバン出てくるし、一部ガチめの方言も使われます。そして富山きときと空港がボロボロになったり、神通川にクレーターができたりと、丁寧に描写した上できちんと破壊するときは破壊するあたりが律儀。ここまでやってくれたら、きっと地元民も嬉しいでしょう。

さて、サムライが活躍する本作、斬ってバッサリ痛快活劇! ではありません。悩んだり迷ったりもします。観る人がモヤモヤすることもあるかもしれません。けれどそれを上回る、剣之介とヒロイン由希奈がどうなっていくのか、という期待。この2人は、近年でもかなり上位に入る愛されキャラではないかと思います。ストーリー的にも段々と明かされる真実など、盛り上がりどころがありますので、そこも気にかけつつ、2人の行く末を確認しましょう。

氷菓(岐阜県)


〜あらすじ〜
省エネを信条とする高校一年生、折木奉太郎は、ひょんなことから廃部寸前のクラブ「古典部」に入部することに。「古典部」で出会った好奇心旺盛なヒロイン 千反田える、中学からの腐れ縁 伊原摩耶花と福部里志。彼ら4人が神山高校を舞台に、数々の事件を推理していく青春学園ミステリ。「わたし、気になります!」奉太郎の安穏とした灰色の高校生活が、この一言で一変してしまった!


米澤穂信『古典部シリーズ』が原作のアニメ作品。岐阜県を舞台としており、飛騨生きびな祭りとのコラボや高山市公式の氷菓舞台散策マップが発行されるなど、積極的な聖地活動が行われていたのも印象的な作品です。決め台詞「わたし、気になります!」でえるが奉太郎の世界を色づけていたころ、ネット界隈には「たそ〜」がウイルスのように蔓延していたことも思い出深いですね。なお、「た」と打ち込んだら予測変換で「たそ〜」になりました。僕も感染者だったようです。

基本的には青春ミステリーということで、金田一やコナンのような血なまぐさい事件が起こることはなく、ある物が無くなったなど見ようによっては小さなことから物語が発展していきます。省エネが信条ということもあり、奉太郎は問題を解決しようとせず、するとしても安楽椅子探偵のスタンスです。けれど、エネルギーが無ではなく省エネなだけで、必要なところではしっかり動いて決めるところを決める。えるに振り回されていくうちに、少しずつ変化が出始めるのもニヤニヤしてしまいます。

部活仲間の摩耶花と里志、さらに各エピソードで登場するキャラクターそれぞれ存在感が強く、彼らがそこで生活しているという現実感を感じさせる世界観が描き出されています。学園生活というある種クローズドな設定でありながら、あるいはだからこそ、とてもその世界に没入できるので、聖地巡礼が盛んなのも頷けます。週間アニメでこんなキレイで大丈夫? というレベルの京アニ作画にも注目。

有頂天家族(京都府)


〜あらすじ〜
下鴨神社・糺ノ森に暮らす下鴨家。狸界の頭領であった父・総一郎は、ある日何の前触れもなく狸鍋にされた。残された四兄弟の中でも偉大な父の「阿呆の血」を色濃く継いだ三男・矢三郎は「面白きことは良きことなり」をモットーに、兄弟や母に囲まれて暮らしていた。隠居中の大天狗・赤玉先生の世話を焼いたり、神通力を得た人間の美女・弁天に振り回されたり、はたまた宿敵・夷川家と空中決戦を繰り広げる日々の果てに、突如下鴨家を襲う絶体絶命の危機! 父が鍋にされた真相が明らかになる中、固い絆で結ばれた一家の運命はいかに!


森見登美彦の小説が原作ということもあり、「阿呆」「天狗」「電気ブラン」などなど、そのテイストがふんだんに感じられる作品。しかし『四畳半神話大系』や『夜は短し歩けよ乙女』などが好きという方にも新鮮な感覚で観られるでしょうし、森見作品に初遭遇という方にはむしろ、これから見始める入り口としてオススメです。

お気楽にぼんやり楽しむアニメかと思いきや、実のところは義理人情モノ。テーマとしては家族の愛や絆であり、そうしたドラマのつもりで観た方が面食らわないでしょう。そう、映像面ではなく、その心情の描き方がどこか実写っぽいんです。また登場人物の人格が出来上がっているからか、よりストーリーに集中できる。昨今のアニメでは珍しい方向で、大人が楽しめるアニメといえるでしょう。

時間軸は現代で背景描写も細かく、京都という舞台を存分に活かした雰囲気作り。街並みを見ているだけで面白いものがあります。けれど、主人公は狸で天狗も出てくるしでフィクション要素が大きく、その独特なセンスの言葉選びで繰り広げられる会話やキャラクターデザインなども相まって、リアルな世界に没入するというよりも、“面白い作品を観ている”という感覚を持って楽しめます。

☆ ☆ ☆


配信されている作品だけでも随分な数があったので、今回はこのあたりで終了します。Netflixでは究極のご当地アニメ(?)ではないかという「おへんろ。」など、まだまだ日本各地を舞台とした作品がたくさん配信中。そろそろ大型連休も近いので、もし気分が高まったら足を運んでみるのも良いかもしれません。

Netflixはお試し1ヶ月無料、以降は4Kも見れて1,450円/月、HD画質で950円/月、SD画質は650円/月。もちろんプランの途中変更もできますので、まずはHD画質でスタートしてみてはいかがでしょうか?

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