公開日 2019/04/06 07:00
4個2,700円の高級イヤーピース。JVC「スパイラルドット++」を自腹で全5サイズ購入して試した
編集部“イヤホン切り込み隊長”がレビュー
イヤホンのイヤーピースは、いまや装着感や遮音性の良し悪しだけにとどまらず音質も左右するアクセサリーとして注目され、専門ブランドまで次々と立ち上げられるほど“アツい”分野になっている。
イヤホンにおいて装着性が音質を大きく左右するのはご存知の通りで、さらに言えばイヤーピースはイヤホンから放出された音が最初に触れる部分である。イヤーピースの構造や素材次第で音が変化するというのも、当然といえば当然だ。イヤーピースによる音の変化については、煖エ敦さんも連載記事で詳しく書かれている。
そして、イヤーピース市場にまた新たな刺客が現れた。JVCケンウッド “Spiral Dot++(スパイラルドット++)” 「EP-FX10」だ。
真っ先に目を引かれるのはその価格で、2ペア・4個入りで約2,700円。つまり1ペアあたり約1,400円。初代Spiral Dot「EP-FX9」(3ペアで約1,370円、1ペアあたり約460円)を上回るどころか、市場全体を見渡してもトップクラスの価格帯へ討ち入ったことになる。これは試さずにはいられない。ということで…
5サイズぜんぶ自腹で買ってきました(計約13,500円)・・・。
今回は初代スパイラルドットとも比較しつつ、スパイラルドット++のファーストインプレッションをお届けしたい。
■Spiral Dot++はこんなイヤーピース
2014年に発売された初代スパイラルドットの特長といえば、大きめの開口部とその内側に等間隔で刻まれたドットパターン。これで反射音を制御して音をクリアにするという発想は、当時単品販売で手に入るイヤーピースとして目新しさがあった。
もちろんイヤホンとの相性の良し悪しはあるが、多くの場合はキャッチコピー通りに中高音域が多少すっきりするような効果が得られたし、適度な硬さや傘の広がり方など装着面も良く、様々なイヤホンに違和感なく組み合わせることができた。いまでも筆者は基本イヤーピースの1つとして常備している。
2017年にはイヤホン「HA-FD01」の付属品として、素材を特殊シリコン系形状記憶ポリマー「SMP iFit」に置き換えた「スパイラルドット+」が登場。後にフラグシップイヤホン「HA-FW10000」にも同梱されたが、単品販売されるまでには至らなかった。
このスパイラルドット+をさらにブラッシュアップしたのが「スパイラルドット++」で、引き続き傘の部分に「SMP iFit」を使用しているのが特徴だ。2017年に(株)SMPテクノロジーズが発表したこの素材は振動吸収などの力学特性が人肌に近く、これをイヤーピースに仕立てることで、柔らかく快適な肌触りとクリアなサウンドを実現できるという。
いっぽう、内側の軸部分には別種の硬めのシリコンを使用することで、イヤホンのノズルから取れにくくしてある。ここが、軸まですべてSMP iFit製だったスパイラルドット+からの変更点だ。物性の異なる素材を確実につなぎ合わせるため軸と傘の接合部を波打たせたり、イヤーピースのサイズごとに軸を色分けしたりといった細かい配慮もニクい。
その他、メーカー公式の製品紹介では特に触れられていないが、スパイラルドット・シリーズの開口部は末広がりのホーン形状となっているところも見逃せない。スピーカーでは中高音域の強化を目的によく採用されている形状で、スパイラルドット++でも中高音域の向上に一役買っているに違いない。
■初代スパイラルドットと外観/装着感を比較
スパイラルドット++が様々なハイテク素材や工夫が盛り込まれていることは分かったが、それでは初代とはどれほどの違いがあるのだろう。
イヤホンにおいて装着性が音質を大きく左右するのはご存知の通りで、さらに言えばイヤーピースはイヤホンから放出された音が最初に触れる部分である。イヤーピースの構造や素材次第で音が変化するというのも、当然といえば当然だ。イヤーピースによる音の変化については、煖エ敦さんも連載記事で詳しく書かれている。
そして、イヤーピース市場にまた新たな刺客が現れた。JVCケンウッド “Spiral Dot++(スパイラルドット++)” 「EP-FX10」だ。
真っ先に目を引かれるのはその価格で、2ペア・4個入りで約2,700円。つまり1ペアあたり約1,400円。初代Spiral Dot「EP-FX9」(3ペアで約1,370円、1ペアあたり約460円)を上回るどころか、市場全体を見渡してもトップクラスの価格帯へ討ち入ったことになる。これは試さずにはいられない。ということで…
5サイズぜんぶ自腹で買ってきました(計約13,500円)・・・。
今回は初代スパイラルドットとも比較しつつ、スパイラルドット++のファーストインプレッションをお届けしたい。
■Spiral Dot++はこんなイヤーピース
2014年に発売された初代スパイラルドットの特長といえば、大きめの開口部とその内側に等間隔で刻まれたドットパターン。これで反射音を制御して音をクリアにするという発想は、当時単品販売で手に入るイヤーピースとして目新しさがあった。
もちろんイヤホンとの相性の良し悪しはあるが、多くの場合はキャッチコピー通りに中高音域が多少すっきりするような効果が得られたし、適度な硬さや傘の広がり方など装着面も良く、様々なイヤホンに違和感なく組み合わせることができた。いまでも筆者は基本イヤーピースの1つとして常備している。
2017年にはイヤホン「HA-FD01」の付属品として、素材を特殊シリコン系形状記憶ポリマー「SMP iFit」に置き換えた「スパイラルドット+」が登場。後にフラグシップイヤホン「HA-FW10000」にも同梱されたが、単品販売されるまでには至らなかった。
このスパイラルドット+をさらにブラッシュアップしたのが「スパイラルドット++」で、引き続き傘の部分に「SMP iFit」を使用しているのが特徴だ。2017年に(株)SMPテクノロジーズが発表したこの素材は振動吸収などの力学特性が人肌に近く、これをイヤーピースに仕立てることで、柔らかく快適な肌触りとクリアなサウンドを実現できるという。
いっぽう、内側の軸部分には別種の硬めのシリコンを使用することで、イヤホンのノズルから取れにくくしてある。ここが、軸まですべてSMP iFit製だったスパイラルドット+からの変更点だ。物性の異なる素材を確実につなぎ合わせるため軸と傘の接合部を波打たせたり、イヤーピースのサイズごとに軸を色分けしたりといった細かい配慮もニクい。
その他、メーカー公式の製品紹介では特に触れられていないが、スパイラルドット・シリーズの開口部は末広がりのホーン形状となっているところも見逃せない。スピーカーでは中高音域の強化を目的によく採用されている形状で、スパイラルドット++でも中高音域の向上に一役買っているに違いない。
■初代スパイラルドットと外観/装着感を比較
スパイラルドット++が様々なハイテク素材や工夫が盛り込まれていることは分かったが、それでは初代とはどれほどの違いがあるのだろう。
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