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PR 公開日 2024/08/13 06:30

33、45、78……アナログプレーヤーの「回転数」で何が変わる?

改めて知りたいオーディオ基礎知識解説 Powered by オーディオランド
炭山アキラ
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オーディオは実に奥深く、様々な要素が音に影響してくる。だからこそ楽しい趣味なのだが、初心者のうちは分からないことも多く、また熟練したファンであっても、詳しいことは意外と知らないなんてことがあるのではないだろうか。

そこで、オーディオ買取専門店「オーディオランド」のご協力のもと、オーディオにまつわる改めて知りたい基礎知識を炭山アキラ氏が解説する。本項では、改めて知りたい「アナログプレーヤーの回転数」について紹介しよう。


■アナログプレーヤーの「回転数」、その由来は?



Image : VLADIMIR VK/Shutterstock.com

レコードの回転数は33回転、45回転、78回転の3種類ある。なぜそうなったのかというと、もともとそれぞれが規格の違うレコードだったからである。

78回転というのは、エミール・ベルリナーが発明した円盤レコードの系譜を直接引く、いわゆるSP盤の回転数だ。発明されてすぐの頃は、メーカーまたは時代によって回転数にいくらかバラつきがあったが、1940年代に78回転へ統一されたと聞く。

余談になるが、音楽評論家でオーディオ評論家としても活躍された故・和田則彦氏は非常に厳格な絶対音感の持ち主で、78回転と判明しているレコードなら演奏されている基準周波数(ピアノの中心部にある「ラ」の音を何Hzに合わせてあるかを指す)を聴き分けることができ、基準周波数が分かっている演奏なら、古いレコードが何回転でカッティングされているかが分かったという。凄い人もいたものである。

一方、33 1/3回転と45回転は、第二次世界大戦後に開発された塩化ビニール製のレコード、いわゆるヴァイナルの規格である。それに対してSP盤は、ラックカイガラムシの分泌物を固めたシェラックが主成分となる。

33 1/3回転はもともと「LP(Long Play)」と名付けられた直径30cmの盤に採用された回転数で、1948年に米コロムビアが創始したとされる。ちなみに、このLPが発売されるまでSP(Standard Play)という呼び方はなく、単に「レコード」と呼ばれていた。

45回転は直径17cmの「シングル盤」に採用された回転数で、1949年に米RCAビクターが最初の商品を発売している。SPとLPの中心穴がφ7mmなのに対して、シングル盤は約φ38mmと大きく、その形状から「ドーナツ盤」とも呼ばれる。

SP(左)、ドーナツ盤(中央上)、コンパクト盤(中央下)、LP(右)など様々な種類がある

なぜ、ほぼ同時期にLPとシングル盤が生み出されたのか。ヴァイナル以前、SPには25cmと30cmの盤があり、流行歌などは25cmの片面約3分という収録時間が適当で、量産されていた。一方、クラシックの特に交響曲などは、30cm径のSPでも収録時間は片面5分くらいだからとても収まらず、写真アルバムとよく似た冊子状のセット物となっているのが普通だった。今でもたくさんの曲が入ったLPを「アルバム」と呼ぶのは、当時の名残である。

そんな25cm SPの存在感を引き継ぐために開発されたのがシングル盤、1枚で長尺の曲が収められるように考えられたのがLPである。開発当初、この両者は互いの優位性を競って譲らなかったが、幸いカートリッジは共通のものが使えたので、プレーヤー側に回転数の切り替えとドーナツ盤用のアダプターを装備することで共存が可能となり、現在に至る。

他に、17cmながら33 1/3回転で回してポップスや映画音楽から数曲を収めるEP盤やコンパクト盤と呼ばれるものも存在したが、新譜のリリースは見当たらないようだ。

また、30cmの盤へ45回転で収録することにより、LPよりも高音質を獲得した12インチ・シングルという盤もある。ごくごく稀に、何と78回転で回したヴァイナルも存在し、こちらはもはや超絶的な高解像度とパワーを聴かせてくれる。

前述した通り、ヴァイナル盤は回転数が違っても共通の、つまり現在流通しているごく一般的なカートリッジが使えるが、SP盤は溝の太さが全然違うので、別のカートリッジを用意しなければならない。

最もベーシックな丸針で比較すると、ヴァイナル用はドーム形状となった先端の半径が0.7mil(0.018mm)、それに対してSP用は3mil(0.076mm)となる。MM型では一部の製品でSP対応の交換針が用意されているし、SP対応のMC型も数は少ないが現行商品がある。

また、現在はレコードといえばRIAAカーブに統一されているが、SPはもちろんヴァイナルもモノラル時代までは、イコライズ・カーブがいくつも存在していた。大半のレコードには、どのカーブを採用しているか記載されていないので、すべてを完璧に合わせることは難しいが、現行のフォノイコにもカーブが可変できるものがあり、古いレコードを楽しむならできるだけ自然な特性で楽しみたいものである。

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(提供:オーディオランド)

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