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公開日 2018/11/17 17:15
ステラ/ゼファンのブースをレポ

<TIAS>Wilson Audioの超弩級スピーカー「ALEXX」や800万円のフォノイコで究極のアナログ再生

編集部:小澤貴信
11月18日まで開催中の「2018 東京インターナショナルオーディオショウ」(TIAS 2018)。ステラ/ゼファンのブースでは、今秋から取り扱いを始めたWilson Audioのスピーカーシステムから、同社が手がけるTechDASのアナログプレーヤーまで、豪華絢爛かつ最新鋭のハイエンドオーディオ製品が一堂に会した。

Wilson Audio「ALEXX」のデモの様子

Wilson Audio「ALEXX」は価格がペア1,940万円からという超弩級スピーカーで、同社の初号機となった大型モデル「WAMM」の系譜を受け継ぐ最新モデル。4ウェイ・5ドライバー構成のバスレフ型スピーカーで、エンクロージャーはウーファー/ミッドレンジ上側/同下側/トゥイーターと4つのパートで構成される。

創業者であるDavid Wilsonの後継者、Daryl Wilson氏も来日

同社スピーカーではおなじみとなっている、トゥイーターの上下にミッドレンジ・ドライバーを配置する「MTMジオメトリー」を本機のために新たに開発、上下のミッドレンジに異なる口径のドライバーを用い、MTMの利点を活かしつつミッドレンジの帯域をさらに拡大した。

16日夕方のデモでこのALEXXのデモに用いられていたのが、TechDASのターンテーブル「AirForce III」、そして同社が新たに取り扱うHSE SWISSのフォノ・プリアンプ「Masterline ML7」だ。

Masterline ML7の価格、なんと予価800万円(税込)。HSE SWISSは、スチューダーで開発エンジニアを長年にわたって務め、14以上の国際特許を取得したというロバート・フーバー氏が創設したブランドで、同社のMasterline ML7は世界最高峰のフォノイコライザーとしてその名を知られているという。本機は12個のHSEディスクリートA級ゲインステージと2基のゼロオームA級超低ノイズヘッドアンプで構成。その筐体は、完璧な磁気シールドを狙って無垢アルミから切削されたもので、厚さは20mmとなる。プレートやノブなどのメカニカルパーツも高純度な金を用いて手作業でプレート・研磨されている。なお本機は受注生産品となる。

「Masterline ML7」

また、今夏に発表されたVIVID Audioの新スピーカー「Kayaシリーズ」(関連ニュース)も登場。よりシンプルなデザインかつコンパクトながら、同社の最新技術を盛り込んだ本スピーカーも見どころのひとつとなった。

「Kayaシリーズ」

ユニークな新スピーカーも披露。The Bay Radial Speaker Systemというブランドの“放射スピーカー”「Courante」は、パイプを折り曲げたようなその形状にまず驚かされる。C字型に折り曲げられたパイプ形状キャビネットの両端を繋ぐように配置された円筒形メンブレン(膜)がトゥイーターの振動板となっており、これが360度にわたって音を放射する。また、円筒の両端にはエジプト製パピルスコーンを用いたウーファーが配置されている。パイプ形状のキャビネットはカーボン製だ。

「Courante」

この円筒形メンブレンが360度の音の放射、加えて優れたインパルス応答によってスピーカーを超越する空間再現を可能にするとしている。またこの方式では、設置環境による音響特性への影響が軽減されるという。価格は500万円/ペア(予価・税抜)。

同社ブースでは、他にも多数の新製品が披露された。SMEからは、同社のマグネシウム・トーンアームとオルトフォンのカートリッジを同梱し、さらにNagra製フォノアンプを内蔵し、各部をCrystal Cableのケーブルで接続したというアナログプレーヤー「SYNERGY」が登場。

「SYNERGY」

Aesthetixのプリメインアンプ「Mimas」は、入力段に真空管、出力段にバイポーラトランジスタを採用した同社伝統のハイブリッド方式を採用。パワーアンプは無帰還・差動バランスブリッジ出力構成としている。強力な電源部も特徴で、筐体内には7つの安定化電源を内蔵している。予価は130万円(税抜)。

「Mimas」

会場にはTechDASのエアーバキューム/エアーベアリング/エアーサスペンションを採用したアナログ・ターンテーブル「Air Force」シリーズも勢揃いしたが、残念ながら事前に本イベントへの登場が予告されていた新旗艦モデル「Air Force Zero」は間に合わなかったとのこと。

「Air Force One Premium」

「Air Force Two Premium」

ブースで実施された試聴イベントでは、ステラの西川英章氏が本機の開発状況を説明。Air Force ZEROは、サスペンション機構の開発の遅れからTIASでの公開が間に合わなかったが、開発は順調に進んでいると語った。西川氏によれば、本機のターンテーブル部は質量は120kg。結果、フローティングベース部は合計320kg、メインベースを加えると合計520kgと、途方もない重量になる。駆動部には3層12極アウターローター型モーターを採用するが(関連ニュース)、このモーターのベースにすでに生産完了しているstuder製モーターを転用する関係で、Air Force ZEROは50台しか製造できないという。しかし、すでに世界で10数台の予約を受けているとのことだった。

ブースで披露されたAir Force Zeroの写真

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