公開日 2023/11/16 16:59
HMDを活用し、3次元上に直感的に音を配置できる
<InterBEE>イマーシブオーディオの新たな制作ツール「Dear Reality」とは?
ファイルウェブオーディオ編集部・筑井真奈
音や映像、通信技術の展示会イベント「Inter BEE 2023」が、11月15日(水)から17日(金)にかけて開催。ゼンハイザー・ジャパンは、新たなイマーシブオーディオ制作ツール「Dear Reality」を国内初展示した。会場での実際のデモンストレーションも交えて、このソフトウェアについて紹介しよう。
Dear Realityは、2014年にドイツで設立された高品質な3Dオーディオ制作向けソフトウェアに特化した会社で、ソフトウェアとしてのDear Realityは、DAWのプラグインとして使用可能なイマーシブオーディオのための様々なソリューションを提供するもの。同社は2019年よりゼンハイザーグループの傘下となり、グループの所有する音響技術と協業しながらソフトウェアをさらに進化させている。
Dear Realityには大きく分けて「SPATIALIZER」「MONITORING」「REVERB」「CONTROLLER」「INTERACTIVE」の5つのパッケージが用意されており、すべてオンラインで購入できる。
なお、Dear Realityはすべて英語で提供されており、日本語の情報やマニュアルなどはほ無い。しかし、実際の購入者を見ると日本のユーザーも少なくないとのこと。そのため、ゼンハイザー・ジャパンでは「イマーシブオーディオの制作環境のさらなる発展に繋げたい」と考え、今回のInterBEEに合わせて、実機のデモンストレーションを行うことを決定したという。
マーケティングディレクターのKai Detlefsen氏によると、Dear Realityがこれまでのイマーシブオーディオソリューションと異なる重要な点は、以下の3つのパッケージににあるという。
1:「SPATIALIZER」モノラル等で収録された音源を自然なイマーシブオーディオとして生成すること
2:「MONITORING」ヘッドホン再生でもスピーカー再生と同様の環境を提供すること
3:「CONTROLLER」ヘッドマウントディスプレイなどを使用して、3Dコンテンツを直感的に操作できるようにすること
それぞれについて詳しく見てみよう。まずは「SPATIALIZER」。Dear Realityが一番最初にリリースしたソフトウェアであり、ヴォーカルやギターなどのモノラルなどで録られた音源を、7.1.4chなどさまざまなプリセットに合わせてイマーシブオーディオとして出力を可能にする。
Kai氏によると、「私がいまこうして話している声は、ダイレクトに聴こえると同時に、壁や床、天井などさまざまな場所からの反響を含んで聴こえてきますね。そういう多方面からの反響を計算して、イマーシブのサウンドにすることができるのです」と説明する。
実際ソフトウェアでは、部屋の高さや広さ、それぞれの反響の具合などを細かく設定できる。OUTPUT FORMATでは2chから5.1ch、7.1.4chなどのチャンネル数を選択でき、それぞれのフォーマットに合わせて自然なイマーシブサウンドを生成することができるという。
「MONITORING」は、より柔軟な制作フローに実現を目指して開発されたもので、イマーシブオーディオに対応するスピーカーの再生環境を、手持ちのヘッドホンで再生できるのだという。これにより、ある程度のところまではスピーカーのあるスタジオで作業し、細かいところは自宅に帰ってヘッドホンで作業する、といったシームレスな作業環境への可能性が広がる。
ヘッドホンはゼンハイザーやノイマンはもちろん、AKGやオーディオテクニカなど、スタジオユースとしてデファクト・スタンダードとされる製品が多数登録されている。スピーカーの環境を設定し、該当するヘッドホンを選択することで、制作環境をそのまま持ち出すことができるとアピールする。
「CONTROLLER」は、ヘッドマウントディスプレイを装着し、コントローラーでVR空間上に音をそのまま配置、操作することができるというもの。実際に試してみると、3次元空間に音の “バブル” が配置され、コントローラーで掴んで奥に動かしたり、左右に振ったりすると、音がそのまま動いていくのが感じられる。手前と奥の距離感の違いや、真上に音を持っていった場合の違いなども直感的に理解できる。
ヘッドマウントディスプレイとヘッドホンを両方装着しなければならないため重たいことと、コントローラーの操作にも慣れが必要そうだが、音によるクリエーションの可能性を感じさせてくれる。
そのほか、「REVERVE」はステレオ再生のためのリヴァーブを付与するもので、将来的にはイマーシブオーディオへの拡充も考えているとのこと。「INTERACTIVE」はゲーム制作プラットフォームとして知られるUnityと連携できる機能。音楽や映像コンテンツだけではなく、ゲームの制作にもDear Realityは活用できるという。
会場では、ヘッドマウントディスプレイを装着してCONTROLLERを体験した来場者から「これは新しい!」という声も。イマーシブオーディオの制作環境のさらなる発展に期待ができそうだ。
Dear Realityは、2014年にドイツで設立された高品質な3Dオーディオ制作向けソフトウェアに特化した会社で、ソフトウェアとしてのDear Realityは、DAWのプラグインとして使用可能なイマーシブオーディオのための様々なソリューションを提供するもの。同社は2019年よりゼンハイザーグループの傘下となり、グループの所有する音響技術と協業しながらソフトウェアをさらに進化させている。
Dear Realityには大きく分けて「SPATIALIZER」「MONITORING」「REVERB」「CONTROLLER」「INTERACTIVE」の5つのパッケージが用意されており、すべてオンラインで購入できる。
なお、Dear Realityはすべて英語で提供されており、日本語の情報やマニュアルなどはほ無い。しかし、実際の購入者を見ると日本のユーザーも少なくないとのこと。そのため、ゼンハイザー・ジャパンでは「イマーシブオーディオの制作環境のさらなる発展に繋げたい」と考え、今回のInterBEEに合わせて、実機のデモンストレーションを行うことを決定したという。
マーケティングディレクターのKai Detlefsen氏によると、Dear Realityがこれまでのイマーシブオーディオソリューションと異なる重要な点は、以下の3つのパッケージににあるという。
1:「SPATIALIZER」モノラル等で収録された音源を自然なイマーシブオーディオとして生成すること
2:「MONITORING」ヘッドホン再生でもスピーカー再生と同様の環境を提供すること
3:「CONTROLLER」ヘッドマウントディスプレイなどを使用して、3Dコンテンツを直感的に操作できるようにすること
それぞれについて詳しく見てみよう。まずは「SPATIALIZER」。Dear Realityが一番最初にリリースしたソフトウェアであり、ヴォーカルやギターなどのモノラルなどで録られた音源を、7.1.4chなどさまざまなプリセットに合わせてイマーシブオーディオとして出力を可能にする。
Kai氏によると、「私がいまこうして話している声は、ダイレクトに聴こえると同時に、壁や床、天井などさまざまな場所からの反響を含んで聴こえてきますね。そういう多方面からの反響を計算して、イマーシブのサウンドにすることができるのです」と説明する。
実際ソフトウェアでは、部屋の高さや広さ、それぞれの反響の具合などを細かく設定できる。OUTPUT FORMATでは2chから5.1ch、7.1.4chなどのチャンネル数を選択でき、それぞれのフォーマットに合わせて自然なイマーシブサウンドを生成することができるという。
「MONITORING」は、より柔軟な制作フローに実現を目指して開発されたもので、イマーシブオーディオに対応するスピーカーの再生環境を、手持ちのヘッドホンで再生できるのだという。これにより、ある程度のところまではスピーカーのあるスタジオで作業し、細かいところは自宅に帰ってヘッドホンで作業する、といったシームレスな作業環境への可能性が広がる。
ヘッドホンはゼンハイザーやノイマンはもちろん、AKGやオーディオテクニカなど、スタジオユースとしてデファクト・スタンダードとされる製品が多数登録されている。スピーカーの環境を設定し、該当するヘッドホンを選択することで、制作環境をそのまま持ち出すことができるとアピールする。
「CONTROLLER」は、ヘッドマウントディスプレイを装着し、コントローラーでVR空間上に音をそのまま配置、操作することができるというもの。実際に試してみると、3次元空間に音の “バブル” が配置され、コントローラーで掴んで奥に動かしたり、左右に振ったりすると、音がそのまま動いていくのが感じられる。手前と奥の距離感の違いや、真上に音を持っていった場合の違いなども直感的に理解できる。
ヘッドマウントディスプレイとヘッドホンを両方装着しなければならないため重たいことと、コントローラーの操作にも慣れが必要そうだが、音によるクリエーションの可能性を感じさせてくれる。
そのほか、「REVERVE」はステレオ再生のためのリヴァーブを付与するもので、将来的にはイマーシブオーディオへの拡充も考えているとのこと。「INTERACTIVE」はゲーム制作プラットフォームとして知られるUnityと連携できる機能。音楽や映像コンテンツだけではなく、ゲームの制作にもDear Realityは活用できるという。
会場では、ヘッドマウントディスプレイを装着してCONTROLLERを体験した来場者から「これは新しい!」という声も。イマーシブオーディオの制作環境のさらなる発展に期待ができそうだ。
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