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公開日 2017/05/31 17:25
「モノづくり革新センター」メディアツアーレポート

宇都宮の“匠”が支える4K有機ELビエラ。パナソニックが「テレビ生産のマザー工場」内部を公開

編集部:小野佳希

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パナソニックは、4K HDR対応有機ELテレビ“VIERA”「EZ1000シリーズ」(関連ニュース)やテクニクス製品などを生産している工場「モノづくり革新センター」(栃木県宇都宮市)の内部を一部メディアに公開。こだわりの詰まった生産工程や、同社が“匠(たくみ)”と呼ぶ、高品質での製品づくりを行えるスタッフ育成の現場などを披露した。

背中にロゴが入った作業着は“匠”のなかでも上級者認定された赤帯・黒帯認定を受けたスタッフしか着用できない

テレビの生産が行われている棟の外観

■高品質追求のための「モノづくり道場」システム

モノづくり革新センターは1967年に宇都宮市の平出工業団地内に創設。以来50年間、「クイントリックス」や「画王」といったブラウン管時代から同社のテレビ生産を一貫して担ってきた。現在テレビではEZ1000、EZ950といった有機ELモデルテレビだけでなく、DX950などの液晶モデル、さらには病院やホテル向けの業務用液晶テレビなどを製造している。

EZ1000(右)などテレビ生産のマザー工場としての役割を持つ

50年にわたりテレビ生産を担っている

ほかにもテクニクスの製品やCATVのSTBなどの製造も担当。EZ1000のスピーカーにはテクニクスの技術も投入されているが、こうした背景もあって音質にこだわったテレビ製造が実現しているようだ。

テレビ各モデルやテクニクスの製品などを製造

テクニクス製品の製造棟

所長の板東弘三氏は「テレビ生産のマスター工場」と本センターの位置付けを説明。本センターで生み出された製造ノウハウが世界各地の拠点に展開されていること、有機EL、プラズマ、液晶の各モデルで世界から高い評価を集めてきたことなどに触れ、「パナソニックのモノづくり、日本のモノづくりを象徴する工場だ」と語った。

モノづくり革新センター所長の板東弘三氏

本センターでのノウハウやシステムが世界各地の拠点に広がっていく

そして高品質な製品製造のため、本センターが2008年から展開している取り組みが“モノづくり道場”という制度。この“道場”で座学および様々な実技研修を行い、これをクリアしてからでないと実際の製造ラインには立てないという仕組みだ。

研修を行う「モノづくり道場」

しかもこの研修はただクリアすればいいというものでなく、上級者は黒帯、中級者が緑帯、初級者が青帯といった具合に、技能によってレベル分けされる。黒帯の上には“赤帯”というクラスもあり、EZ1000の製造には黒帯もしくは赤帯を獲得したスタッフしか携われないのだという。

赤帯や黒帯など技能レベルが段階ごとに評価される

なお、この技能検定は例えば「ビス締め」「完成検査」などといった具合に、項目ごとになっている。検査技能の研修では、例えばドット欠けなどといった不具合がないかを、全白の画面が表示されてから6秒以内にチェックしなくてはならない。またビス締めでも、きちんとまっすぐビスを挿入できているか、そのビスに対して垂直にドライバーを当てられているか、一連の作業を規定の時間内に行えているかなどがチェックされる。

この画面のなかに1点だけあるドット欠けを6秒以内に発見できるかなどの検定がある




■有機ELモデルのみ“パネルのエージング”を実施

本日の見学会で公開されたのは、こうして育成された“匠”を中心にしたスタッフたちによるEZ1000シリーズの製造工程。有機ELパネルの特性、特に黒の再現性を最大限まで引き出すために、液晶モデルでは行わないパネルのエージング工程を設けていることなど、こだわりの数々が紹介された。

プラズマテレビで培われた自発光デバイスの制御技術など様々な経験が現在の有機ELモデルでの高画質につながっていると説明

プラズマとの比較視聴やユニークなデモで高画質をアピール

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