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公開日 2018/02/16 12:55
メディア向け特別視聴会が開催
『メアリと魔女の花』UHD BD化でこだわった“自然なHDR”。「ポニョフィルター」も活用した制作の裏側
編集部:小野佳希
3月20日に発売を控える『メアリと魔女の花』の4K Ultra HDブルーレイ(UHD BD)(関連ニュース)。一部メディアを対象に視聴会が開催され、映像演出として作品に携わった奥井敦氏、ポスプロコーディネートを務めた古城環氏、UHD BD化に関する各種作業を担ったパナソニックの次世代AVアライアンス担当 柏木吉一郎氏により4K HDR化の舞台裏などが明かされた。
■柔らかな風合いを損なわないよう留意しながらHDR化
今回のUHD BDは、劇場公開用に作られた2Kのマスターデータを4Kにアップコンバートしたもの。劇場では基本的に2K SDRの映像と5.1chサラウンドでの上映だったが、パッケージ化に際して4K HDR映像にし、音声もDTS:XおよびDTS Headphone:Xも収録。スペックだけ見ても劇場公開時よりも豪華になっている。
奥井氏によれば「劇場用に制作している段階ではHDR化という予定はなかったが、UHD BD化に際して今はもうHDR化は必須だろうということになった」とのことで、「4K HDR化に際してできることはすべてやれたと思っている」と自信を見せる。米林宏昌監督もUHD BDとしての完成度に非常に満足しているという。
この4K HDR化の作業で大きな役割を担ったのがパナソニックの柏木氏。以前は米パナソニックハリウッド研究所(PHL)にて、MPEG-4 AVCハイプロファイルやMGVC(マスターグレードビデオコーディング)といった高画質圧縮伝送方式を開発するなどといった豊富な経験を持つ人物だ。スタジオジブリ作品など多くのブルーレイ向けAVC-HP/MGVCエンコードも担当し、現在はUHD BD制作の技術監修なども行っている。
柏木氏は今作の4K HDR化について「スタジオポノックの作品らしい、柔らかい風合いでHDRの良さをそのまま感じられるように作ることに苦労した」とコメント。ことさらにHDR感を強調するのではなく、元々の作品が持つ風合いを保った上でHDRを効果的に使っていると説明した。
奥井氏も「SDRよりはるかに色空間が広いので、ちょっと気を抜くと発色が良くなり過ぎてしまう。そこのコントロールが難しかった」とコメント。「劇場で公開している作品の風合いを損なわないようにつくるのが一番気を使ったポイント」と言葉を続ける。
今回の4K HDR化では、ひとつひとつのシーンごとに最適なレベルになるように細かくHDR化作業を実施。「やりすぎると(HDRらしさを強調しすぎると)『これって必要?』という画になってしまう」と柏木氏が語れば、「なんでもかんでも明るくしてしまうとメリハリが出ない。そこの使いどころは気をつけた」と奥井氏も言葉を続ける。
また、奥井氏は「例えば、輝きをSDRで表現しようとすると、どうしても白くすることでしか明るさを表現できない。だが、HDRなら色もちゃんと乗った上で明るさを表現できる」とコメント。「炎が出て来るシーンでは、画面全体が明るくなった上でちゃんと炎の色が出ている」と、4K HDR版での見どころを紹介した。
■マスクデータの活用で「妥協のない自然なHDR映像ができた」
実際のHDR化作業にあたっては、柏木氏は「これまで多くの作品のHDR化に関わってきたが、今回は私の経験上初めて、おそらく日本では初ではないかと思うが、マスクデータをふんだんに使ってHDR化作業を行った」と説明する。
■柔らかな風合いを損なわないよう留意しながらHDR化
今回のUHD BDは、劇場公開用に作られた2Kのマスターデータを4Kにアップコンバートしたもの。劇場では基本的に2K SDRの映像と5.1chサラウンドでの上映だったが、パッケージ化に際して4K HDR映像にし、音声もDTS:XおよびDTS Headphone:Xも収録。スペックだけ見ても劇場公開時よりも豪華になっている。
奥井氏によれば「劇場用に制作している段階ではHDR化という予定はなかったが、UHD BD化に際して今はもうHDR化は必須だろうということになった」とのことで、「4K HDR化に際してできることはすべてやれたと思っている」と自信を見せる。米林宏昌監督もUHD BDとしての完成度に非常に満足しているという。
この4K HDR化の作業で大きな役割を担ったのがパナソニックの柏木氏。以前は米パナソニックハリウッド研究所(PHL)にて、MPEG-4 AVCハイプロファイルやMGVC(マスターグレードビデオコーディング)といった高画質圧縮伝送方式を開発するなどといった豊富な経験を持つ人物だ。スタジオジブリ作品など多くのブルーレイ向けAVC-HP/MGVCエンコードも担当し、現在はUHD BD制作の技術監修なども行っている。
柏木氏は今作の4K HDR化について「スタジオポノックの作品らしい、柔らかい風合いでHDRの良さをそのまま感じられるように作ることに苦労した」とコメント。ことさらにHDR感を強調するのではなく、元々の作品が持つ風合いを保った上でHDRを効果的に使っていると説明した。
奥井氏も「SDRよりはるかに色空間が広いので、ちょっと気を抜くと発色が良くなり過ぎてしまう。そこのコントロールが難しかった」とコメント。「劇場で公開している作品の風合いを損なわないようにつくるのが一番気を使ったポイント」と言葉を続ける。
今回の4K HDR化では、ひとつひとつのシーンごとに最適なレベルになるように細かくHDR化作業を実施。「やりすぎると(HDRらしさを強調しすぎると)『これって必要?』という画になってしまう」と柏木氏が語れば、「なんでもかんでも明るくしてしまうとメリハリが出ない。そこの使いどころは気をつけた」と奥井氏も言葉を続ける。
また、奥井氏は「例えば、輝きをSDRで表現しようとすると、どうしても白くすることでしか明るさを表現できない。だが、HDRなら色もちゃんと乗った上で明るさを表現できる」とコメント。「炎が出て来るシーンでは、画面全体が明るくなった上でちゃんと炎の色が出ている」と、4K HDR版での見どころを紹介した。
■マスクデータの活用で「妥協のない自然なHDR映像ができた」
実際のHDR化作業にあたっては、柏木氏は「これまで多くの作品のHDR化に関わってきたが、今回は私の経験上初めて、おそらく日本では初ではないかと思うが、マスクデータをふんだんに使ってHDR化作業を行った」と説明する。