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公開日 2023/02/14 11:00
同時発表「AV10」とのセパレートシステム

マランツ、“同社史上最高”のホームシアター用16chパワーアンプ「AMP10」

編集部:小野佳希

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ディーアンドエムホールディングスは、マランツブランドで展開するAVアンプ「CINEMAシリーズ」における最上位モデルとなるセパレートアンプとして、15.4ch AVプリアンプ「AV10」と、16chパワーアンプ「AMP10」を発表。それぞれ110万円(税込)で3月下旬に発売する。本稿ではパワーアンプ「AMP10」について紹介する。

AMP10

■200W/chの大出力Class Dアンプを16ch搭載したホームシアター用パワーアンプ



先行して展開している9.4ch AVアンプ「CINEMA 50」や7.2chのスリムデザインモデル「CINEMA 70s」といった、マランツにおける新世代デザインを採用した「CINEMAシリーズ」のフラグシップモデル。チャンネル数、回路構成、パーツグレードは過去最高のものとなり、コスメティックデザインおよびコンストラクションも刷新され、筐体サイズと質量は、従来の製品を上回るものとなっているという。

同社では「マランツのAVアンプ史上最高のオーディオパフォーマンスと機能性を誇るAVセパレートアンプシステム」だとアピールしている。同社スタッフによれば、開発におよそ5年ほどかけており、「これほどの時間を設計開発にかけたものは他にない。フラグシップにふさわしいものができたのではないかと思っている」とのことだった。

チャンネル当たり200W(8Ω)/400W(4Ω)の大出力が可能なClass Dアンプを16ch搭載した、ホームシアター用パワーアンプ。独自モジュール「HDAM-SA2」や、フラグシップモデル専用キャビネット、リファレンスグレードの高品位パーツ、XLRバランス入力を採用するなどしている。

なお、AV 10と接続して電源オン/スタンバイやディスプレイの明るさを連動させることができるアンプコントロール端子を装備。AV 10は2系統のアンプコントロール端子を装備しているため、本機を2台同時に接続することができる。また、AV 10とAMP 10の接続はアースループを作らないグラウンド・フローティング接続とし、音質への悪影響を抑えている。

Class D方式のパワーアンプを採用したのは、従来のアナログアンプでは困難であった大出力、多チャンネル、そして高音質なパワーアンプを設置しやすいサイズの筐体に収めるという課題を解決するため。使用するパーツの品種や定数だけに止まらず、回路構成までもマランツが独自にカスタマイズした専用設計のClass Dアンプモジュールを搭載している。部品の選定においては、サウンドマスターと音質担当エンジニアによる試作、試聴が繰り返され、AMP 10のパフォーマンスを最大限に引き出せるようメルフ抵抗や薄膜抵抗、コイル、コンデンサーなど、多くの高品位なパーツを厳選したという。

アンプモジュールの構造とHDAM-SA2レイアウト

シグナルパスも最適化

なお、マランツのホームシアター向けのマルチチャンネルパワーアンプにClass Dアンプが採用されるのは初めて。しかし、「PM-10」や「MODEL 30」などのステレオプリメインアンプを始めとする、様々な製品でClass D方式のアンプを採用しており、その回路設計や音質チューニングについて蓄積してきたノウハウを本機にも活かしたという。世界の様々な有名メーカーのモジュールから厳選した結果、今回はアイスパワー(ICEpower)製のものをベースに様々なカスタマイズを行い高音質化を図っている。

特に、AMP 10においてはパワーアンプへの電源の入力および、パワーアンプの出力からスピーカー端子までの経路にワイヤーを使用せず、真鍮製のバスバーを採用。これにより、大電流をハイスピードに伝えることが可能になり、組み立て精度のばらつきによって起こるチャンネル間のわずかな音色の差異も排除することができたとしている。

大電流専用のバスバーとカッパースクリューを採用

このパワーアンプモジュールは、日本国内の自社工場「白河オーディオワークス」において製造。基板へのパーツの実装から製品への組み込みまでを一貫して行うことにより、優れた品質と安定したパフォーマンスを実現したとアピールしている。

試作段階のモジュール(右)との比較。配線など細部に至るまでブラッシュアップされている

内部レイアウトも試作段階からブラッシュアップ

■Class Dアンプ回路と入力段のそれぞれに専用の電源回路を用意



バイアンプドライブおよびBTL接続に対応し、パワーアンプ回路は2chごとにモジュール化。すべてのモジュールを同一構成、同一クオリティとすることで、チャンネルごとの音色、特性のばらつきがないように配慮している。また、モジュールごとにリアパネル上のスイッチでノーマル、バイアンプ、BTLの各モードを切り替えることが可能。

独自のディスクリート高速アンプモジュール「HDAM-SA2」採用

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