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公開日 2017/02/23 10:00
独自システムがもたらした小型軽量・低価格化

エプソンなら4K相当/HDRの大画面が手に届く。液晶プロジェクター「EH-TW8300W」を徹底レビュー

鴻池賢三

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「4K」の登場でプロジェクター市場も盛り上がりを見せている。4Kは、既存のフルHDユーザーに対して買い替えの大きな動機になるのはもちろん、液晶テレビで高精細映像に興味を持った新たなユーザーから、「美しい映像をより大画面で楽しみたい」、という声も聞こえて来る。

とは言え、一般家庭での場合、製品の絶対的な価格は無視できない条件。そこで注目したいのが、本機「EH-TW8300W」である。実売価格は400,000円前後と、現存する4K/HDR対応モデルの中では破格。どちらかと言えばフルHDモデルに近い価格設定であり、多くのユーザーにとって魅力に映るだろう。

EH-TW8300W

今回は、実際にEH-TW8300Wを編集部の視聴室に設置し、使い勝手から画質まで、徹底的に検証を行った。手に届く4Kプロジェクターの実力はいかに?

独自システムにより小型軽量化と低価格を実現

エプソンでは、レーザー光源を採用したハイエンドモデル「EH-LS10500」をラインナップするが、実売価格も80万円と豪級だ。対するEH-TW8300Wは、HDMI映像信号を無線伝送できる機能性を備えつつ、その半額以下と値頃感が高い。無線伝送機能を省いたEH-TW8300なら、実売価格ベースでさらに3万円程度安価に入手できる。4Kプロジェクターも、もはや特殊な存在ではなくったと言えるだろう。

肝心の映像デバイスは、0.74型1,920×1,080画素のポリシリコンTFT液晶パネルを3枚備える透過タイプの3LCD方式で、新開発の「4Kエンハンスメントデバイス」を用い、画素を縦横に0.5画素づつシフト。同一フレームで2枚の映像を重ねることで4K解像度を実現している。エプソンが得意な3LCD技術をベースとした独自のシステムで、本機がフルHD機に近い小型軽量化と価格を実現できた理由と言える。

HDMI入力は本体背面に2系統、「WirelessHDトランスミッター」に4系統を備え、いずれも4K/HDR/HDCP2.2に対応する最新仕様。従来からの「Wireless HD」という名称を引き継ぐが、4:4:4(12bit)の入力が可能で、4:2:2(12bit)でワイヤレス伝送できる。4:4:4(12bit)入力の際は圧縮されることになるが、EH-TW8300本体から最終的に出力されるのは4:2:2(10bit)なので、クオリティー面での心配は無く、正真正銘の4K伝送と言って良いだろう。

本体は背面に端子部を搭載。HDMI2系統、ミニD-Sub15pin1系統の映像入力を装備するほか、LAN端子も備える

「WirelessHDトランスミッター」を利用したワイヤレス接続により、部屋中にケーブルを引き回すことなくプロジェクターが設置できる

ほか、レンズは電動制御の2.1倍ズーム&上下96%/左右47%ものワイドなシフトが可能。また、映像の明るさはカラー/全白ともに最大2,500lmと明るく、設置場所を選ばないのもエプソン流のこだわりだ。

脚部は回転させることで高さ調整が可能。レンズシフトに加えて、微細な調整が行える

3Dへの対応も強力で、ロックが外れにくく実用的なBluetooth接続を採用し、3Dメガネも1個同梱している。更なる光出力のブラッシュアップで、3D映像の体験向上も期待できる。

ワイヤレスの設置性、画質をチェック

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