トップページへ戻る

レビュー

HOME > レビュー > レビュー記事一覧

公開日 2019/09/13 06:15
驚くべきスピーカー制動力

“小は大を兼ねる”プリメインアンプ。Hypex Ncoreモジュール採用、ティアック「AX-505」を聴く

角田郁雄

前のページ 1 2 3 次のページ

ティアック「AX-505」は、ハイエンドクラスの製品でも採用例の多いHypex社のクラスDアンプモジュールを採用したコンパクトなプリメインアンプだ。オーディオ評論家の角田郁雄氏が、このAX-505の魅力を分析する。

TEAC「AX-505」¥OPEN(予想実売価格148,000円前後)

505シリーズに登場したコンパクトなプリメインアンプ

オーディオの世界では、コンポーネント機器全般において、「“大は小を兼ねる”が、“小は大を兼ねる”とは言い難い」と言われ続けてきた。しかし、半導体の飛躍的な進化と技術者の豊富な経験により、このようなたとえが覆される時代となった。

ハイレゾが普及し始めた頃、それを実感させる製品が登場した。ティアックのUSB-DAC「UD-501」だ。同社のオープンリール・テープレコーダーの操作部を彷彿とさせる、精密感に溢れたフロントパネル。操作ツマミにも品位があった。しかもA4サイズとコンパクトで、そのデザインゆえに、オーディオラックのみならず、リビングのサイドテーブルの上にMac Bookと一緒に置いても絵になる。音質も実にダイナミックレンジが広く、高密度だった。UD-501は予想どおり、ヒットモデルとなった。

501シリーズは現在、505シリーズへと発展。USB-DAC/ヘッドフォンアンプ「UD-505」や、ネットワークプレーヤー「NT-505」がラインナップされている。並行して同社は、さらなる音質向上とオーディオの楽しさをユーザーに体験させるために、10MHzクロックジェネレーター「CG-10M」まで用意した。

2019年には、505シリーズにクラスD方式を採用したアナログ入力専用のアンプ2機種、インテグレーテッドアンプ(プリメインアンプ)「AX-505」とパワーアンプ「AP-505」が加わった。先行してAP-505のレビューをお届けしたが、今回はAX-505を取り上げる。

「AX-505」(ブラック)

「AX-505」(シルバー)

AX-505の機能は、コンパクトながら実に豊富だ。アナログ入力としてRCA入力3系統、バランス入力1系統を装備し、高品位なヘッドホンアンプも搭載する。フロントパネルには、同社のテープレコーダーを彷彿とさせるアナログメーターを装備している。

背面端子部

私なら、ネットワークプレーヤー NT-505と、クロックジェネレーター CG-10Mを組み合わせて、505シリーズ専用のスリムな3段ラックを自作して美しく整然と並べたくなる。いや、ラックは4段にして、ハイレゾ音源を記録したCDも再生できるCDトランスポート「PD-501HR-SE」を加えるのもいいだろう。


Hypex製のカスタム・クラスDアンプモジュールを採用

さて、AX-505で注目されることは、このサイズでありながらも90W/8Ω、130W/4Ωという高出力を実現することである。搭載する出力段は、AP-505と同じく、オランダ Hypex社のクラスDアンプ・モジュール「Ncore」である。

ティアックは、AP-505に至るまでもクラスDアンプの実績を重ね、ネットワークCDアンプ「NR-7CD」やプリメインアンプ「AI-503」ではB&O傘下のIcePowerによるクラスDアンプ・モジュールを採用してきた。

ではなぜAP-505やAX-505では、HypexのNcoreを搭載したのであろうか。それは、ティアックの技術と音質が反映できるカスタムメイドのクラスDモジュールを、Hypexと共同開発することができたからだ。従って、本機のNcoreの基板には「TEAC」とプリントされている。ちなみにNcoreは世界的にも高く評価されており、海外のハイエンド・ブランドでは、米ジェフローランドやオランダ Mola Molaなどが積極的に採用している。

プリ部にも注力する

前のページ 1 2 3 次のページ

関連リンク

新着クローズアップ

クローズアップ

アクセスランキング RANKING
1 ソニー、第2世代フラグシップ・ミラーレス一眼「α1 II」。画質、操作性を着実に強化
2 オーディオファイル待望の物量投入型プリメインアンプ!デノン「PMA-3000NE」をクオリティチェック
3 目黒蓮を“もっとそばに”感じられる特別イベント。「レグザミュージアム〜The 6 STORIES〜」11/21から原宿で開催
4 ボーズ、McIntosh Groupを買収。マッキントッシュ、ソナス・ファベールが傘下に
5 ビックカメラ.com、「2025年新春福箱」の抽選申し込み開始。全66種類、iPadやPS5も登場
6 覚えておくと絶対便利!iPhoneの「計測」アプリでできる、あんなことこんなこと
7 ビクター「HA-A6T」レビュー!5000円切り完全ワイヤレスイヤホンは「価格を上回るクオリティ」
8 高音質と機能性を両立する新たなスタンダード機!AVIOTのANC完全ワイヤレス「TE-V1R」レビュー
9 Meze Audioが打ち出す待望の入門モデル。開放型ヘッドホン「105 AER」&イヤホン「ALBA」の音質に迫る
10 新開発ユニットを巧みに操る懐深いサウンド。ELAC「Debut 3.0」フロア型/ブックシェルフ型を聴く
11/21 10:37 更新

WEB