公開日 2020/11/10 15:00
シリーズ最強カメラや大きさなどを総チェック
iPhone 12 Pro Max/iPhone 12 miniレビュー。最大と最小モデル、それぞれの魅力
山本敦
アップルがこの秋に発表した、新たなスマートフォン「iPhone 12シリーズ」4モデル。先行してiPhone 12/iPhone 12 Proの2機種が発売されたが、“第2グループ”として、6.7インチの「iPhone 12 Pro Max」と、5.4インチの「iPhone 12 mini」が11月13日に発売する。
発売前に、iPhone 12 Pro Maxと12 miniをひと足はやく試すことができた。そのファーストインプレッションをご報告しよう。
■やっぱり大きかった!iPhone 12 Pro Max
iPhone 12 Pro Maxは、6.7インチのSuper Retina XDR有機ELディスプレイを搭載する「iPhone史上最大」の5Gスマホだ。6.1インチのiPhone 12 Proと並べてみると画面サイズの迫力が伝わるだろうか。
iPhone 12シリーズでは、エッジを立たせたシャープなデザインに変わっている。先にiPhone 12 Proのハンズオンレポートでも伝えたとおり、グリップ感がとても良く、手に持つと安定する。ただ画面が大きいので、さすがに筆者も片手では画面の隅まで指を伸ばしても届かない。装着するケースによってホールド感も変わるだろう。したがって、iPhone 12 Pro Maxは両手持ち操作が基本スタイルになりそうだ。
ちなみに筆者は今年、iPhone 12 Pro Maxを購入した。最大画面サイズによるモバイルシアター体験を味わいたかったことと、4つのiPhone 12シリーズの中で最も高機能なカメラに惹かれたからだ。
■iPhone 12シリーズ最強のカメラを備えるMax
iPhone 12 Proシリーズは、トリプルレンズカメラとLiDARスキャナを搭載している。iPhone 12 ProとPro Maxとの違いのひとつは、望遠カメラの仕様だ。
iPhone 12 Pro Maxには、65mm相当の2.5倍光学ズームに対応した望遠カメラが搭載されている。一方のiPhone 12 Proは52mm相当の2倍光学ズームだ。0.5倍の差とは言え、iPhone 12 Pro Maxの方が、被写体により近づける手応えがある。望遠側での絞り値はMaxの方がわずかに暗いが、撮れる写真には大きな出来映えの差は感じられない。
メインとなる広角カメラのイメージセンサーは、iPhone 12 Pro MaxがiPhone 12 Proより47%大きいものを搭載している。ピクセルサイズでいうと、iPhone 12 Proの1.4μmに対して、iPhone 12 Pro Maxの方が1.7μmと少し大きい。各センサーが取り込める光の量が増えるので、静止画の写りには差が表れる。
一般的には大きいセンサーのほうがダイナミックレンジが広く、暗所のノイズも少ない。曇天の昼間に撮影したブロンズ像の写真を見比べてみると、iPhone 12 Pro Maxの方がやや像の陰影に立体感があるし、色に温かみが乗っている。iPhone 12 Proの写真は、どちらかと言えばあっさりとした色合いに仕上がった印象だ。
夜間のイルミネーションを撮り比べると、iPhone 12 Pro Maxの写真は明部のピークを飛ばさず持ちこたえた。中間階調の情報量も豊富だ。明暗のコントラストによる立体感が、自然な雰囲気を引き立たせている。これもセンサーの大型化による効果だろう。
■センサーシフト光学式手ぶれ補正は確かな効果あり
iPhone 12 Proには、毎秒5,000回の調整を行いながら7枚構成のレンズ群の一部を動かして手ぶれを防ぐ「デュアル光学式手ぶれ補正」が搭載されている。かたやiPhone 12 Pro Maxには、広角カメラのイメージセンサーをシフトさせて手ぶれを防ぐ「センサーシフト光学式手ぶれ補正」がある。高級なデジタル一眼やビデオカメラなどが搭載している技術を、iPhoneとして初めて採用した。
iPhone 12 ProとiPhone 12 Pro Maxで動画を撮り比べてみる。手元に近い被写体を撮ると、iPhone 12 Pro Maxでは小刻みなカメラの揺れが抑えられている。遠景を撮影してみても、iPhone 12 Pro Maxの動画はフレーム全体の揺れが気になりにくい。だがその差は劇的に感じられるほどではない。iPhone 12 Proが搭載するデュアル光学式手ブレ補正がもともと優秀ということもあるだろう。
■AirPods Proの「空間オーディオ」と相性抜群の大画面
iPhone 12シリーズのカメラがHDRビデオの撮影に対応していることについては前回のレビューでも触れている。iPhone 12 ProシリーズのHDRビデオ撮影性能はほぼ共通なので、ここでは詳細を割愛するが、iPhone 12 Pro Maxの場合、自ら撮影したHDRビデオを6.7インチの大画面で再生できる。あたかもビデオを撮影した場所と時間を再体験できるような臨場感は、やはりMaxならではといえる魅力だ。
iPhone 12 ProでApple TV+のオリジナル映像作品を視聴してみた。AirPods Proによる「空間オーディオ」を組み合わせて観る迫力は、本格モバイルシアターの領域に到達している。これは素直に楽しい。これまで慣れ親しんだ片手持ち操作の安心感を捨て、「最大画面サイズのiPhone」を選んだ自分の選択は正しかったようだ。
筆者も40代半ばを過ぎてから、視力が全体的に衰えてきたので、ウェブブラウジングや動画を楽しむなら、画面の大きなスマホが楽に感じるようになった。iPhone 12 Pro Maxは本体がIP68相当の防塵・防水対応なので、入浴中に電子書籍を読むときにも使い倒せそうだ。
発売前に、iPhone 12 Pro Maxと12 miniをひと足はやく試すことができた。そのファーストインプレッションをご報告しよう。
■やっぱり大きかった!iPhone 12 Pro Max
iPhone 12 Pro Maxは、6.7インチのSuper Retina XDR有機ELディスプレイを搭載する「iPhone史上最大」の5Gスマホだ。6.1インチのiPhone 12 Proと並べてみると画面サイズの迫力が伝わるだろうか。
iPhone 12シリーズでは、エッジを立たせたシャープなデザインに変わっている。先にiPhone 12 Proのハンズオンレポートでも伝えたとおり、グリップ感がとても良く、手に持つと安定する。ただ画面が大きいので、さすがに筆者も片手では画面の隅まで指を伸ばしても届かない。装着するケースによってホールド感も変わるだろう。したがって、iPhone 12 Pro Maxは両手持ち操作が基本スタイルになりそうだ。
ちなみに筆者は今年、iPhone 12 Pro Maxを購入した。最大画面サイズによるモバイルシアター体験を味わいたかったことと、4つのiPhone 12シリーズの中で最も高機能なカメラに惹かれたからだ。
■iPhone 12シリーズ最強のカメラを備えるMax
iPhone 12 Proシリーズは、トリプルレンズカメラとLiDARスキャナを搭載している。iPhone 12 ProとPro Maxとの違いのひとつは、望遠カメラの仕様だ。
iPhone 12 Pro Maxには、65mm相当の2.5倍光学ズームに対応した望遠カメラが搭載されている。一方のiPhone 12 Proは52mm相当の2倍光学ズームだ。0.5倍の差とは言え、iPhone 12 Pro Maxの方が、被写体により近づける手応えがある。望遠側での絞り値はMaxの方がわずかに暗いが、撮れる写真には大きな出来映えの差は感じられない。
メインとなる広角カメラのイメージセンサーは、iPhone 12 Pro MaxがiPhone 12 Proより47%大きいものを搭載している。ピクセルサイズでいうと、iPhone 12 Proの1.4μmに対して、iPhone 12 Pro Maxの方が1.7μmと少し大きい。各センサーが取り込める光の量が増えるので、静止画の写りには差が表れる。
一般的には大きいセンサーのほうがダイナミックレンジが広く、暗所のノイズも少ない。曇天の昼間に撮影したブロンズ像の写真を見比べてみると、iPhone 12 Pro Maxの方がやや像の陰影に立体感があるし、色に温かみが乗っている。iPhone 12 Proの写真は、どちらかと言えばあっさりとした色合いに仕上がった印象だ。
夜間のイルミネーションを撮り比べると、iPhone 12 Pro Maxの写真は明部のピークを飛ばさず持ちこたえた。中間階調の情報量も豊富だ。明暗のコントラストによる立体感が、自然な雰囲気を引き立たせている。これもセンサーの大型化による効果だろう。
■センサーシフト光学式手ぶれ補正は確かな効果あり
iPhone 12 Proには、毎秒5,000回の調整を行いながら7枚構成のレンズ群の一部を動かして手ぶれを防ぐ「デュアル光学式手ぶれ補正」が搭載されている。かたやiPhone 12 Pro Maxには、広角カメラのイメージセンサーをシフトさせて手ぶれを防ぐ「センサーシフト光学式手ぶれ補正」がある。高級なデジタル一眼やビデオカメラなどが搭載している技術を、iPhoneとして初めて採用した。
iPhone 12 ProとiPhone 12 Pro Maxで動画を撮り比べてみる。手元に近い被写体を撮ると、iPhone 12 Pro Maxでは小刻みなカメラの揺れが抑えられている。遠景を撮影してみても、iPhone 12 Pro Maxの動画はフレーム全体の揺れが気になりにくい。だがその差は劇的に感じられるほどではない。iPhone 12 Proが搭載するデュアル光学式手ブレ補正がもともと優秀ということもあるだろう。
■AirPods Proの「空間オーディオ」と相性抜群の大画面
iPhone 12シリーズのカメラがHDRビデオの撮影に対応していることについては前回のレビューでも触れている。iPhone 12 ProシリーズのHDRビデオ撮影性能はほぼ共通なので、ここでは詳細を割愛するが、iPhone 12 Pro Maxの場合、自ら撮影したHDRビデオを6.7インチの大画面で再生できる。あたかもビデオを撮影した場所と時間を再体験できるような臨場感は、やはりMaxならではといえる魅力だ。
iPhone 12 ProでApple TV+のオリジナル映像作品を視聴してみた。AirPods Proによる「空間オーディオ」を組み合わせて観る迫力は、本格モバイルシアターの領域に到達している。これは素直に楽しい。これまで慣れ親しんだ片手持ち操作の安心感を捨て、「最大画面サイズのiPhone」を選んだ自分の選択は正しかったようだ。
筆者も40代半ばを過ぎてから、視力が全体的に衰えてきたので、ウェブブラウジングや動画を楽しむなら、画面の大きなスマホが楽に感じるようになった。iPhone 12 Pro Maxは本体がIP68相当の防塵・防水対応なので、入浴中に電子書籍を読むときにも使い倒せそうだ。