公開日 2021/05/14 06:30
【特別企画】尖った機能性と堅実さを併せ持つ
攻めたギミック、納得の完成度!Astell&Kernのモジュール式DAP「A&futura SE180」レビュー
高橋 敦
Astell&Kernは、DAP分野のトレンドの中心的存在でありながら、それと同時に、時おりトレンドお構いなしの “攻め攻め”な製品も発表してきたブランドだ。例えば、巨躯と引き換えに圧倒的パワーを得た「KANN CUBE」や、特色の異なる2系統のDAC回路/アンプ回路を任意に切り替えられるマルチDACモデル「A&futura SE200」(以下、SE200)がそれにあたる。
それらはいわば、ロボットアニメでいう「実験的な試作機」っぽい魅力と役割を備えており、たとえそれ自体が主流にならずとも、発想や技術が後続モデルに影響を与えたりする。KANN CUBEがあってこそ、そのコンセプトを実用サイズにまとめた「KANN ALPHA」が生まれたわけだ。
そして今回、マルチDACモデルのSE200の血を受け継いで生まれたのが「A&futura SE180」(以下、SE180)。SE180ではDAC&アンプを自在に交換可能なモジュール構造を採用することで、2種にとどまらず、より一層豊富なサウンドカスタマイズの可能性を提案するモデルとなっている。
■音質を徹底強化し、さらに装着の安定性も兼ね備えたモジュール構造
DACやアンプの「基板」を交換できる構造はこれまでにも存在するが、SE180が採用したモジュール構造は、基板そのものを交換する方式と比べていくつかの優位性を持つ。ひとつは、音声信号を処理するピュアなオーディオ部分と操作系統を制御するスマートフォン的なシステム要素との物理的な分離をより万全にできること。もうひとつは交換作業の容易さと安全性だ。
剥き出しの基板を交換する方式では破損の不安が拭えないが、SE180のモジュールは強固な外殻で保護されており見るからに安心。「ダブルロック機構」のおかげで装着後の安定性にも不安はない。
さらにモジュールは、DAC/アンプはじめオーディオの主要回路を一体化したサウンドソリューション「TERATON ALPHA」としてまとめ上げられている。その名前からは、Astell&Kernの技術提供によって生まれたDAP「ACTIVO CT10」(以下、CT10)が内蔵していたオーディオモジュール「TERATON」が思い起こされる。その発想や開発において得られた技術的成果も、TERATON ALPHAに引き継がれていることだろう。
現時点でSE180専用モジュールのラインナップは、本体付属の「SEM1」と別売オプション「SEM2」の2種類。SEM1のDAC部はESS製「ES9038PRO」のシングル、SEM2はAKM製「AK4497EQ」の左右独立デュアル構成となっている。音源の再生可能上限スペックに違いはあるが、出力端子は共通して3.5mmアンバランス/2.5&4.4mmバランスの3種類をフル搭載している。
また同社製DAPの最新世代として、操作性などベーシックな部分の強化も図られている。画面下部には最小限の曲情報と操作要素を常に固定表示する「ナビゲーションバー」を新たにレイアウト。さっと前の画面に戻れる「ワンスワイプ」操作や、押す回数に応じて再生/停止や曲送り/戻しをコントロールする「マルチファンクションボタン」も採用し、全体的によりスマホライクな操作感となった。
ディスプレイは1,980×1,080のフルHDとなり、アートワークなど視覚要素も一段と充実。ワイヤレス機能としては、PC等からWi-Fiでの音源伝送を実現する「AK File Drop」、Bluetoothレシーバー機能「BT Sink」を新たに搭載し、利便性もさらに増している。
それらはいわば、ロボットアニメでいう「実験的な試作機」っぽい魅力と役割を備えており、たとえそれ自体が主流にならずとも、発想や技術が後続モデルに影響を与えたりする。KANN CUBEがあってこそ、そのコンセプトを実用サイズにまとめた「KANN ALPHA」が生まれたわけだ。
そして今回、マルチDACモデルのSE200の血を受け継いで生まれたのが「A&futura SE180」(以下、SE180)。SE180ではDAC&アンプを自在に交換可能なモジュール構造を採用することで、2種にとどまらず、より一層豊富なサウンドカスタマイズの可能性を提案するモデルとなっている。
■音質を徹底強化し、さらに装着の安定性も兼ね備えたモジュール構造
DACやアンプの「基板」を交換できる構造はこれまでにも存在するが、SE180が採用したモジュール構造は、基板そのものを交換する方式と比べていくつかの優位性を持つ。ひとつは、音声信号を処理するピュアなオーディオ部分と操作系統を制御するスマートフォン的なシステム要素との物理的な分離をより万全にできること。もうひとつは交換作業の容易さと安全性だ。
剥き出しの基板を交換する方式では破損の不安が拭えないが、SE180のモジュールは強固な外殻で保護されており見るからに安心。「ダブルロック機構」のおかげで装着後の安定性にも不安はない。
さらにモジュールは、DAC/アンプはじめオーディオの主要回路を一体化したサウンドソリューション「TERATON ALPHA」としてまとめ上げられている。その名前からは、Astell&Kernの技術提供によって生まれたDAP「ACTIVO CT10」(以下、CT10)が内蔵していたオーディオモジュール「TERATON」が思い起こされる。その発想や開発において得られた技術的成果も、TERATON ALPHAに引き継がれていることだろう。
現時点でSE180専用モジュールのラインナップは、本体付属の「SEM1」と別売オプション「SEM2」の2種類。SEM1のDAC部はESS製「ES9038PRO」のシングル、SEM2はAKM製「AK4497EQ」の左右独立デュアル構成となっている。音源の再生可能上限スペックに違いはあるが、出力端子は共通して3.5mmアンバランス/2.5&4.4mmバランスの3種類をフル搭載している。
また同社製DAPの最新世代として、操作性などベーシックな部分の強化も図られている。画面下部には最小限の曲情報と操作要素を常に固定表示する「ナビゲーションバー」を新たにレイアウト。さっと前の画面に戻れる「ワンスワイプ」操作や、押す回数に応じて再生/停止や曲送り/戻しをコントロールする「マルチファンクションボタン」も採用し、全体的によりスマホライクな操作感となった。
ディスプレイは1,980×1,080のフルHDとなり、アートワークなど視覚要素も一段と充実。ワイヤレス機能としては、PC等からWi-Fiでの音源伝送を実現する「AK File Drop」、Bluetoothレシーバー機能「BT Sink」を新たに搭載し、利便性もさらに増している。
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