公開日 2021/12/14 06:30
【特別企画】オーディオアクセサリー銘機賞 グランプリ受賞
徹底したノイズ対策、主役に比肩する電源ボックス。オーディオリプラス「STP-6」の音を審査員が語る
福田雅光/井上千岳/林 正儀/炭山アキラ/生形三郎
オーディオリプラスより、特殊合金削り出しのボディを採用、ノイズ誘導構造も複層化された電源ボックス「STP-6」が登場。オーディオアクセサリー銘機賞グランプリに輝いた! 投入された素材や徹底的にこだわった設計・製造、そしてその音を知ると極めて高い説得力を持つこのモデル、複数の評論家に感銘をもたらしたレポートをお届けしよう。
■電源ボックスは裏方か?オーディオの舞台を支える要(福田)
オーディオリプラスの「STP-6」を試用する。電源ボックスとしては次元を超える性能に感激するが、それにしても121万円という価格を知れば仰天する人は少なくない。オーディオシステムの主役はCDプレーヤー、プリアンプやパワーアンプ、そしてスピーカーが務めている。オーディオリプラスは、これと肩を並べる製品を送り込んできた。
電源ボックスは電源分配機能を目的にする一種の裏方という存在と考えられていたから、本末転倒との声が出てくるのは不思議ではない。しかしである。これはバカげた話なのだろうか、と翌朝考えてみた。ハイエンドの世界で舞台を支えている電源供給経路の要になっているのはどこなのか。これは例えば、パワーアンプを100万円から200万円にグレードアップしても得られない作用を発揮することに重要な意味がある。高額アップグレードに投資しても、限界があることを内心考えていた。
テストの方法は、筆者現用の電源ボックスに接続していたアキュフェーズのパワーアンプ「A-75」、ラックスマンのプリアンプ「C-700u」とそこに接続していた電源コンディショナーも合わせ、同じ接続条件で比較する。
純度を高め、すっきりピュアに高域特性を拡大、S/Nは飛躍的に改善される。また、歪み感が減少、音楽の襞(ひだ)がさらに克明に見えるようになった。音の純度は窓ガラスをクリーニングしたように透き通り、遠くまで爽やかに見えるようである。声楽は遠近感とステージ空間の広がりが爽やかに広がる。
強烈な低音の躍動部分を持つケイコ・リーのアルバムでは、インパクトの強い低域に余分な膨らみがなく、分解力は高く、エネルギーが引き締まっている。重低音まで文句のつけようがない。ヴォーカル音像は飛び出してくるようだ。音離れの良さが一層リアリティを高める。
■徹底したノイズ対策を施し、極めて説得力のある音を実現
STP-6の基本設計は19年前に開発、部材を一新して改良強化したものである。シャーシは特殊合金ブロックから複雑な構造を切削加工。表面は高硬度処理。コストの大半はこの材料と加工に使われていることが理解できる。ここにコンセントを取りつけるだけでも優れた性能が得られそうだ。
だが、大きな目的は徹底したノイズ環境への対策である。フィルター素子を使わない「誘導フィルター」と呼ばれる構造で対策しているのが特徴になる。内部配線はルテニウムメッキされた高純度OFC(被覆は誘電率の低い高純度なテフロン)でシグネチャーナノクライオ処理が施されている。いかに高周波ノイズを排除するか。ワイヤーは内部で2種類の特殊金属パウダー内を経由することでノイズを減衰させる。さらにシャーシ貫通穴を通過する効果で性能を高めている。
組み立て、配線は性能にばらつきが発生するため、人任せにしていない。一貫したポリシーで、最高の性能が発揮されるよう徹底されている。なお、ルテニウムは米PADが合金素材の一部として採用、半導体の表層にも採用されているという。ルテニウムによって伝達速度が大きく改善できること、またそれには量子ノイズが関係していることが、明らかになっている。
オーディオリプラスはあらゆる情報を研究、実験して理想を追求、その集大成が「STP-6」ということになる。その性能はテストすると極めて説得力のあるものである。高額であるが、この構造設計や性能から考えれば安いという見方があっても不思議ではない。
■電源ボックスは裏方か?オーディオの舞台を支える要(福田)
オーディオリプラスの「STP-6」を試用する。電源ボックスとしては次元を超える性能に感激するが、それにしても121万円という価格を知れば仰天する人は少なくない。オーディオシステムの主役はCDプレーヤー、プリアンプやパワーアンプ、そしてスピーカーが務めている。オーディオリプラスは、これと肩を並べる製品を送り込んできた。
電源ボックスは電源分配機能を目的にする一種の裏方という存在と考えられていたから、本末転倒との声が出てくるのは不思議ではない。しかしである。これはバカげた話なのだろうか、と翌朝考えてみた。ハイエンドの世界で舞台を支えている電源供給経路の要になっているのはどこなのか。これは例えば、パワーアンプを100万円から200万円にグレードアップしても得られない作用を発揮することに重要な意味がある。高額アップグレードに投資しても、限界があることを内心考えていた。
テストの方法は、筆者現用の電源ボックスに接続していたアキュフェーズのパワーアンプ「A-75」、ラックスマンのプリアンプ「C-700u」とそこに接続していた電源コンディショナーも合わせ、同じ接続条件で比較する。
純度を高め、すっきりピュアに高域特性を拡大、S/Nは飛躍的に改善される。また、歪み感が減少、音楽の襞(ひだ)がさらに克明に見えるようになった。音の純度は窓ガラスをクリーニングしたように透き通り、遠くまで爽やかに見えるようである。声楽は遠近感とステージ空間の広がりが爽やかに広がる。
強烈な低音の躍動部分を持つケイコ・リーのアルバムでは、インパクトの強い低域に余分な膨らみがなく、分解力は高く、エネルギーが引き締まっている。重低音まで文句のつけようがない。ヴォーカル音像は飛び出してくるようだ。音離れの良さが一層リアリティを高める。
■徹底したノイズ対策を施し、極めて説得力のある音を実現
STP-6の基本設計は19年前に開発、部材を一新して改良強化したものである。シャーシは特殊合金ブロックから複雑な構造を切削加工。表面は高硬度処理。コストの大半はこの材料と加工に使われていることが理解できる。ここにコンセントを取りつけるだけでも優れた性能が得られそうだ。
だが、大きな目的は徹底したノイズ環境への対策である。フィルター素子を使わない「誘導フィルター」と呼ばれる構造で対策しているのが特徴になる。内部配線はルテニウムメッキされた高純度OFC(被覆は誘電率の低い高純度なテフロン)でシグネチャーナノクライオ処理が施されている。いかに高周波ノイズを排除するか。ワイヤーは内部で2種類の特殊金属パウダー内を経由することでノイズを減衰させる。さらにシャーシ貫通穴を通過する効果で性能を高めている。
組み立て、配線は性能にばらつきが発生するため、人任せにしていない。一貫したポリシーで、最高の性能が発揮されるよう徹底されている。なお、ルテニウムは米PADが合金素材の一部として採用、半導体の表層にも採用されているという。ルテニウムによって伝達速度が大きく改善できること、またそれには量子ノイズが関係していることが、明らかになっている。
オーディオリプラスはあらゆる情報を研究、実験して理想を追求、その集大成が「STP-6」ということになる。その性能はテストすると極めて説得力のあるものである。高額であるが、この構造設計や性能から考えれば安いという見方があっても不思議ではない。
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