トップページへ戻る

レビュー

HOME > レビュー > レビュー記事一覧

公開日 2022/07/30 07:00
AI解析によるクリアな通話音声も特徴

Googleの完全ワイヤレス「Pixel Buds Pro」レビュー。強力すぎるノイキャンとマイク性能

山本 敦

前のページ 1 2 次のページ

グーグルのイヤホン「Pixel Buds」シリーズに、初のアクティブノイズキャンセリング機能を搭載するフラグシップモデル「Google Pixel Buds Pro」が登場した。

グーグル純正のワイヤレスイヤホン「Google Pixel Buds Pro」

本機の気になる音質、ノイズキャンセリングの性能、そして「グーグルのイヤホンらしさ」が感じられるポイントに注目しながら実機をレポートしよう。

グーグルのカスタム設計によるチップ&ドライバーを搭載



グーグルは昨年に発売した純正スマートフォン「Google Pixel 6」シリーズから、自社で設計したシステムオンチップ(SoC)である「Tensor(テンサー)」を搭載。また機械学習による言語認識処理を活かしたリアルタイム翻訳とテキスト起こし、Googleアシスタントによる音声入力など、 “グーグルならでは” と言える便利な機能をさらに進化させた。

Pixel Buds Proにもカスタム設計によるオーディオチップが搭載され、ANC機能を制御する独自アルゴリズムやドライバーの駆動を制御する。グーグルはこのチップに6つのコアがあるとしているが、その詳細な構成やOEMベンダーについては説明していない。スマホのTensorのように特別な名称も付けていない。

グーグルが独自に設計を起こしたオーディオチップを搭載する

イヤホンには11mm口径のダイナミックドライバーが採用されている。ハウジングは密閉型。イヤホン片側の質量は6.2gだが、耳に挿入するノズル側に比重を寄せたことで装着時の負担を軽減した。

BluetoothオーディオのコーデックはAAC/SBCをサポート。LE Audioへのアップデートによる対応は予定していない。

価格は23,800円(税込)で、4色のカラーバリエーションが揃う。Google Pixelシリーズを含むAndroid 6.0以上のスマホと最も相性の良いワイヤレスイヤホンだが、もちろんiPhoneやPCとも接続できるし、Bluetoothオーディオに対応したAndroid TVデバイスとも組み合わせられる。

Pixel 6aのチャコールと。濃淡の異なるグレーによるツートンカラーとした

ただしAndroidスマホ以外のデバイスでは、グーグル翻訳アプリを介したリアルタイム翻訳をイヤホンから呼び出せなかったり、使える機能は一部制限される。

重心が低く安定したサウンド



リスニングを始める前に、Android 6.0以上のスマホと組み合わせた場合に利用できる「イヤーチップのフィット感の確認」を済ませた。グーグル独自のアルゴリズムによる「Silent Seal(サイレントシール)」技術でノイズキャンセリング効果を最大化するためにも、ユーザーの耳の形に合ったイヤーチップを選び、イヤホンが正しく耳に装着できているかを確認しておきたい。

デバイスの詳細設定から「イヤーチップのフィット感の確認」を実行。20秒ほどで装着状態を測定する

イヤーチップはパッケージにS/M/Lの3サイズが同梱されている。イヤホンはノズルの口が大きく高さが低いため、一般的なイヤーチップとの交換が難しい。最良の遮音効果を得るためにも基本的には純正品を使う方が望ましいだろう。

3つのサイズのイヤーチップを同梱。ノズルが太く背丈が低いため、専用イヤーチップを使う必要がある

Pixel Buds Proのサウンドは、同日に発売されたPixel 6aと組み合わせて、Amazon Musicの楽曲をチェックした。

上原ひろみの『Silver Lining Suite』から「Fortitude」は、楽曲冒頭のピアノの重低音をどっしりと響かせる。音の輪郭線をボールドに描く。重心が低く安定したサウンドだ。

弦楽四重奏の旋律が曖昧にならず、それぞれの音色がきれいにほぐれる。ピアノと弦楽器によるダイナミックで緊張感あふれる演奏が押し寄せてくる。音場もそこそこに広いが、音の熱量を高めて、ドンと束にしてぶつけてくるような音づくりが特徴的なイヤホンだ。高いANC効果により演奏に深く没入できる楽しさもある。

Pixel 6aとペアリングして音質を確認した。コーデックはAAC

アデルの『30』から楽曲「Oh My God」のボーカルに注目した。おおらかな抑揚感と、しっとりとした声の質感が印象的だ。中低域に独特な甘い香りを漂わせる。ハイトーンの抜け感はとても滑らかで、余韻の潔い切れ味も魅力。

ノイズコントロール機能はイヤホン側面のタッチセンサーリモコンの長押し操作で切り換えられる。ANCと外音取り込みをスイッチしながら聴き比べてみたが、音楽の聴こえ方にバラツキがなく一貫している。

初搭載のノイズキャンセリング機能をチェック

前のページ 1 2 次のページ

関連リンク

新着クローズアップ

クローズアップ

アクセスランキング RANKING
1 「オーディオのオンキヨー」復活へ。新スピーカーとセパレートシステムを年明けのCESで発表
2 【完全ワイヤレスイヤホン特集 PART.10】音のプロが選ぶベストバイは?
3 CD再生とファイル再生の架け橋に!Shanlingからリッピング機能付きトランスポート「CR60」が登場
4 今こそ「ミニコンポ」が面白い! デノン/マランツ/B&Wの令和ライフにマッチする厳選5モデルレビュー
5 水月雨、『崩壊:スターレイル』とのコラボ完全ワイヤレス。ダイナミック+環状平面駆動の同軸ドライバー搭載
6 【ミニレビュー】空き電源コンセントに挿入するだけ。オーディオみじんこ「SILVER HARMONIZER AC-ADVANCE」
7 モニターオーディオ「GOLDシリーズ」レビュー。ユニット大幅刷新の第6世代機は「ハイスピードで焦点の明確な音調」
8 AVIOT、『らんま1/2』コラボ完全ワイヤレスイヤホン。完全新録ボイス240種類以上搭載
9 Nothing、スマホ/イヤホンが最大30%オフ価格になるウィンターキャンペーン。先着順で靴下もらえる
10 要注目の新興ブランド、ラトビア「アレタイ」スピーカー試聴レビュー!広大な空間描写力が魅力
12/20 10:05 更新

WEB