公開日 2022/10/28 15:57
「remote」「wireless」がモデルチェンジ
beyerdynamicのテスラテクノロジー搭載イヤホン、第2世代「XELENTO」を聴く
山本 敦
1924年の創立から間もなく100周年を迎えるドイツの老舗オーディオブランドbeyerdynamic(ベイヤーダイナミック)から、最新のプレミアムイヤホン「XELENTO(エクセレント)」シリーズの第2世代モデルが発売を迎えた。
本稿では、デザインも一新したハイレゾ対応の有線イヤホン「XELENTO remote」と、最先端のBluetoothワイヤレステクノロジーに対応する「XELENTO wireless」のファーストインプレッションをレポートしていこう。
beyerdynamicは2017年春に、テスラテクノロジーを搭載する初めてのイヤホンとして「XELENTO Remote」を発売した。それから約5年半の時を経て、ロングランヒットモデルが待望のモデルチェンジを果たした格好だ。
テスラテクノロジーとは、強力な磁束密度を誇る磁気回路により、ヘッドホン・イヤホンの振動板を精緻、かつパワフルに駆動するための高音質化技術だ。
初代のXELENTO remoteを開発する際、beyerdynamicは先に同社のヘッドホンで実現していたテスラテクノロジーを、コンパクトなイヤホンに実装するため腐心してきた。磁気回路の要となる小型リングマグネットと、堅牢な筐体が完成したことが相まって、XELENTOシリーズが産声を上げたのだ。
第2世代のXELENTOシリーズでは、有線・無線のイヤホンが同時に発売される。どちらのモデルもハイレゾ対応のイヤホンであり、JASがライセンスを行うハイレゾオーディオロゴを取得している。さらにXELENTO wirelessは、ハイレゾオーディオワイヤレスロゴも取得するイヤホンとなっている。
まず最初に、両方のモデルに共通するイヤホン部の特徴を解説しよう。音の心臓部は、テスラテクノロジーを搭載する11mm口径のダイナミック型ドライバー「Tesla.11」。磁気回路には、初代機と同じパワフルなネオジウム・リングマグネットを内蔵する。
ハウジングは密閉型。質量は初代機から1g重くなり8gとなったが、人間工学に基づいて設計したというなめらかな曲面を活かしたデザインにより、耳に心地よくフィットする。
beyerdynamicのブランドロゴが、アルファベットの「y」を冠するシンボルロゴに変わったことから、フェイスプレートは印象が大きく変わった。ブランドロゴに24金をあしらい、左右側面に堂々と配置している。初代のXELENTOシリーズよりも明るく煌びやかな印象を受ける。
プレミアムクラスのモデルであるXELENTOシリーズの製造は、beyerdynamicがドイツ南西部バーデン=ヴュルテンベルク州の都市ハイルブロンに構える本社工場で行われ、熟練したスタッフが1台ずつ丁寧にハンドメイドにより組み上げる。品質管理の体制も万全に整っている。
第2世代のXELENTOシリーズは、新規に開発したアコースティックフィルターを載せて、最新のポータブルオーディオのトレンドに合わせたサウンドにチューニングをブラッシュアップしている。
初代モデルから重視する、自然でニュートラルなバランス感覚は堅持しつつ、高音域の情報量を増やし、音場の広がりに豊かさを加えた。高音域の軽快な粒立ち感も良い。新しいXELENTOシリーズの詳細な試聴インプレッションについては、後ほど詳しく記述する。
イヤホン部はIPX4相当の防滴対応なので、雨天の屋外や汗をかくワークアウトシーンにも安心して使える。再生周波数帯域は10Hz - 50kHz。高調波歪率は0.02%以下(1kHz)、感度は114dB(1mW)。有線リスニング時のインピーダンスは16Ω。
そしてXELENTOシリーズのイヤホンは、標準的なMMCX端子を搭載しており、リケーブルにも対応する。有線モデルのXELENTO remoteのパッケージには、3.5mmプラグの3ボタンリモコンとマイクを搭載するケーブルと、4.4mm/5極バランス対応ケーブルが同梱される。
同じくXELENTOシリーズのパッケージに同梱されるイヤーチップは、素材が2種類に分かれる。シリコンイヤーチップは、サイズが7種類。ベイヤー独自の設計により、軸と傘のそれぞれに異なるシリコン素材を使ってフィット感、遮音性能を高めた。低反発フォームチップはComply製のTx-500、サイズがS/M/Lの3種類。
本稿では、デザインも一新したハイレゾ対応の有線イヤホン「XELENTO remote」と、最先端のBluetoothワイヤレステクノロジーに対応する「XELENTO wireless」のファーストインプレッションをレポートしていこう。
■テスラテクノロジー搭載のハイレゾイヤホン
beyerdynamicは2017年春に、テスラテクノロジーを搭載する初めてのイヤホンとして「XELENTO Remote」を発売した。それから約5年半の時を経て、ロングランヒットモデルが待望のモデルチェンジを果たした格好だ。
テスラテクノロジーとは、強力な磁束密度を誇る磁気回路により、ヘッドホン・イヤホンの振動板を精緻、かつパワフルに駆動するための高音質化技術だ。
初代のXELENTO remoteを開発する際、beyerdynamicは先に同社のヘッドホンで実現していたテスラテクノロジーを、コンパクトなイヤホンに実装するため腐心してきた。磁気回路の要となる小型リングマグネットと、堅牢な筐体が完成したことが相まって、XELENTOシリーズが産声を上げたのだ。
第2世代のXELENTOシリーズでは、有線・無線のイヤホンが同時に発売される。どちらのモデルもハイレゾ対応のイヤホンであり、JASがライセンスを行うハイレゾオーディオロゴを取得している。さらにXELENTO wirelessは、ハイレゾオーディオワイヤレスロゴも取得するイヤホンとなっている。
■華やかさを増したプレミアム機。ドイツ本社の工場で組み上げられる
まず最初に、両方のモデルに共通するイヤホン部の特徴を解説しよう。音の心臓部は、テスラテクノロジーを搭載する11mm口径のダイナミック型ドライバー「Tesla.11」。磁気回路には、初代機と同じパワフルなネオジウム・リングマグネットを内蔵する。
ハウジングは密閉型。質量は初代機から1g重くなり8gとなったが、人間工学に基づいて設計したというなめらかな曲面を活かしたデザインにより、耳に心地よくフィットする。
beyerdynamicのブランドロゴが、アルファベットの「y」を冠するシンボルロゴに変わったことから、フェイスプレートは印象が大きく変わった。ブランドロゴに24金をあしらい、左右側面に堂々と配置している。初代のXELENTOシリーズよりも明るく煌びやかな印象を受ける。
プレミアムクラスのモデルであるXELENTOシリーズの製造は、beyerdynamicがドイツ南西部バーデン=ヴュルテンベルク州の都市ハイルブロンに構える本社工場で行われ、熟練したスタッフが1台ずつ丁寧にハンドメイドにより組み上げる。品質管理の体制も万全に整っている。
■新開発のアコースティックフィルターを搭載
第2世代のXELENTOシリーズは、新規に開発したアコースティックフィルターを載せて、最新のポータブルオーディオのトレンドに合わせたサウンドにチューニングをブラッシュアップしている。
初代モデルから重視する、自然でニュートラルなバランス感覚は堅持しつつ、高音域の情報量を増やし、音場の広がりに豊かさを加えた。高音域の軽快な粒立ち感も良い。新しいXELENTOシリーズの詳細な試聴インプレッションについては、後ほど詳しく記述する。
イヤホン部はIPX4相当の防滴対応なので、雨天の屋外や汗をかくワークアウトシーンにも安心して使える。再生周波数帯域は10Hz - 50kHz。高調波歪率は0.02%以下(1kHz)、感度は114dB(1mW)。有線リスニング時のインピーダンスは16Ω。
そしてXELENTOシリーズのイヤホンは、標準的なMMCX端子を搭載しており、リケーブルにも対応する。有線モデルのXELENTO remoteのパッケージには、3.5mmプラグの3ボタンリモコンとマイクを搭載するケーブルと、4.4mm/5極バランス対応ケーブルが同梱される。
同じくXELENTOシリーズのパッケージに同梱されるイヤーチップは、素材が2種類に分かれる。シリコンイヤーチップは、サイズが7種類。ベイヤー独自の設計により、軸と傘のそれぞれに異なるシリコン素材を使ってフィット感、遮音性能を高めた。低反発フォームチップはComply製のTx-500、サイズがS/M/Lの3種類。
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