公開日 2023/11/01 06:50
コンパクトな北欧的デザインながら多機能& Hi-Fi音質
HDMI搭載で現代オーディオに全方位対応! デノン「RCD-N12」は心躍る “真のオールインワン”システムだ
折原一也
9月25日にデノンから最新のネットワークCDレシーバー「RCD-N12」が発表され、テレビと接続可能なHDMI ARC端子搭載という情報を得た時に、ついに“真のオールインワン”システムが登場したと心躍らされた。
RCD-N12の詳細を語る前に、「CDレシーバー(現在はネットワークCDレシーバー)」というオーディオ機器としての括りが、本機について誤解を招いている側面もあると思う。CDレシーバーは音楽CDを再生可能なCDプレイヤー部+プリメインアンプ部の融合が出発点となっているが、2018年に発売した先代モデル「RCD-N10」の時点で、FM/AMラジオ、外部入力端子、更にはWi-Fi接続によるネットワーク、Bluetooth、USBメモリまで何でも繋がるオールインワンのオーディオで、“コンポ”のイメージにも近い存在だった。
だが、2023年現在のオーディオ・シーンと照らし合わせると、RCD-N10ではひとつ足りない。それはテレビと接続する「HDMI ARC端子」の存在だ。テレビ放送のみならず、YouTubeやネット動画配信によって音楽ライブコンテンツも再生できるテレビは、現代のオーディオ体験からは切り離せない。
そして、HDMI ARC接続にはロマンもある。AVかつサラウンドの世界と思われていた薄型テレビでの視聴環境に、Hi-Fiクオリティでステレオのスピーカーを持ち込み、テレビ放送やYouTubeまで劇的に高音質化する――だから面白いのだ。オマケに“テレビでも使える”と説明できれば、家族ウケもいいと来たら、オーディオ界隈でも流行る未来は見えていた。
今回はそんなデノンのネットワークCDレシーバー「RCD-N12」の実機を試聴・レビューしていこう。
■北欧ライクなデザインで多彩なソースに対応、かつHi-Fi音質の“真のオールインワン”
RCD-N12は、Hi-Fiミニシステム“CEOLシリーズ”の最新モデル。冒頭でも述べた通り、特徴は従来のコンポにHDMI端子をプラスした2023年基準の“真のオールインワン”ということだ。
まず実物を目の前にすると、デノン製の他のオーディオ機器とも異なるCEOLシリーズらしさに気づく。本体サイズは280W×108H×305Dmmで、トップパネルにスラントが付けられたハードコートアクリルを採用。タッチ式コントロールボタンのデザインも含め美しい。筐体はHi-Fiオーディオよりもむしろ、北欧インテリアを彷彿とさせるデザイン性を獲得している。
前面にはCDドライブのスロットと、3桁の日本語表示可能も可能な大型有機ELディスプレイを搭載。ネットワークCDレシーバーとして音楽CDのみならず、HEOSテクノロジーによるSpotify/AWAといったストリーミングから、Amazon Music HDのハイレゾストリーミング、AirPlay 2、さらにはBluetoothでの送受信にも対応している。
外部入力周りはPhono入力(MM型対応のフォノイコライザーを新規搭載)、USB-A端子からのUSBメモリ再生(PCM 192kHz/24bit、DSD 5.6MHz対応)、ワイドFM対応のFM/AMラジオチューナー、PCM 192kHz/24bit対応の光デジタル入力(入力検知による電源オン&入力切替まで対応!)、RCAのアナログ入力までカバー。もちろんアナログRCAのオーディオアウトやサブウーファー出力、ヘッドホン出力もある。
そして、HDMI ARC端子の搭載だ。HDMI ARCまたはeARC端子を備えたテレビならHDMIケーブル1本で接続できるうえ、CECに対応するため電源オン/オフの連動やテレビリモコンからの音量調節などもできる。ここまで来るとサラウンドに対応していない所を除けば、その多機能ぶりはAVアンプにすら迫る。いや、CDプレイヤーを一体化しているのだから、むしろ音源ソースの対応具合では上と言えるかもしれない。
アンプ部はクラスDアンプで、定格出力65W+65W(4Ω)の大出力。専用設計のOFCインダクターにより可聴帯域における歪率を改善した仕様だ。ちなみにと言うべきか、本機は“ネットワークCDレシーバー”であって“コンポ”ではないので、組み合わせるスピーカーを限定していない。
手持ちのスピーカーがあれば自由に組み合わせられるし、標準に近いシステムならCEOLシリーズの純正スピーカー「SC-N10」も用意。さらにRCD-N12は、このSC-N10の音質を最適化できる専用デジタルフィルターも搭載している。ちなみに、オーディオアウトもあるのでアクティブスピーカー接続も可能だ。
RCD-N12の詳細を語る前に、「CDレシーバー(現在はネットワークCDレシーバー)」というオーディオ機器としての括りが、本機について誤解を招いている側面もあると思う。CDレシーバーは音楽CDを再生可能なCDプレイヤー部+プリメインアンプ部の融合が出発点となっているが、2018年に発売した先代モデル「RCD-N10」の時点で、FM/AMラジオ、外部入力端子、更にはWi-Fi接続によるネットワーク、Bluetooth、USBメモリまで何でも繋がるオールインワンのオーディオで、“コンポ”のイメージにも近い存在だった。
だが、2023年現在のオーディオ・シーンと照らし合わせると、RCD-N10ではひとつ足りない。それはテレビと接続する「HDMI ARC端子」の存在だ。テレビ放送のみならず、YouTubeやネット動画配信によって音楽ライブコンテンツも再生できるテレビは、現代のオーディオ体験からは切り離せない。
そして、HDMI ARC接続にはロマンもある。AVかつサラウンドの世界と思われていた薄型テレビでの視聴環境に、Hi-Fiクオリティでステレオのスピーカーを持ち込み、テレビ放送やYouTubeまで劇的に高音質化する――だから面白いのだ。オマケに“テレビでも使える”と説明できれば、家族ウケもいいと来たら、オーディオ界隈でも流行る未来は見えていた。
今回はそんなデノンのネットワークCDレシーバー「RCD-N12」の実機を試聴・レビューしていこう。
■北欧ライクなデザインで多彩なソースに対応、かつHi-Fi音質の“真のオールインワン”
RCD-N12は、Hi-Fiミニシステム“CEOLシリーズ”の最新モデル。冒頭でも述べた通り、特徴は従来のコンポにHDMI端子をプラスした2023年基準の“真のオールインワン”ということだ。
まず実物を目の前にすると、デノン製の他のオーディオ機器とも異なるCEOLシリーズらしさに気づく。本体サイズは280W×108H×305Dmmで、トップパネルにスラントが付けられたハードコートアクリルを採用。タッチ式コントロールボタンのデザインも含め美しい。筐体はHi-Fiオーディオよりもむしろ、北欧インテリアを彷彿とさせるデザイン性を獲得している。
前面にはCDドライブのスロットと、3桁の日本語表示可能も可能な大型有機ELディスプレイを搭載。ネットワークCDレシーバーとして音楽CDのみならず、HEOSテクノロジーによるSpotify/AWAといったストリーミングから、Amazon Music HDのハイレゾストリーミング、AirPlay 2、さらにはBluetoothでの送受信にも対応している。
外部入力周りはPhono入力(MM型対応のフォノイコライザーを新規搭載)、USB-A端子からのUSBメモリ再生(PCM 192kHz/24bit、DSD 5.6MHz対応)、ワイドFM対応のFM/AMラジオチューナー、PCM 192kHz/24bit対応の光デジタル入力(入力検知による電源オン&入力切替まで対応!)、RCAのアナログ入力までカバー。もちろんアナログRCAのオーディオアウトやサブウーファー出力、ヘッドホン出力もある。
そして、HDMI ARC端子の搭載だ。HDMI ARCまたはeARC端子を備えたテレビならHDMIケーブル1本で接続できるうえ、CECに対応するため電源オン/オフの連動やテレビリモコンからの音量調節などもできる。ここまで来るとサラウンドに対応していない所を除けば、その多機能ぶりはAVアンプにすら迫る。いや、CDプレイヤーを一体化しているのだから、むしろ音源ソースの対応具合では上と言えるかもしれない。
アンプ部はクラスDアンプで、定格出力65W+65W(4Ω)の大出力。専用設計のOFCインダクターにより可聴帯域における歪率を改善した仕様だ。ちなみにと言うべきか、本機は“ネットワークCDレシーバー”であって“コンポ”ではないので、組み合わせるスピーカーを限定していない。
手持ちのスピーカーがあれば自由に組み合わせられるし、標準に近いシステムならCEOLシリーズの純正スピーカー「SC-N10」も用意。さらにRCD-N12は、このSC-N10の音質を最適化できる専用デジタルフィルターも搭載している。ちなみに、オーディオアウトもあるのでアクティブスピーカー接続も可能だ。
RCD-N12を純正スピーカー「SC-N10」と組み合わせて試聴
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