トップページへ戻る

レビュー

HOME > レビュー > レビュー記事一覧

公開日 2023/11/22 06:45
Dolby Atmos対応の7.2chエントリー機が刷新

デノン「AVR-X1800H」レビュー。サラウンド不要論を一蹴する説得力が、このAVアンプにはある

大橋伸太郎

前のページ 1 2 次のページ

デノンはじつに8機種のAVサラウンドアンプをラインナップする。専門メディアがとかく注視するのは「AVC-A1H」のようなフラグシップ機だが、エンドユーザーの関心が集まるのはベーシックモデルであり、販売業界にとってはAVアンプ需要全体を底支えする米びつのような存在だ。価格の制約の中でいかに密度の高い「強いアンプ」を作るか……ベーシックこそメーカーの実力の見せ所といっていい。

今回、デノンAVアンプのベーシックモデル「AVR-X1700H」が「AVR-X1800H」に変わった。AVアンプのモアチャンネル化はいまも進行中で、内蔵アンプ数は同社ラインナップの中核機「AVR-X4800H」が9ch、インターミディエート「AVC-X6700H」が11ch、「AVC-X8500HA」で13ch、最上位AVC-A1Hでは15chに及ぶ。

一方、「映画もステレオ再生で」という方に向けたHDMI端子搭載ステレオHi-Fiアンプが各社から相次いで登場し、セールスも好調と聞く。簡便なシアターバーも堅調だ。それらに挟まれて7ch内蔵型の「素のサラウンドアンプ」がどれだけの存在感を発揮するか……興味が持たれる。

7.2ch AVアンプ「AVR-X1800H」:¥110,000(税込)

機能面は前世代機とほぼ変わらず、しかし音質面に大きな進化がある

AVR-X1800Hのプロフィールをざっと紹介しておこう。現在のデノンのアンプは、設計に白河工場でプレミアムモデルを手掛ける高橋佑規氏をはじめ、ミドルクラスやエントリークラスにもそれぞれ専任の設計チームを擁し、音決めはサウンドマスター・山内慎一氏が手掛ける体制をとっているが、この体制下で誕生した最初のAVサラウンドアンプが、本機の前世代機、AVR-X1700H(2021年)であった。

その後AVC-X8500HA、AVC-A1Hといった大作が誕生し、それが一巡して振り出しに戻りAVR-X1800Hが生まれた。移り変わりの急なAVの世界で2年という時間が長いのか短いのか議論が分かれるが、スペックや機能面でAVR-X1700Hとの目立った差分は少ない。

内蔵アンプの定格出力が2ch駆動時70W+70W(8Ω)、実用最大出力175Wのアナログ構成は前世代機とほぼ同等。Dolby Atmos、DTS:X再生に対応するが、AURO-3Dは9chでないため非対応。ハイトスピーカーなしで高さ方向へ音場を拡張するDolby Atmos Height Virtualizer & DTS:Virtual XもX1700Hで対応済み。

HDMIが8K/60Hz、4K/120Hz対応(入力は各3系統の計6系統、出力1系統)で動画配信サービスや新世代ゲーム機に対応すること、デジタル放送のMPEG-4 AAC、eARCへの対応、音場補正機能に「Audyssey MultEQ XT」を搭載し、より詳細な調整が行える「Audyssey MultEQ Editor」アプリは有料ダウンロードとなるのも承前である。

8K/60Hz、4K/120Hz対応のHDMI入力を各3系統ずつ搭載。Dolby AtmosやHDMI2.1をはじめとした最新規格もサポートする

山内氏はA1Hのチューニングにあたり、コンデンサや電子部品を吟味しカスタムパーツを多数投入した。機能面であれができるこれができる、でなく、上位機種での向上策が反映された音質がX1700Hとの差分なのである。エントリー機の枠に収まらない、サラウンド不要論を一蹴するベーシック7.2chの説得力……がAVR-X1800Hの開発ミッションとみた。

AVR-X1800Hで『TAR』『ウエストサイド・ストーリー』を視聴

前のページ 1 2 次のページ

関連リンク

新着クローズアップ

クローズアップ

アクセスランキング RANKING
1 「Amazon プライムデー」本セールが7月16日0時からついにスタート!安くなるものを事前チェック!
2 ヨドバシやビック、Amazonプライムデーより安い超特価セール実施中!見比べないと損をする
3 【レビューあり】Amazonプライムセール、JBLの人気サウンドバー「BAR 1000/800」が激安!
4 Amazonプライムデー先行セールで「半額」「半額以下」で買えちゃうイヤホン・ヘッドホン
5 Amazonプライムデー、FireTV Stick 4K/4K Maxが過去セール超えの大幅割引中
6 Amazonプライムデー、オーディオテクニカのTWS、ヘッドホン、マイクが多数お買い得に!
7 Amazonプライムデー、読み放題・聴き放題などサブスクも無料に! 登録すべきキャンペーンまとめ
8 Prime Videoの有料チャンネル「アニメタイムズ」が60日間無料。7/17まで
9 ノジマとオーディオスクエアのシナジーで“テレビの音の最適解”を案内。存在感を増すネットワーク&HDMI対応アンプ
10 <ポタフェス>FIIOやiFi audioに「本邦初公開」多数/Noble Audio「FoKus TRIUMPH」は今夏発売
7/16 10:43 更新

WEB