公開日 2024/03/13 06:30
ネットワークストリーマー機能も搭載!
ヘッドホンでもスピーカーでも実力を発揮! HIFIMANの多機能アンプ「Goldenwave SERENADE」レビュー
土方久明
ヘッドホンやスピーカー環境で、音楽ストリーミングサービスやハイレゾファイルなどのデジタルソース、スマホなどの音声をいい音で楽しみ尽くしたい。できれば筐体はコンパクトな方がいい。
そんな願望を叶えてくれる欲張りな1台が、平面磁界駆動型ヘッドホンの開発で知られるHIFIMAN(ハイファイマン)から登場した。DAC、ストリーミング/ネットワーク再生対応のヘッドホン/プリアンプ「SERENADE(セレナーデ)」である。
セレナーデは、HIFIMANと、ヘッドホンアンプを得意とする中国のメーカー「Goldenwave」とのダブルネームで発売されている。というのもGoldenwaveは最近、HIFIMANの関連会社となり、両者の得意技術を搭載したコラボ第一弾として登場したのだ。
セレナーデは横幅が30cmで薄型のシャーシが嬉しい。オーディオラックからデスクトップ上までさまざまな場所に置けるのが理由だ。そして入出力のインターフェイスも豊富だ。フロントパネルにはXLRバランス、6.35mmシングルエンド、4.4mmバランス出力、入力ソースやサンプリング周波数などを表示する有機ELディスプレイ、ボリュームノブを搭載する。
リアパネルには、USB Type-Bをはじめとした豊富なデジタル/アナログ入力を装備。出力はXLR/RCA、RJ45の有線LANを備え、NASを利用したネットワーク再生やストリーミングに対応するストリーマー機能を有していることが大きなポイントである。
オーディオ回路部の魅力は独自のD/Aコンバーター「HYMALAYA(ヒマラヤ)DAC PRO」を搭載すること。コンパクトなR-2Rラダー方式回路のDAC回路で、 FPGA回路と精度0.01%の抵抗により、R-2R方式で定評のあるDACチップPCM1704を上回る数値を叩き出し、PCMソースをネイティブにD/A変換する。
アナログ回路は、プリアンプ部がA級増幅のプリアンプ回路によるフルバランス構成でALPS製4連バランス・ボリュームと組み合わせられている。シングルエンド(RCA)入力されたアナログ信号を高精度のシングルエンド・バランス変換回路によりバランス変換し、バランス駆動ヘッドホン使用時の音質を高上。またトロイダルトランスによる電源駆動も特長だ。
オーディオ回路部の性能が高いとさまざまなソースを利用したくなる。そこでセレナーデのストロングポイントである対応ソースの幅広さが生きてくる。パソコンやスマホとUSBケーブルで接続したり、フォノイコライザー搭載のレコードプレーヤーと接続したりするのもよいだろう。そして先述したとおりLANによるネットワーク接続を生かしたストリーマーとして使えることに注目したい。
本機はDLNA/UPnP(OpenHome対応)によるNASを利用したネットワーク再生に対応しており、定額制ストリーミングサービスはTIDAL ConnectとSpotify Connectに対応する。Amazon Music等他のサービスを聴きたい場合は、スマホやパソコンとAirPlayやBluetooth接続してもよいだろう。さらに、革新的なGUIを持つRoon(ルーン)のエンドポイントとしても利用できる。(同一ネットワーク上にルーンサーバーの設置が必要)
ヘッドホンにSennheiser「HD 800 S」(バランス接続)を使用して、アイ・オー・データのNAS「Soundgenic」から女性ボーカル、メロディ・ガルドー『オントレ・ウー・ドゥ』(48kHz/24bit FLAC)を再生したが、すべてを通しての音質が筆者の期待を大きく上回ってきた。
音色、音調が自然な上、高音域から低音域まで全体域に力感があり、R-2R方式のよい音がダイレクトに伝わってくる。現代ブラジリアン・ジャズの実力者であるバーデン・パウエルの息子、フィリップ・バーデン・パウエルが抑揚高く演奏するピアノのディテールが明瞭で、メロディ・ガルドーのボーカルはイントネーションや声の質感表現力に長け、空間に浮かび上がるピアノとボーカルの距離感が適切に表現できていることも印象的だ。
ちなみにネットワーク再生の操作アプリは汎用品を利用する。今回はアイ・オー・データから無償提供される「fidata Music App」を使用したが、楽曲選択、再生/停止、曲送り、プレイリスト作成などの基本操作が行えた。
続いて、Apple Musicで聴いたAdoの『唱』は、イントロで中央に定位するボーカル音像に立体感があり、ベースは低域方向のレンジも広く、弾力感を感じさせた。
◇◇◇
ここでヘッドホン環境におけるセレナーデの音質を一旦まとめたい。R-2R方式のDACに対する期待値はいやが上にも高くなっていたわけだが、分解能、各帯域の質感表現に長けており、印象がよかった。つまり低音域の表現を左右するヘッドホンの駆動力が高く、満足できる音を確認できた。
そんな願望を叶えてくれる欲張りな1台が、平面磁界駆動型ヘッドホンの開発で知られるHIFIMAN(ハイファイマン)から登場した。DAC、ストリーミング/ネットワーク再生対応のヘッドホン/プリアンプ「SERENADE(セレナーデ)」である。
■HIFIMANとアンプメーカー「Goldenwave」とのダブルネーム機「SERENADE」登場
セレナーデは、HIFIMANと、ヘッドホンアンプを得意とする中国のメーカー「Goldenwave」とのダブルネームで発売されている。というのもGoldenwaveは最近、HIFIMANの関連会社となり、両者の得意技術を搭載したコラボ第一弾として登場したのだ。
セレナーデは横幅が30cmで薄型のシャーシが嬉しい。オーディオラックからデスクトップ上までさまざまな場所に置けるのが理由だ。そして入出力のインターフェイスも豊富だ。フロントパネルにはXLRバランス、6.35mmシングルエンド、4.4mmバランス出力、入力ソースやサンプリング周波数などを表示する有機ELディスプレイ、ボリュームノブを搭載する。
リアパネルには、USB Type-Bをはじめとした豊富なデジタル/アナログ入力を装備。出力はXLR/RCA、RJ45の有線LANを備え、NASを利用したネットワーク再生やストリーミングに対応するストリーマー機能を有していることが大きなポイントである。
■本格的なアンプ設計に加えて、独創のDAC「HYMALAYA DAC」も搭載
オーディオ回路部の魅力は独自のD/Aコンバーター「HYMALAYA(ヒマラヤ)DAC PRO」を搭載すること。コンパクトなR-2Rラダー方式回路のDAC回路で、 FPGA回路と精度0.01%の抵抗により、R-2R方式で定評のあるDACチップPCM1704を上回る数値を叩き出し、PCMソースをネイティブにD/A変換する。
アナログ回路は、プリアンプ部がA級増幅のプリアンプ回路によるフルバランス構成でALPS製4連バランス・ボリュームと組み合わせられている。シングルエンド(RCA)入力されたアナログ信号を高精度のシングルエンド・バランス変換回路によりバランス変換し、バランス駆動ヘッドホン使用時の音質を高上。またトロイダルトランスによる電源駆動も特長だ。
■特長は独自のストリーマー機能を搭載すること
オーディオ回路部の性能が高いとさまざまなソースを利用したくなる。そこでセレナーデのストロングポイントである対応ソースの幅広さが生きてくる。パソコンやスマホとUSBケーブルで接続したり、フォノイコライザー搭載のレコードプレーヤーと接続したりするのもよいだろう。そして先述したとおりLANによるネットワーク接続を生かしたストリーマーとして使えることに注目したい。
本機はDLNA/UPnP(OpenHome対応)によるNASを利用したネットワーク再生に対応しており、定額制ストリーミングサービスはTIDAL ConnectとSpotify Connectに対応する。Amazon Music等他のサービスを聴きたい場合は、スマホやパソコンとAirPlayやBluetooth接続してもよいだろう。さらに、革新的なGUIを持つRoon(ルーン)のエンドポイントとしても利用できる。(同一ネットワーク上にルーンサーバーの設置が必要)
■HIFIMAN「SERENADE」音質レビュー:期待を上回るヘッドホン音質。質感表現に長けたサウンド
ヘッドホンにSennheiser「HD 800 S」(バランス接続)を使用して、アイ・オー・データのNAS「Soundgenic」から女性ボーカル、メロディ・ガルドー『オントレ・ウー・ドゥ』(48kHz/24bit FLAC)を再生したが、すべてを通しての音質が筆者の期待を大きく上回ってきた。
音色、音調が自然な上、高音域から低音域まで全体域に力感があり、R-2R方式のよい音がダイレクトに伝わってくる。現代ブラジリアン・ジャズの実力者であるバーデン・パウエルの息子、フィリップ・バーデン・パウエルが抑揚高く演奏するピアノのディテールが明瞭で、メロディ・ガルドーのボーカルはイントネーションや声の質感表現力に長け、空間に浮かび上がるピアノとボーカルの距離感が適切に表現できていることも印象的だ。
ちなみにネットワーク再生の操作アプリは汎用品を利用する。今回はアイ・オー・データから無償提供される「fidata Music App」を使用したが、楽曲選択、再生/停止、曲送り、プレイリスト作成などの基本操作が行えた。
続いて、Apple Musicで聴いたAdoの『唱』は、イントロで中央に定位するボーカル音像に立体感があり、ベースは低域方向のレンジも広く、弾力感を感じさせた。
ここでヘッドホン環境におけるセレナーデの音質を一旦まとめたい。R-2R方式のDACに対する期待値はいやが上にも高くなっていたわけだが、分解能、各帯域の質感表現に長けており、印象がよかった。つまり低音域の表現を左右するヘッドホンの駆動力が高く、満足できる音を確認できた。