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【特別企画】QCシリーズの進化を語る濃密インタビュー

ノイズキャンセリング・マスターに訊く、ボーズ“ノイキャン史”と新モデル「QC35」の強さ

公開日 2016/07/01 10:30 インタビュー:山本 敦
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■Q35は、QuietComfortとSoundLinkの開発リソースを共有して実現

-- QC35についてですが、まず御社のヘッドホン製品にはQCシリーズとは別に、Bluetoothヘッドホンとして元々SoundLinkシリーズがありますよね。今回、QC35がBluetoothを搭載するにあたり、SoundLinkシリーズの技術が投入されるというようなことはあったのでしょうか?

ゲイジャー氏: そうですね、QCシリーズとSoundLinkシリーズを担うチームがそれぞれあって、いくつかの知識やリソースを共有しました。エンジニアが両方に関わっている場合もあります。例えばQC35の風の音をカットする技術などは、Bluetoothヘッドホンを担当しているチームのテクノロジーも使われています。

QC35

QC35について語るゲイジャー氏

-- 私はこのQC35を使わせて頂いたのですが、ノイズキャンセリング効果が前のQC25より強くなったように感じました。ノイズキャンセリング機能自体のチューニングは変えていますか?

ゲイジャー氏: それに気づいたというのは、あなたが良い耳を持っているという証ですね。というのも、違いはとても微少なもので、ほとんど無いと言っても良いからです。ノイズキャンセリングそのものは、これまでの製品とほとんど変わりません。

ただ今回、ワイヤレス化したことで、Bluetooth機能を回路に組み入れなければなりませんでした。そのために内部のパーツ配置を変更しているので、音響面の条件が変わっているんです。これが少しノイズキャンセリングに影響を与えています。

もう一つ変わったのは、物理的な設計の部分です。よりモダンなルック&フィールを実現するため、例えばイヤーカップを工業用プラスティックに変更するなどしていて、それによってTriPortの位置が変わっていたりします。気づく方は稀だと思いますが、そういう違いもあるのでほんの微少でも影響はあると思います。

■マイクの数が4基→6基に変わった理由

-- あとマイクの数がこれまで4基だったことに対し、今回は6基に増えましたね。これはBluetooth化によるハンズフリー通話用ですか?

ゲイジャー氏: イヤーカップの内側と外側に2基ずつ装備する合計4基のマイクはノイズキャンセリング用で、これは今までと同じです。これに加えて、QC35ではさらに2つのマイクを追加しました。それはご指摘の通り、ハンズフリー通話用です。

マイクは周囲の環境に合わせて動作します。たとえば屋内の静かな環境であれば声をしっかり拾うことができますが、屋外で周囲の音がうるさかったり風が強かったりすると、それらの通話の妨げになる音を低減させる必要が出てきます。そのために2つのマイクを搭載しているのです。

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