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【特別企画】QCシリーズの進化を語る濃密インタビュー

ノイズキャンセリング・マスターに訊く、ボーズ“ノイキャン史”と新モデル「QC35」の強さ

公開日 2016/07/01 10:30 インタビュー:山本 敦
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■メタリックなシルバーと、“3つの黒”によるブラックのスマートなデザイン

−− 続いては、筐体の素材など物理的な変更点についても教えていただけますか? さらに頑丈になったような感覚があるのですが。

ゲイジャー氏: QC35では、モダンでハイクオリティ、スマートなデザインを目指しました。ミニマルであることも重要だと思います。工業レベルのプラスチックを使って、加工の精密さにも万全を期しました。さらにヘッドバンドにアルカンターラを使ったり、合成プロテインレザーを使ったりなどして、快適性と耐久性を両立させています。

スマートなデザインを目指したQC35


ヘッドバンドの内側には高級自動車のシートなどにも使われている人工スエード「アルカンターラ」をあしらった

イヤーパッドは、表側に合成皮革のプロテインレザー、内部のクッションに柔らかい素材を採用
色は、ブラックとシルバーの2色展開です。シルバーはメタリック調ですね。ブラックは「トリプルブラック」であることが特徴となっています。イヤーカップなど各部分に違う質感を持った3種類のブラックを使っていて、これによってとてもモダンな印象を演出しています。社内には多くのデザイナーを抱えており、彼らが素材や仕上げなどすべての選定に携わっています。

カラバリは2色

ブラックモデルは、素材によって色味が異なる3つの黒を使っている

−− ボーズのノイズキャンセリング・ヘッドホンで全体が同じ色で統一されているというのは、限定色以外では今回が初めてかもしれませんね。すべての箇所が同じ色ということはありませんでした。

■ワイヤレス化なのに長寿命化したバッテリー

−− 続いて、バッテリーの強化についても教えてください。ワイヤレスになったのに、バッテリー持続時間は長時間確保されています。

ゲイジャー氏: はい。ワイヤレス化とノイズキャンセリングを両立させたうえで、20時間の連続使用が可能です。今回の来日で、私はボストンからサンフランシスコ、そして成田までこのヘッドホンを使いながら来ました。その間、あまり音楽を聴かずに、仕事をしていた時間が長かったからかもしれませんが、今もまだバッテリーが90%残っています。

−− 90%!それはすごいですね。

ゲイジャー氏: バッテリー持続時間を延ばすために、より大型のバッテリーを搭載する必要がありました。試作を重ねた上で高性能のカスタムバッテリーを搭載しました。本体の中も、大型バッテリーを搭載するためのスペースを改めて確保するなど設計を工夫しています。

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