11.2MHz DSDなどハイレゾ最新スペックに対応

マランツ、クラスDアンプ採用のUSB-DAC/プリメイン「HD-AMP1」 。ESS製DAC初採用

公開日 2015/11/04 14:00 編集部:小澤貴信
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マランツは、「Hypex UcD」スイッチングアンプを採用したUSB-DAC内蔵プリメインアンプ「HD-AMP1」を12月上旬より発売する。価格は140,000円(税抜)。大橋伸太郎氏によるレビュー記事はこちら

Marantz「HD-AMP1」


HD-AMP1は、2014年10月に登場した無帰還型バッファーアンプ搭載ヘッドホンアンプ/USB-DAC「HD-DAC1」(関連ニュース)のデザインとコンセプトを継承しつつ、スイッチングアンプを採用することでコンパクトさと音質を両立させたUSB-DAC内蔵プリメインアンプ。

USB-DACは11.2MHz DSDや384kHz/32bit PCMに対応し、DACチップにはマランツとして初めてESS社製DACチップを搭載。その上で同社オリジナルのデジタルフィルターを実装した。アンプ部は、HDAM搭載のフルディスクリート構成プリアンプ回路に、ハイエンドアンプでも採用されているスイッチングアンプ(クラスDアンプ)デバイス「Hypec UcD」を組み合わて構成している。定格出力は35W+35W(8Ω)。

背面端子部

デジタル入力はUSB-B(PC)に加えて、USB-A(メモリー)、同軸/光デジタルを搭載。アナログ入力もRCA端子を2系統搭載する。以下に、HD-AMP1の詳細を紹介していく。

製品発表会では、マランツのサウンドマネージャーである澤田龍一氏がHD-AMP1についてプレゼンテーションを行った。澤田氏は本機の開発テーマとして「コンパクトさ」「最新ハイレゾスペックへの対応」、そして「次世代のアンプソリューション開発」を挙げていた。また、マランツが90年代に展開したコンパクトなHi-Fiコンポーネントシリーズ「MUSIC LINK SERIES」の名前が本機にも冠される。

マランツのサウンドマネージャーを務める澤田龍一氏

90年第に発売された“MUSIC LINK SERIES”のフォノアンプ「HA-1」

11.2MHz DSDや384KHz/32bit PCMの再生に対応

USB-DAC機能における注目すべきポイントは、マランツとして初となるESS Technology社製DACチップの採用と、11.2MHz DSDや384kHz/32bit PCMなど最新ハイレゾスペックへの対応だ。

HD-AMP1(左)とHD-DAC1(右)

HD-AMP1の筐体内部

HD-AMP1はUSB-B端子を搭載し、パソコンとの接続が可能。HD-DAC1はDSDが2.8/5.6MHz、PCMが192kHz/24bitまでの対応だったが、本機ではDSDは2.8/5.6/11.2MHz、PCMが最大384kHz/32bitに対応する。

USB-A端子の対応ファイルも充実。2.8/5.6MHzのDSD、192kHz/24bitまでのWAV/AIFF/FLAC、96kHz/24bitまでのALACなどの音楽ファイルの再生が可能となっている(ちなみにHD-DAC1のUSB-A端子はMP3/WMA/AAC/WAV、48kHz/16bitまでの対応)。同軸/光デジタルは192kHz/24bitまでの入力に対応する。

新たに11.2MHz DSDや384KHz/32bit PCMに対応

USBをはじめとするデジタル入力部から流入する高周波ノイズをシャットアウトする「デジタル・アイソレーションシステム」も採用。4個・7回路の高速デジタルアイソレーターを搭載することで、全てのデジタル入力において高周波ノイズの影響を回避する。また、クロック回路には超低位相雑音クリスタルを搭載し、さらに44.1kHz系と48kHz系それぞれに専用クリスタルを搭載。各フォーマットに最適なクロックを提供する。

ESS製DACをマランツ初搭載。一方で独自デジタルフィルターを実装

DACチップは、ESS Technology社製「ES9010K2M」を搭載する。澤田氏はESS社製DACを本機で初採用した背景を説明。11.2MHz DSDなどの最新ハイレゾスペックへの対応が可能になる点や、ESS製DACがマランツが一貫して採用してきた電流出力型DACであること、そしてオリジナルのデジタルフィルターを実装可能であることを理由として挙げていた。

ESS Technology社製「ES9010K2M」を搭載

「ESS社のDACの採用はマランツとして初めてですが、早い段階からテストを行っていました。その結果もよかったのですが、これまでなかなか搭載する機会に恵まれませんでした」(澤田氏)。

ESS社製DACを実際に採用する上で、オリジナルのデジタルフィルターをDACチップに実装できる点は特に重要だったとのこと。現在の一般的なDACチップは、「シャープロールオフ」「スローロールオフ」などデジタルフィルターのアルゴリズムを内蔵している。ESS製DACもその点は同様なのだが、さらにオリジナルのフィルターを追加することも可能。そこでHD-AMP1においては、マランツ独自のデジタルフィルター「MMDF(Marantz Musical Digital Filtering)」が実装された。

次ページマランツ独自のデジタルフィルター「MMDF」とは?

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