11.2MHz DSDなどハイレゾ最新スペックに対応
マランツ、クラスDアンプ採用のUSB-DAC/プリメイン「HD-AMP1」 。ESS製DAC初採用
■Hypex社製スイッチングアンプ・モジュールが選ばれた理由
なぜHD-AMP1でHypex社製スイッチングアンプ・モジュールが採用されたのだろうか。その理由を澤田氏は説明してくれた。Hypex社のスイッチングアンプの特徴としては、「オーバーオール・ネガティブフィードバック」採用が挙げられている。これは、一般的なスイッチング・アンプでは出力段からフィードバックをかけるのだが、Hypexでは出力フィルターの後ろからフィードバックをかけるため、負荷条件に関わらず良好な特性が得られるというものだ。
しかし、「こうした特徴はごく一般的な説明で、本当はこれほど単純ではないのです」と澤田氏。こうした点はHypexだからこその特徴というわけではないとのこと。「ではなぜ、我々はHypexのスイッチングアンプ・モジュールを採用したのか。理由は単純で、音が良かったからです。様々なスイッチングアンプ・デバイスを試しましたが、Hypexが、私たちのフィーリングにおいて最も“スイッチングアンプ臭さ”がなかったのです」。
他社のハイエンドアンプでも使用例があるというHypexなのだが、このスイッチングアンプ・モジュールを使うためにはクリアすべき事項がいくつかあるのだという。
「第一に、Hypexのスイッチングアンプ・モジュールは、ゲインをほとんど持っていません。ゲインが10dBちょっとしかないのです。先ほどの『パワーアンプの後ろ半分でしかない』とは、この特徴によるものです。よって、パワーアンプ前段は自前で開発する必要があるのです。第二に、Hypexはアナログ入力しか持っていません。これ自体は我々にとっては都合がよいことなのですが、その上、Hypexのアナログ入力はバランスでないといけないのです。よって、プリアンプの終段で、アンバランス/バランス変換を行う必要もあります」(澤田氏)。
これらの理由から、HD-AMP1のようなコンパクトなプリメインアンプにHypexのスイッチングアンプ・モジュールを搭載するには、大きなハードルがあった。しかし澤田氏は「やるだけの価値はある」と判断し、今回の採用に踏み切ったのだという。
マランツとHypexの関係についても言及された。マランツがかつてフィリップスグループ下にあったのはご存じの通りだが、このフィリップスで開発されたスイッチングアンプ「SODA(Self oscillating class D Amplifier)」がHypexのベースなのだという。澤田氏自身、Hypexのデジタルアンプ設計者とは長年交流があるとのことだった。
また、B&W「Nautilus 800」シリーズのサブウーファーにはマランツ製のスイッチングアンプが搭載されていたが、このスイッチングアンプには上述のSODAが使われていたそうだ。マランツとしては初採用のHypexスイッチングアンプモジュールだが、こうした背景や採用例からもわかる通り、その特徴や音質は知り尽くしているのだという。
なぜHD-AMP1でHypex社製スイッチングアンプ・モジュールが採用されたのだろうか。その理由を澤田氏は説明してくれた。Hypex社のスイッチングアンプの特徴としては、「オーバーオール・ネガティブフィードバック」採用が挙げられている。これは、一般的なスイッチング・アンプでは出力段からフィードバックをかけるのだが、Hypexでは出力フィルターの後ろからフィードバックをかけるため、負荷条件に関わらず良好な特性が得られるというものだ。
しかし、「こうした特徴はごく一般的な説明で、本当はこれほど単純ではないのです」と澤田氏。こうした点はHypexだからこその特徴というわけではないとのこと。「ではなぜ、我々はHypexのスイッチングアンプ・モジュールを採用したのか。理由は単純で、音が良かったからです。様々なスイッチングアンプ・デバイスを試しましたが、Hypexが、私たちのフィーリングにおいて最も“スイッチングアンプ臭さ”がなかったのです」。
他社のハイエンドアンプでも使用例があるというHypexなのだが、このスイッチングアンプ・モジュールを使うためにはクリアすべき事項がいくつかあるのだという。
「第一に、Hypexのスイッチングアンプ・モジュールは、ゲインをほとんど持っていません。ゲインが10dBちょっとしかないのです。先ほどの『パワーアンプの後ろ半分でしかない』とは、この特徴によるものです。よって、パワーアンプ前段は自前で開発する必要があるのです。第二に、Hypexはアナログ入力しか持っていません。これ自体は我々にとっては都合がよいことなのですが、その上、Hypexのアナログ入力はバランスでないといけないのです。よって、プリアンプの終段で、アンバランス/バランス変換を行う必要もあります」(澤田氏)。
これらの理由から、HD-AMP1のようなコンパクトなプリメインアンプにHypexのスイッチングアンプ・モジュールを搭載するには、大きなハードルがあった。しかし澤田氏は「やるだけの価値はある」と判断し、今回の採用に踏み切ったのだという。
マランツとHypexの関係についても言及された。マランツがかつてフィリップスグループ下にあったのはご存じの通りだが、このフィリップスで開発されたスイッチングアンプ「SODA(Self oscillating class D Amplifier)」がHypexのベースなのだという。澤田氏自身、Hypexのデジタルアンプ設計者とは長年交流があるとのことだった。
また、B&W「Nautilus 800」シリーズのサブウーファーにはマランツ製のスイッチングアンプが搭載されていたが、このスイッチングアンプには上述のSODAが使われていたそうだ。マランツとしては初採用のHypexスイッチングアンプモジュールだが、こうした背景や採用例からもわかる通り、その特徴や音質は知り尽くしているのだという。
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