「Mr.ブルーレイ」パナソニック小塚氏に直撃
次世代BD「ULTRA HD BLU-RAY」規格の詳細をキーマンに聞く。4K/HDRで“究極高画質”へ
■HDRなどUHD技術普及に向け、認定プログラムを行う「UHD Alliance」
もっとも、各メーカーの努力にゆだねたところで、実際に売られるテレビがHDRなど高画質化技術をきっちり表現できる保証はない。そこで誕生したのが、映画スタジオ、衛星事業者、NetFlix、ドルビー、テクニカラースタジオ・メーカー、そしてパナソニックも含めた12社が参加している「UHD Alliance」(関連ニュース)だ。
筆者自身、CESのプレスカンファレンスでその名前が突然登場したことで存在を知った「UHD Alliance」だが、パナソニックが参加した目的は、4KやHDRといった高画質技術をしっかり表示できる環境の整備だ。
「我々は“VIERA”を通して、4Kテレビとしてきちんと良いものを売ろうとしいますが、世界中の市場を見ると、4Kパネルなのに2Kの入力しかないテレビなどが出回っているのが現状です」。
「4Kという本来高品質な映像をお届けしようと思ったにも関わらず、そういった製品が売られていることはお客様に対して申し訳ないと思うんですよね。こうした環境の整備はテレビメーカーだけではできないので、ハリウッドの映画スタジオと映像配信業者さんにも入っていただき、さらにそういった技術を支えている会社さんにも入っていただいて、主要なプレイヤーが集まりUHDだけでなく、カラースペースやHDRも含めて、お客さんに楽しんでいただけるような基準を作るための、話し合いの場にしようとしているのです」。
UHD Allianceは1月5日に設立されたばかりで、具体的な活動はこれからになるが、あえてBDAではなく別の団体とした(だからこそ映像配信事業者のNetFlixやドルビーも参加している)。よりオープンな場として話し合いを設けることで、規格の乱立、特に次世代BDと配信系でHDRのデータが異なり、きちんと再生できないといった事態を避けることを目指している。
またHDR対応テレビに対してもガイドラインが設けられるとなれば、映像のディスプレイに与えられる「THX認証」や、日本のAVファンにはおなじみの「ハイレゾオーディオ」ロゴのような、一定の品質基準を設けるためのものになると考えられる。いずれにせよ、次世代BDで採用される「HDR」についても環境整備が着々と進められていることは間違いなさそうだ。