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【特別企画】「ACP-2N」で調音を極める!

ヤマハ調音パネル「ACP-2N」で、Phile-web読者の自宅を音響改善!〜第一弾・20畳洋室リビング〜

公開日 2012/10/25 09:57 記事構成:ファイル・ウェブ編集部
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「吸音」と「散乱」を同時に行うACP-2Nの秘密

1本の管の片面の一部に開口部を設け、上下に長短2本の共鳴管を作り出し、2つの周波数で共鳴する音響共鳴管を作る。この音響共鳴管は、開口部とその回りに構成された堅い反射面で構成される。

ACP-2Nの構造

これにより、入射する音に対して、「開口部」から放射される音と「堅いパネル面」から反射される音が相まってほど良い散乱効果を実現すると同時に、さらに「開口部」の音のエネルギー消費による吸音効果も生む。ACP-2Nは、このシステムの音響共鳴管を連結させてパネルを構成している。

制御音域の最低域を80Hzまで拡張し、中低音域の調音効果を高めている

本地氏は「一般的に低音域の響きを抑制することは難しいとされていますが、ACP-2Nはこの吸音と散乱を両立する仕組みによって、低音域の不快な響きを抑制し、周波数による響きのばらつきを抑えることが可能なのです」と説明する。具体的には、制御音域の最低域を80Hzまで拡張し、中低音域の調音効果を高めている。

ACP-2Nの構造を解説する本地氏。粟飯原さんはその説明を熱心に聞いている

粟飯原さんは、本地氏の説明を熱心に聞いている。本地氏は「部屋の中で音楽を聴いているときというのは、音源自体の特性と部屋の特性を掛け算したものを聴いている状態なわけです。いくら音源や再生機器が良くても、部屋の環境に影響を受けることで聴こえ方は変わってしまいます。なので、部屋の環境の側を整えることがとても重要なのです」と語った。

スピーカーから壁を遠ざけたような効果 − 音響的に部屋が広がった

なお本地氏によれば、スピーカーを壁に近づけるほど低域の特性が強く出てしまうものなのだという。しかし、一般的な日本の住宅ではスピーカーを壁の近くに置かざるを得ない場合も多いだろう。そこにACP-2Nを設置することで、スピーカーを壁に近づけたまま低域の特性を抑えることができるわけだ。

本地氏はこのACP-2Nの効果を、「スピーカーと壁の間にACP-2を設置することで、スピーカーから壁を遠ざけたかのような効果が得られるわけです。音響的に部屋を広くしたような効果と言えるかもしれません。」と表現した。さらに、「スピーカーと壁の間の狭いスペースに設置できる30mmの薄さを実現したこともACP-2Nの大きな特長です」と語る。

「こちらのお部屋は、普段から置かれているソファや家具などに吸音効果があるでしょうし、そもそも部屋自体の構造もとても恵まれています。なので、今回ACP-2Nを設置したことでかなり理想的な環境に近づいたと思いますよ」と本地氏はコメント。実際にACP-2Nを4枚設置したままで部屋の残響特性を図ってみたところ、理想的な周波数特性が測定された。それを見た粟飯原さんは嬉しそうな様子で「今まで我流で様々な音響対策を工夫してきましたが、このパネルだけでここまで効果があることに驚きました」と感想を語った。

部屋の残響特性を計測する本地氏

「こんなに効果が出るとは…」と嬉しそうに語る粟飯原さん

音質改善のために一点を工夫すると、別の部分で気になる症状が出て来てしまう、その症状を改善しようとすると、さらにまた別の症状が出て来てしまう…どこが悪いのかがわからず、そんなイタチごっこのような状況に陥っている方は多いのではないだろうか。今回は、音質改善の大きなポイントと思われたスピーカー後方にACP-2Nを設置することで、部屋の状況はそのままに、高い調音効果を生む結果となった。

(レポート/ファイル・ウェブ編集部 写真/川村容一)

さて次頁では、今回ACP-2Nの効果を体験した粟飯原さん自身による体験レポートをお届けします。生活空間に溶け込む3パターンの設置スタイルを試し、お気に入りの2曲の聴こえ方を比較したレポートは必見です。ぜひお楽しみ下さい!

次ページ「私はこうやって楽しみました」− 粟飯原靖司さん自身による「ACP-2N」体験レポート大公開!

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