【特別企画】「ACP-2N」で調音を極める!
ヤマハ調音パネル「ACP-2N」で、Phile-web読者の自宅を音響改善!〜第一弾・20畳洋室リビング〜
再び音が変わったテレビ前の平置き − 徹底的に設置バリエーションを試してみる!
状況としては、テレビの前にACP-2Nを平置きにして1枚追加し、計3枚を使用した状態だ。これで改めて音楽を再生をしてみる。
すると粟飯原さんは、女性ボーカルもののジャズを再生しながら、「確かにまた変わりました」と声を上げた。一番気になっているという高域の響き方についてどうか訊ねてみると、「とても良いです。綺麗になりました。スピーカーの後ろに2枚設置しただけでも変化がわかりやすかったですが、真ん中に1枚置くというのも非常にわかりやすく効果が出るんですね」と感心した様子だ。
ヤマハの本地氏は、左右スピーカーの間に置かれた液晶テレビを指し、「テレビの両サイドにスピーカーを設置している方は多いと思いますが、このテレビの液晶も反射面になっており、再生音に影響します。今回センターにACP-2Nを設置することで様々な効果が出たと考えられますが、その1つはテレビの反射面にぶつかった音がコントロールされたことですね」と解説した。
さて、ここからは様々なACP-2Nの設置スタイルを試していくことにする。まずは、スピーカーの背後に吊されているカーテンの効果を利用してみることにした。テレビの前に平置きしたACP-2Nはそのままで、スピーカーの後方に置いている2枚を、それぞれスピーカーの外側にスライドさせてみる。カーテンとACP-2Nの効果をコラボレーションさせている状態だ。
粟飯原さんはオーケストラの演奏音源を再生し、またしても「おお」と驚いた声を上げた。今度は距離感が変わったという。その印象を「例えるなら、プレーヤーと自分の距離が縮まった感じです。音が生々しく、特にフルートの音がグッと近くなりました」と表現した。
続けて、平置きにしていた1枚を外し、左右スピーカーの背部に2枚ずつ設置してみる。計4枚のACP-2Nを使った場合はどうなるのか。
音楽を再生するなり粟飯原さんは、「今度は目の前にスーッとステージが広がっていく感じです」とコメント。音に聴き入りながら「この設置の仕方だと、オーケストラの音が混濁することがなく、とても自然に響いてくるようになりました」と述べた。
粟飯原さんの場合、自身で楽器を演奏することもあり、音源を分析的に聴く場合もあるという。粟飯原さんは「この設置の仕方では、音の1つ1つが混濁せずにはっきりと鳴っているので、そうやって分析的に聴くときにも有効ですね」と嬉しそうに話した。
さて、ACP-2Nはどういった構造でこのような調音効果を実現しているのだろうか? ここで、開発者であるヤマハの本地氏自らがACP-2Nの構造を解説した。
「ACP-2Nは、音波の波動の性質で「吸音」と「散乱」を同時に行う独自の構造を採用しています」と本地氏は語り始めた。