【特別企画】「ACP-2N」で調音を極める!
ヤマハ調音パネル「ACP-2N」で、Phile-web読者の自宅を音響改善!〜第一弾・20畳洋室リビング〜
私のACP-2N導入記 − 粟飯原靖司さんの場合
「ACP-2N」については以前から気になっていましたが、いざ導入するとなると最低2枚は買わなければならないですし、どのくらいの効果があるのか未知数であり、購入には至りませんでした。そんな中、今回の体験モニターの企画は私にとって大変ありがたいものでした。
モニター体験時には、ヤマハと音元出版のスタッフの皆さまにお越し頂きましたが、正直「こんな我流の対策を行っている部屋で大丈夫だろうか」と心配になりました。最初は、先入観を抱かないように具体的な説明を受けない状態のまま、オーソドックスにACP-2Nをスピーカーの後ろに1枚ずつ設置して試聴を開始しました。さらに2枚を追加したり、ラックの天板にのっけたりしてその効果を確認しました。また部屋の残響測定をして頂いた際には、理想的な周波数特性であるとのお言葉を頂き、大変うれしく思いました。
さて、以下に、私が個人的にACP-2Nを使用した際のレポートをしたいと思います。
たくさんの曲を試聴してみましたが、今回のレポートではその中でも以下の2曲の効果を比較してみたいと思います。
1枚目のCDは、友人のフルーティスト福井恵利子さんのアルバム「eliodarc」より、1曲目『prologue of eliodarc~「Flight for the 21st」』です。フルートとピアノ、ベース、チェロによる演奏です。フルートが歌うメロディーで、これまではフレーズの頂点になると音がキンキンするのが不満でした。
2枚目のCDは、ギュンター=ヴァント、北ドイツ放送交響楽団によるブルックナーの『交響曲第9番』です。この録音は、1988年のリューベック大聖堂によるライブ録音で、教会の残響がとても美しい録音です。録音・演奏ともに私にとって最高の1枚ですが、フルオーケストラでffになる部分で、高音楽器群の混濁したような感じが気になっていました。比較には、3楽章の冒頭部分を試聴しました。
生活空間に溶け込む3パターンの設置スタイルをフィーチャーし、お気に入りの2曲をレビュー!
ACP-2Nの設置場所については、試聴位置であるソファーの後ろや、スピーカーの間にあるテレビに被せてみたり、その他いろいろな位置に置いてみましたが、生活空間としての見た目や機能性を考慮した現実的な方法として、以下の3パターンで比較しました。
【1】パネルをスピーカーの後ろに設置した場合の聴こえ方
今まで不満に思っていた高音部分の不満が一気に改善されました。同時に響きも豊かになり、各楽器の一音一音の粒がはっきり聞こえるようになり、さらには奥行きも今まで以上に感じられました。
【2】パネルをスピーカーの横に設置した場合の聴こえ方
【1】に比べ高音が多少きつく感じましたが、音がぐいぐい前に出てくる感じでした。福井恵利子さんのCDでは、まるで彼女のパワフルな演奏をすぐ目の前で聞いているようで、ブレスも生々しく聞こえました。ブルックナーでは、実際に教会で聞いているように空間が広く感じられました。
【3】パネルをスピーカーの後ろと横に設置した場合の聴こえ方
4枚も贅沢に使っただけあって、高音域の不満点が改善されたのはもちろん、音の密度が増し、空間が前後左右に広くなったように感じました。
設置位置と曲の組み合わせによっては不自然に音が前に出てくる感じもしましたが、パネル自体が軽いので、設置位置を変えてみることでその辺の調節ができるのも、このACP-2Nの優れている点だと思います。
最後に、これまで私は我流で様々な調音アイテムを試してきましたが、実際にACP-2Nを使ってみて一番驚いたことは、正直オーディオボードやインシュレーター等と同じかそれ以上に効果があったということでした。当面の課題は、どうやってこのパネル4枚を購入する資金を捻出するかです(笑)。
(レポート/粟飯原 靖司)
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