オーディオエンジン「S1LKi」搭載のUSBオーディオインターフェース
「聴く」も「録る」もハイクオリティ! ローランド渾身の一台「Super UA」を徹底レビュー
Mobile UA“とは”異なるアナログ部分に
S1LKiを最適化させて搭載
さて、その「S1LKi」の威力はMobile UAですでに実証されていたわけだが、Super UAではさらなる上乗せがある。アナログ部分の質と量だ。分かりやすいところでは、オペアンプやコンデンサーはオーディオ的により高品質なものへ。そして電源。Mobile UAはUSBバスパワー駆動(5V/500mA)でSuper UAはACアダプタ駆動(付属アダプタは9V/2000mA)。ましてや最大6ch再生なところを、オーディオでは2chステレオで使うわけだから余裕がある。
なお、S1LKiも本機に合わせてチューニングが行われているとのことだがそこは、「強化」ではなくSuper UAへの「最適化」ということのようだ。
また、録音/再生に対応するUSBオーディオインターフェースは、オーディオ用としては多機能煩雑になりがち。しかし、本機はそこも実によく考えられている。
デスクトップ型のUSBオーディオインターフェースは、「入出力接続にブレークアウトケーブル必須でごちゃごちゃ不便で見栄えも悪い」パターンが多い。しかし、本機はφ6.3mmとφ3.5mmのヘッドホン出力に加えてライン出力用のTRSフォーン端子も本体内蔵。ブレークアウトボックスが必要になるのはXLR入出力を使うときのみで、こちらもシンプルにまとめられている。
出力先切り換えは各独立「PHONES」「A」「B」ボタンで一発選択。柔らかなクリック感のある大きなボリュームノブは回しやすく、プッシュでミュート。ライン出力にも音量調整が効くので、音量調整機能を持たないパワードモニタースピーカーとの組み合わせにも使いやすい。
とはいえ、オーディオ用途としては気になるところにも触れておこう。
本体ライン出力はTRSフォーン端子なので、オーディオで一般的なRCA端子との接続には変換ケーブルが必要である。USB端子は据え置き機にしては珍しくmicroB。これはmicro B端子の抜けにくさなどに着目しての採用とのことだが、必然的にケーブルの選択肢は限られる点もある。
さすが制作機器と思わせる
それぞれの音色を聴かせる音
では音を聴いていこう。まずはAKG「K812」で確認。特に感心したのは音色の質感の表現力。ちょっと聴いて「質感が滑らかで良好」に思えるオーディオ機器なんてのは、実は「何でもかんでも滑らかにしちゃってる」だけの場合もある。ファンデーション厚塗りな感じだ。
しかしSuper UAは違う。シンバルならその金属の心地良いざらつきを、エレクトリックギターはクリーンにせよファズにせよ、それぞれの音色独特の艶を感じさせてくれる。女性ヴォーカルも声の刺さる成分を甘くせずしっかり出しつつ、それが良質な録音であれば、その刺さりを不快なものとはしない。
それにはこのモデルが基本的には音楽制作用であることも関係しているだろう。例えば「刺さる成分をしっかり出しつつ、それが不快ではないヴォーカル」を録音して仕上げるためには、その質感をそのまま録音できるだけではなくそのまま再生できる環境が必要だ。「刺さる成分」の表現が甘いモニター環境では、その刺さりが不快なものになっていてもそれを聴き取れず見落とし、適切な処理を施さないまま音源を完成させてしまうことになる。このSuper UAは、そういうことにさせない音を備えている。その制作機器としての優れた資質が、オーディオ再生機器としても強みになっていると感じられるのだ。
全体の印象としては、音色も全体もほどよく明るくて見晴らしが良い。音場そのものが格段に広いというよりは、音色や音場に淀みがなくておかげで全体まで見晴らしが効くといった感じだ。これもまた音楽制作においてもオーディオにおいてもの強み。
音抜けの良さでは、特にベースが太さや重さを過度に主張させず、さらにコンパクトにまとめつつすっと抜けてくる音色で、他の邪魔にならずにその役割を果たしてくれている。
S1LKiを最適化させて搭載
さて、その「S1LKi」の威力はMobile UAですでに実証されていたわけだが、Super UAではさらなる上乗せがある。アナログ部分の質と量だ。分かりやすいところでは、オペアンプやコンデンサーはオーディオ的により高品質なものへ。そして電源。Mobile UAはUSBバスパワー駆動(5V/500mA)でSuper UAはACアダプタ駆動(付属アダプタは9V/2000mA)。ましてや最大6ch再生なところを、オーディオでは2chステレオで使うわけだから余裕がある。
なお、S1LKiも本機に合わせてチューニングが行われているとのことだがそこは、「強化」ではなくSuper UAへの「最適化」ということのようだ。
また、録音/再生に対応するUSBオーディオインターフェースは、オーディオ用としては多機能煩雑になりがち。しかし、本機はそこも実によく考えられている。
デスクトップ型のUSBオーディオインターフェースは、「入出力接続にブレークアウトケーブル必須でごちゃごちゃ不便で見栄えも悪い」パターンが多い。しかし、本機はφ6.3mmとφ3.5mmのヘッドホン出力に加えてライン出力用のTRSフォーン端子も本体内蔵。ブレークアウトボックスが必要になるのはXLR入出力を使うときのみで、こちらもシンプルにまとめられている。
出力先切り換えは各独立「PHONES」「A」「B」ボタンで一発選択。柔らかなクリック感のある大きなボリュームノブは回しやすく、プッシュでミュート。ライン出力にも音量調整が効くので、音量調整機能を持たないパワードモニタースピーカーとの組み合わせにも使いやすい。
とはいえ、オーディオ用途としては気になるところにも触れておこう。
本体ライン出力はTRSフォーン端子なので、オーディオで一般的なRCA端子との接続には変換ケーブルが必要である。USB端子は据え置き機にしては珍しくmicroB。これはmicro B端子の抜けにくさなどに着目しての採用とのことだが、必然的にケーブルの選択肢は限られる点もある。
さすが制作機器と思わせる
それぞれの音色を聴かせる音
では音を聴いていこう。まずはAKG「K812」で確認。特に感心したのは音色の質感の表現力。ちょっと聴いて「質感が滑らかで良好」に思えるオーディオ機器なんてのは、実は「何でもかんでも滑らかにしちゃってる」だけの場合もある。ファンデーション厚塗りな感じだ。
しかしSuper UAは違う。シンバルならその金属の心地良いざらつきを、エレクトリックギターはクリーンにせよファズにせよ、それぞれの音色独特の艶を感じさせてくれる。女性ヴォーカルも声の刺さる成分を甘くせずしっかり出しつつ、それが良質な録音であれば、その刺さりを不快なものとはしない。
それにはこのモデルが基本的には音楽制作用であることも関係しているだろう。例えば「刺さる成分をしっかり出しつつ、それが不快ではないヴォーカル」を録音して仕上げるためには、その質感をそのまま録音できるだけではなくそのまま再生できる環境が必要だ。「刺さる成分」の表現が甘いモニター環境では、その刺さりが不快なものになっていてもそれを聴き取れず見落とし、適切な処理を施さないまま音源を完成させてしまうことになる。このSuper UAは、そういうことにさせない音を備えている。その制作機器としての優れた資質が、オーディオ再生機器としても強みになっていると感じられるのだ。
全体の印象としては、音色も全体もほどよく明るくて見晴らしが良い。音場そのものが格段に広いというよりは、音色や音場に淀みがなくておかげで全体まで見晴らしが効くといった感じだ。これもまた音楽制作においてもオーディオにおいてもの強み。
音抜けの良さでは、特にベースが太さや重さを過度に主張させず、さらにコンパクトにまとめつつすっと抜けてくる音色で、他の邪魔にならずにその役割を果たしてくれている。
次ページ組み合わせる機器の「らしさ」も改めて実感させてくれる忠実性