[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域
【第126回】最新“2強”ハイレゾ再生アプリ「HF Player」と「Ne Player」機能比較まとめ
■その他インターフェース面など
両アプリに共通しているのは、iOS版だと標準のミュージックライブラリと、別途に転送したハイレゾ音源(もちろん非ハイレゾ音源もこちらにも転送可能だが)を両方とも認識した上で別々に表示できること。そしてライブラリのブラウズ画面もどちらもiOS標準のミュージックアプリのインターフェース配置をおおよそ踏襲しており、基本的な使い勝手に極端な違いはない。その上で違いがあってNe Playerの方に使いやすさや合理性を感じるのはプレイリスト周りだ。
例えばライブラリから曲を集めて新しいプレイリストを作ろうとしたらHF Playerでのプレイリスト基本手順は、
1)曲を長押しして「再生待ちリストに追加」していく
2)すべての曲を追加し終えたら再生待ちリストの画面に移動
3)そこで「プレイリストを保存」を実行する
…というもの。
対してNe Playerでは、
1)あらかじめ新規プレイリストを作成しておく
2)曲名を左に向かってスライドさせると表示される「編集」をタップしてそこで「プレイリストに追加」する
…という流れだ。
正直やや恣意的にNe Playerの方がよさげに思えるような書き方になっているが、実感としてそう書きたくなる感じなのだ。HF Playerの「再生待ちリスト」を経由しないとプレイリストを作成できないというスタイルは、何かしらの考えがあってのものと思うが、僕としては少し回りくどく感じるのも事実。また新規のプレイリストを作成する場合はそれでもいいが、既存のプレイリストをささっと曲を追加するのには向かないと思う。
プレイリスト作成の面倒さはiOS標準のミュージックアプリもそうなのだが、標準のミュージックアプリだと「プレイリスト作成はiTunes側に任せる」という使い方でカバーすることもできる。アプリ単体でプレイリスト作成から管理までを行わないとならない再生アプリでは、標準アプリ以上にプレイリスト周りの機能は重要だ。この点でNe Playerは評価したいし、他のアプリも含めて今後のさらなる充実を期待したい。
■まとめ
取材執筆時のバージョンでは、どちらとも基本性能は全く問題ない。…というその上での個性として、
●接続性や音質機能などオーディオ要素を高めてきたHF Player
●インターフェースにも力を入れたNe Player
…という印象だ。しかし拮抗するライバルが登場したことで今後は、お互いの良さを伸ばしつつお互いの良いところもお互いに取り入れていくような発展も期待できる。半年後や一年後にはどちらもさらに使いやすいアプリになってくれているはずだ。
高橋敦 TAKAHASHI,Atsushi 趣味も仕事も文章作成。仕事としての文章作成はオーディオ関連が主。他の趣味は読書、音楽鑑賞、アニメ鑑賞、映画鑑賞、エレクトリック・ギターの演奏と整備、猫の溺愛など。趣味を仕事に生かし仕事を趣味に生かして日々活動中。 |
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