海外で話題の革新的音楽管理・再生ソフトをレビュー
クラウド/ローカルをシームレスにつなぐ“総合音楽鑑賞プレーヤーソフト”「Roon」の魔法とは?
■Roonで実践するネットワークオーディオ
今まで見てきたように、Roonは極めて多機能、かつ使っていて楽しい素晴らしいソフトである。一方で、RoonはあくまでWindowsとMac、すなわちPCのソフトである。となると、やはりPCに面と向かって操作しなければならないのか……と思うかもしれないが、幸いにしてそんな時代はとうの昔に終わっている。
JRiver Media CenterにJRemoteがあるように、foobar2000にMonkeyMote 4 foobar2000があるように、Audirvana PlusにA+ Remoteがあるように、Roonにもリモートコントロールの為のアプリがiPadとandroidタブレットに用意されている。他の再生ソフト同様、Roonでもネットワークオーディオは実践可能である。
iPad版・android版ともに、アプリのデザインは縦横比を除いてPC版とまったく同じ。できることも、操作方法もまったく同じ。
マウス操作が基本のPCと、タッチ操作が基本のタブレットのデザインをまったく同一にすることには危険が伴う。両者にはそれぞれに適したデザインや操作性があるからだ。例えばまずPC版のデザインありきで、それをそのままタブレットに移植しただけでは、両者の利点を潰すだけになりかねない。
しかし、Roonの場合はまったく違和感がない。「PCにはPCのデザイン、タブレットにはタブレットのデザイン」と考えるのではなく、最初から「PCとタブレットの双方で最高の操作性を実現可能なデザイン」として練り上げられていると感じる。ちなみにマウスの右クリックはタブレットの長押しに対応する。
純然たるネットワークオーディオのコントロールアプリとして考えても、Roonの完成度はすこぶる高く、最初からネットワークオーディオ用途に作られたアプリの多くを大きく引き離している。表示速度、レスポンス、安定性など、多くの点でJRiver Media CenterとJRemoteの組み合わせに匹敵する。それに加えてRoonならではの「音楽の海」も、タブレットでPC同様に楽しめるのだからたいしたものだ。