<連載:折原一也の“いまシュン!”ビジュアルプロダクト>
製品版が正式登場。ソニーの電子ペーパー搭載新機軸リモコン「HUIS」をじっくり使った
部屋の天井に取り付けているLED照明(パナソニック製)も標準で信号登録済み。AV機器だけでなく、白物家電用の信号情報もフォローしている点は、従来のAV機器用学習リモコンにはない「HUIS REMOTE CONTROLLER」の配慮といえるだろう。
さて、登録した各機器を実際に「HUIS REMOTE CONTROLLER」から操作してみての感想だが、テレビやレコーダーなど元のボタン数が多い機器は、1画面にボタンが収まらずフリックで画面切り替えの際に待たされる(前述のように電子ペーパーの画面書き換えに1秒ちょっとかかる)ため、正直に言って置き換えは不向きな印象も受けた。BDレコーダーやプレイヤー、コンポは、再生のみに限れば特に支障なく扱える。
逆に、電源オンオフや数個のボタン程度しか使わない類の機器は相性がいい。例えば筆者の環境ではAVアンプやエアコン、LED照明がそれに当たる。元々ボタン数も少ないリモコンの操作を引き受ける、なんて用途こそが「HUIS REMOTE CONTROLLER」の本領発揮といったところだ。
■複数機器の操作ボタンを1画面に集約するなど自在なカスタマイズ
ここまでは各機器を単独で登録して使ってきたが、それぞれの機器から任意の機能を横断的に選抜してひとつの画面にまとめる、といったカスタムも可能。操作の流れは登録済みの機器のページから追加したいボタンを順に選ぶのみだ。
本機能を利用すれば、例えば、ホームシアター視聴時に使うボタンのみをまとめたり、エアコンや照明の家電系の操作ボタンだけを集めるといったことができる。筆者は白物関係でカスタムを1つ、あとはホームシアター関連で1つカスタムを追加した。あとは必要と思った時にその都度追加する、という発想で使うと良さそうだ。
開発チームのHUIS事業室統括課長・八木隆典氏によると、こうしたカスタマイズ作業をPCから行えるソフト「HUIS UIクリエイター」(仮)を今年春には提供予定だとのこと。早い段階からパブリックベータ版を提供し、ソフトウェア自体のオープンソース化も検討しているという。
また、現時点では未実装だが、以前の構想ではクレードルを経由した宅外連携なども検討されていた。このあたりはFirst Flightのサイトを通じて出資者の声を聞いて開発を進めていく予定とのことで、良い意味で発展の余地を残していると言えよう。
今後ユーザーの声をどれだけ面白い製品に発展していくか楽しみな製品の登場だ。