[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域
【第160回】良いメンテナンスが良い音を作る!ポータブルオーディオの “お手入れ法” 徹底解説
■イヤーピースとイヤーパッドは「交換」も視野に
イヤホンではイヤーピース、ヘッドホンではイヤーパッドは、音質への影響も大きいし、ユーザーの耳に直接触れる部分なので衛生的にも清潔さを保ちたい。
イヤホンのイヤーピースでシリコン系のものは、普通に水拭きや水洗い、除菌ウェットティッシュ等でクリーニングを行い、しっかり乾かせば問題ない。フォーム素材のものも、水洗いはどうかと思うが、その他はおおよそ共通のお手入れで問題ないだろう。強いアルコール成分などには弱いかもしれないが、そもそもフォーム素材のイヤーピースは消耗品として作られており、それで劣化したら新品に交換すればよいのだ。
いまさらっと書いた「フォーム素材のイヤーピースは消耗品」というのも大きなポイント。ものによって耐久性の違いはあり、例えばシュア純正の「弾丸」はかなり長持ちする印象だが、それでも基本的には消耗品だ。
具体的には、押し潰した際の反発力と復元力が劣化してくると耳の中への密着度が下がり、音質も装着感も低下してくる。また表面がスポンンジ的に多孔なタイプは特に、良好な衛生状態の維持も難しそうだ。それらが気になったら、そのタイミングで新品に交換するべきだろう。
ヘッドホンのイヤーパッドは人工皮革系の素材なら普通に拭き掃除でよいだろう。本革の扱いについては次項で補足する。
あと僕は苦手なベロワ系のパッド。こちらは表面にごみが絡みつきやすいので、洋服用のブラシなどでブラッシングしてそれを落としておくのもよいかと思う。
イヤーパッドも長期の使用では、内部のクッション素材の反発力や復元力が経年劣化で低下する場合がある。スタジオモニター系の定番ロングセラーモデルとかだと純正の交換用イヤーパッドが容易に入手可能だったりするので、それも検討してみるとよいだろう。サードパーティ製イヤーパッドにも注目だ。