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[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域

【第172回】We are X ! Love Titan ! チタンイヤホン/ヘッドホンをX JAPAN「ART OF LIFE」30分一発レビュー!

公開日 2016/12/09 10:00 高橋 敦
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●24分44秒|第一メイン-3rd
●25分25秒|ギター主題-4th
●25分46秒|第一サビ-3rd

 終盤にきて、少しだけ空間の窮屈さもあるかも……と書いた。しかしその窮屈さがあったことで、この第一サビでストリングスが高音域に移って、中域のスペースが空いた瞬間の開放感、視界が広がる感じが際立った。やはりコントラストやダイナミクス、そういったところに強みがあるヘッドホンと思える。

●26分08秒|様々なテーマの再提示
●26分27秒|第三間奏
●27分16秒|イントロ主題-2nd

 怒涛の終盤。パワフルに駆け抜けてくれる……

プラグは3.5mmをベースにアダプタで6.35mmに対応するタイプ。心高まる精密感

●27分31秒|第二サビ-3rd(最終サビ)
 リズムのタメ、タイミングを後ろに引っ張って重みを増加させているニュアンスを強めに感じる。アタックの忠実な再現性という範疇を超え、音楽的ニュアンスを少し拡大してくれているような印象さえある。

ATH-A2000Z 印象まとめ「ダイナミクスな表現力、チタンドラム的な鳴りっぷり」

最後まで聴き終えての好印象を一言でまとめると「ダイナミクス表現の豊かさ」。ここでいう「ダイナミクス」はオーディオ的な性能値としての「ダイナミックレンジ」とかの話ではなく、音楽的な抑揚の表現力の話だ。

もちろん単純に音量の大小の再現性という要素もある。しかしそれに加えて、例えばドラムスで言えば、ヒットの強弱によって音量だけでなく音色自体も変わる、その変化もしっかり捉えて届けてくれるといったような要素も含めての「ダイナミクス表現の豊かさ」だ。「ヒットやらピッキングやらブレスやらの強さで音色は変わる」というところが分かりにくい場合、身近なもの、例えば鍋とかを強く弱くと叩き分けてみてほしい。音の大きさだけではなく音色も変わることを実感できると思う。

そのダイナミクスの豊かさにも関連していると思うが、音像のイイ感じの大柄さもポイント。個人的には「ルックスやシリーズの印象に反して」図太いと思ったほどに、インパクトがあった。大柄でも緩くはない良質な太さだ。

ケーブルは左右両出しの直付け

あと、音の響きの成分もこれまた豊かだ。これのおかげで音同士が自然に馴染んでくれている。そしてこれもぼんやりとはしない良質な響きだ。おかげで空間の奥行き、音像の立体的な配置は甘くなるどころかむしろ明瞭である。シンプルに、適切なアンプで駆動すれば「鳴りっぷりの良いヘッドホン」だということかもしれない。

チタンドラムも実は、アクリル製で極端に鳴らしにくいクリスタルドラムはもちろん、一般的な木材のドラムと比べても、ヒットポイントを捉えればむしろ鳴ってくれやすいタイプのドラムだという話を見聞きした覚えがある。

ならばこのヘッドホンを「チタンドラム的な鳴りっぷり」と評するのも間違いではないだろう。そういうことにしておこう、話を美しく締めるために…

***


さて、チタンイヤホン/ヘッドホンで「ART OF LIFE」を一発試聴レビュー!という今回の記事だったわけだが、これ実は、以前からどうにかできないかと狙っていた「チタン特集」と「X JAPAN特集」の二つを一つにまとめることで押し通した企画だ。

それが実現できたのも、ひとえに「FitEar TITAN」「ATH-A2000Z」というチタンな注目モデルの登場があってこそ。両モデルに感謝し、両モデルでX JAPANの他の曲も聴きこみつつ、X JAPAN のニューアルバムの発売を“気長”に待っていくつもりだ。

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