[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域
【第172回】We are X ! Love Titan ! チタンイヤホン/ヘッドホンをX JAPAN「ART OF LIFE」30分一発レビュー!
■ドライバー刷新で進化した“ART MONITOR”シリーズ最上位機「ATH-A2000Z」
こちらはTEAC「HA-P5」をUSB-DACとして、そのライン出力をBurson Audio「Soloist SL」で受けてヘッドホンを駆動。
●00分00秒|全体イントロ
ピアノの右手、高音域の音色の輝きと厚みが印象的。ギターのアルペジオも同じく。ブライトでありつつ肉感もある、魅力的な表現。響きや余韻の豊かさにも耳を引かれる。
●01分17秒|冒頭部
●02分07秒|冒頭部の展開
ボーカルが入ってくると、そのボーカルの音像が大柄なことに気付く。すると「そういえばそもそも、どの音も音像大きめだ」とさらに気付くのだが、この時点まで意識しなかったのは、その大柄さでも窮屈とは感じさせない音色や空間表現を備えているからか。
●02分58秒|本編イントロ
●03分23秒|イントロ主題-1st
大柄な音像は、バンドサウンドとなるこの部分からさらに魅力的に。口径が一回り大きくなったかのようにでかく響くドラムス。負けず劣らずプレベ的にぶん回すような迫力で唸るベース。綿密に構築された楽曲を注意深く演奏しながらこのドライブ感、実にX的。
●03分34秒|第一スパート-1st
●03分56秒|第二スパート-1st
●04分10秒|第一メイン-1st
●04分52秒|ギター主題-1st
刻みまくるPATAさんのレスポールのエッジの荒さが際立つ。音像の大柄さもだが、ルックスや技術面では音を積極的に整えてきそうなヘッドホンなのに、実際に聴くと音を抑制しすぎず、存分に鳴らしてくれる面も強いような印象。ツーバスも気持ちよくドコドコさせてくれる。大柄な音が高密度に詰め込まれてきても、主役として揺るがぬ存在感で、真ん中の一番前にボーカルがいてくれることもポイント。
●05分15秒|第一サビ-1st
●05分37秒|英詩
明るいメロディとコード展開のこの場面は、ひとまずの開放感のようなものを味わえる、というか味わいたい場面。そしてその開放感を味わえるのがこのヘッドホンだ。抑制しすぎない鳴りっぷりがこの場面でも発揮される。「このモデル、抑揚、ダイナミクスの表現が得意なヘッドホンなのでは?」という気配。
●05分58秒|第一ギターソロ
この曲のリードパートは基本的にHIDEさんがご担当。しかし、ギターソロでも所々に当時HIDEさんのメインギターに搭載されていたアクティブPUのそれとは違う、荒いエッジや抜けを感じる瞬間がある。PATAさんのレスポールを借りている箇所もあったりするのだろうか…?推測はさておき、実際の音のニュアンスとしてそう聴こえる箇所が、このヘッドホンだとより明瞭にそう聴こえてくる。音色のニュアンスや質感をわかりやすく届けてくれる印象。
●06分41秒|第一メイン-2nd
●07分32秒|第二スパート-2nd
この二回目ではギターが刻みつつ動き回るが、動き回っても腰高にならず、音色の厚みを感じられる。PATAさんの刻みとの相性がとても良い。
●07分43秒|ギター主題-2nd+英詩
一方、ここでのアクティブPU時代のHIDEさんらしい音の艶や伸びも存分に満喫できる。ベースのぶっとく吠えるプレベっぽさもやはりカッコイイ!
次ページツヤのあるアルペジオ、パワフルなバンドサウンド、場面毎に巧みに描き分ける