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[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域

【第172回】We are X ! Love Titan ! チタンイヤホン/ヘッドホンをX JAPAN「ART OF LIFE」30分一発レビュー!

公開日 2016/12/09 10:00 高橋 敦
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「ART OF LIFE」とは?

これもまた説明する必要もないとは思うが、念のために簡単に説明しておこう。
「ART OF LIFE」とは、X「Jealousy」の次、そしてX「JAPAN」名義では初となる彼らのアルバム作品だ。アルバム、ということになってはいるが収録曲は「ART OF LIFE」1曲のみ。それのみで30分弱の長さがある。

サイケデリック バイオレンス クライム オブ ビジュアル ショック…ウィーアー!X(エーックス)!!!

部分部分の素晴らしいメロディごとにいくつかの曲に分割して完成させた方が良いのではないか?という話もあったというほど、曲の展開の起伏は激しい。しかしあくまでも一つの曲として完成されており、トラックも分割されることなく、30分ぶっ続けでドラマティックに突き進んでいく。

その存在がファンに明かされたのは、「Jealousy」のリリースに合わせてだっただろうか。それから「オールナイトニッポン」で曲を前半後半に分割する形で初披露されるまで、その音を聴く時を待ち焦がれたあの日々……思い出や思い入れを語り出すと話の終わりが全く見えなくなるのでそれはやめておこう。

さて、今回ここで注目して欲しいのが、
「いくつかの曲に分割して完成させた方が良いのではないか?という話もあったというほど、曲の展開の起伏は激しい」
「30分ぶっ続けでドラマティックに突き進んでいく」

といったこの曲が持つ要素だ。

一つの曲の中に様々な場面があり、場面ごとに様々な音があり、聴き所がある。それが「ART OF LIFE」なのだ。

…ということは、この一曲だけでイヤホンやヘッドホンの試聴レビューできるんじゃね?

……いや、できない。しかし、できないからといって、やらないわけにはいかない。チタンのイヤホンやヘッドホンを、チタンドラムへの敬意も込めてレビューするには、「できる」「できない」でなく『やらなくてはいけない』のだ。一発勝負、この一曲の一度だけの試聴で!

…………いや、一発勝負である必要はないのではないか?というご意見もあるだろう。ちゃんと何度でも聴き込め、と。YOSHIKI さんの完璧主義に応えるにはその方が確かに適切だ。

しかし、YOSHIKI さんの “ 瞬間の美学 ” に倣うならどうだろうか。今回は後者を選ぶ。そういうことだ (←。

一発勝負とは言っても、その準備を万全のものとすることは当然である。あなたがそうであるように僕も、30分弱あるこの曲の全英詞を当時は暗記したくらいに聴き込んでおり、今も聴き続けている。しかし、オーディオチェック音源として聴き込んできたわけではないので、その観点での検討は改めて必要だ。

ということで、FitEar TITANとATH-A2000Zで聴く前に、手元の聴き慣れたイヤホンやヘッドホン、スピーカーで「ART OF LIFE」を2度3度4度……と、オーディオ観点で聴き込み直した。どの箇所でオーディオ的にどんな要素をチェックできるのかを事前に確かめておいた。

レビューは曲の時系列に沿って進める。前述の確認を踏まえ、曲を便宜上42ブロックに分割し、そのブロックに沿って書き込んでいけるメモ用紙を作成。「ART OF LIFE」1曲30分弱をノンストップで聴き続け、そしてリアルタイムで印象を書き殴る。

参考までにこちらが今回用意したメモ用紙。このような感じにチェックポイントをあらかじめ確認

本来は音質面でのポイント別に文章の並びを整理し直してレビューとするべきかもしれない。しかし今回はあえて、レビューとしては散らかった感じにはなるが、曲の流れを優先して時系列順のままでお届けさせていただく。あるいは皆様もノンストップで「ART OF LIFE」を聴きながら読んでいただければ……。とはいえ通して聴き終えた後には、全体を通しての印象のまとめも述べておこう。

次ページオーディオ観点レビューシートを作成し準備万端!いざ一発試聴へ!

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